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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B10 Bi-Turbo】クラッチ交換【93,000Km】

DSC08401_R本日はALPINA B10 Bi-Turboがクラッチの点検修理の為入庫しました。
オーナーによるとエンジンが温まった状態になると調子が悪くなるとの事で、この症状は熱によるクラッチディスクやプレートの
反り等の不具合により引き起こされる事が多いのでミッションを降ろしてクラッチメカニズムを計測・点検していきます。DSC08410_R遮熱板、マフラー、プロペラシャフト等を取り外してからミッションを降ろし、
クラッチへアクセスしていきます。DSC08413_Rミッションハウジングを降ろすと全体的にオイルで汚れていました。
エンジンオイル?ミッションオイル?何処からのオイル漏れなのか要検査ですね。
DSC08415_Rレリーズベアリングも消耗している事が写真からも伺えますね。DSC08418_R取り外したクラッチディスク・プレッシャープレートを確認していきます。DSC08420_Rダイヤルゲージで摩耗具合を確認しつつも、ディスクの表面の荒れ方から目視で消耗限界なのが分かるレベルですね。
DSC08424_Rプレッシャープレート・ダイヤフラムスプリングも摩耗しているので同時に交換が必要です。P1150931_Rミッションハウジング内はクラッチダストで真っ黒な状態です。
作業の前にスチーム洗浄して汚れを綺麗に落としておきます。P1150936_R洗浄・・・P1150940_Rボールピンは摩耗して画像の様な状態になっていました。
ボールピンを支点にしてレリーズフォークが動きボールピンは徐々に摩耗していき摩耗が酷いと
レリーズフォークが上手く作動せずクラッチの不具合に繋がるのでクラッチの交換の際には必ず交換します。P1150944_Rオイル漏れが見られたのでインプットシャフトのオイルシールも交換が必要です。P1150946_R新旧のインプットシャフトのオイルシール。
オイルシールは経年劣化で徐々にオイル漏れを起こすので経年も考慮し、
多少でも漏れを発見した際には同時に交換した方がメンテナンスコストの節約にもなりますね。
P1150951_R同時にシフトロッドのオイルシールも交換。P1150955_R新旧のシフトロッドのオイルシール。
P1150960_R新旧のレリーズベアリング。
クラッチの交換作業ではクラッチディスク・クラッチカバー・レリーズベアリングの3点をセットで交換がセオリーなので
当社では必ず同時に交換する様にします。
仮にどれか1点だけを交換した場合、その他のパーツに不具合が出てしまった時に再びミッションを降ろさないと
ならなくなりますので工賃や時間を考慮しても同時に交換しておく方がメンテナンスコストの節約に繋がりますね。
P1150962_Rそれぞれ各パーツを交換しスプラインの錆を綺麗に落としてグリスアップをします。P1150966_Rクラッチレリーズシリンダーを分解してオーバーホール。P1150976_R使用されているパッキンなどは当然新しく交換。P1150977_Rブーツ・スナップリング類も新品へ交換。P1150978_R元通りに組み直してレリーズシリンダーのオーバーホールは完了。P1150979_Rフライホイールの状態を確認。P1150982_Rフライホイールを研磨して表面の焼けなどを綺麗に整えていきます。
P1150984_R新旧のクラッチディスク・クラッチカバー。
クラッチ類の交換時期は走行方法によっても違いが出て来ますので一概に決める事は出来ません。
半クラッチを多用する渋滞区間を多く走行したり、ギアチェンジを頻繁に行う走行をする場合では
交換時期が早くなるのでご自分の走行方法を考慮しながら交換時期を導き出す事が大切です。
クラッチの滑りが多くなってもそのまま走行していいると他箇所にも影響を及ぼす事もありますので
ペダルからのジャダーや半クラッチ時の滑りなど乗られていればすぐに気付く部分なので
早めに交換を考えた方が良いでしょう。
P1150988_Rクラッチを一式取り付けてクラッチ交換は完了。P1160017_R本体にミッションを装着後、ユニバーサルジョイント側アウトプットオイルシールを交換。P1160020_R新旧のオイルシール。
P1160022_R慎重に圧入してオイルシールの交換作業は完了。P1160026_R新旧のデフ側のフランジガスケット。
P1160028_Rグリスを充填してガスケットを取り付けます。P1160030_Rミッションとデフにプロペラシャフトを繋ぎ、マフラー等のパーツを装着して作業は完了。
最後にテストランを行い今回の作業箇所やその他にも不具合が出ないか確認します。
市街地走行、高速走行もしながらミッションの調子を確認していきます。
気持ちの良い変速感とキビキビとしたALPINA独特の走りを取り戻し、後日オーナーの元へ納車となりました。

2016年12月05日