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MAINTENANCE REPORT

【E46 M3】エンジン異音修理【130,000Km】

気温も上がり、毎日の洗車が楽になってきたようです。春到来ですね。
花粉の飛散量も多くなってきており、ボディメンテナンスにも一番気を遣う季節になってきました。

本日のメンテナンスレポートは、エンジンルームから異音がするという事で入庫したE46 M3になります。
走行距離は130,000Km。前期モデルからだとすでに17年、最終モデルからでも11年程経過しているので
100,000Km超えのE46モデルも珍しくなくなってきましたね。
今回のM3は冷間時にキンキンといったような異音がするとの事だったので、
おそらくベルト廻りの消耗と考えられますが、その点を含め、その他に問題が無いかを調べ修理していきましょう。
冷間時にエンジンを始動させてエンジンルームの異音の発生個所を確認した所、
やはり、ベルト付近から発生している様なので、ベルトの状態だけでなくテンショナーやプーリー等の
点検も行います。
ファンベルト・エアコンベルト・各プーリー・テンショナーの交換が必要な状態でした。ベルト廻りだけでなく、ウォーターポンプの交換時期でした。内部シャフトベアリングのガタがあるようで
フランジ部分に遊びが大きく、経年と走行距離を考慮し、ベルト類と同時に交換していきます。
ウォーターポンプと同時にサーモも同時に交換。
新旧のウォーターポンプ、サーモスタット。
M3の場合、構造上ウォーターポンプとサーモスタットはセットで交換する事がほとんどです。
新旧のエアコンベルト、エアコンテンショナープーリー。
写真のように、取り外してみてみると劣化具合が良く分かりますね。
新旧のファンベルト・ファンベルトテンショナー・テンショナープーリー・アイドラプーリー。
ファンベルトテンショナーは油圧式なのですが、機械式と違って劣化が進むと油圧が低下して
適切なベルトの張りを保つ事が出来無くなってしまうので、定期的な点検・交換が必要です。
各ベルト類、テンショナー、プーリー、ウォーターポンプ等を装着し、異音が無いか確認し作業が完了。下廻りを確認するとプレッシャーバルブからのオイル漏れを発見。エンジンアンダーカバーは漏れたオイル等が付着して真っ黒に汚れていました。
アンダーカバーが装着されているモデルはオイルが漏れていてもアンダーカバーが受け止めてしまうので
オイル漏れに気付かないケースがほとんどですね。地面にオイルが・・・なんて時には
大量に漏れている事がほとんどなので定期的にチェックしましょう。新旧のプレッシャーバルブ。
新しいプレッシャーバルブを装着。フューエルフィルターを交換した履歴が無かったので交換。
フィルター内部の燃料を排出すると除去した汚れを含んで真っ黒な状態になっていました。新旧のフューエルフィルター。
M3は燃圧が高いので、定期的に交換をおすすめしています。
新しいフューエルフィルターを装着して交換作業が完了。冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入し、冷却経路内で発生した水垢や錆等の汚れを浮かせて
古い冷却水と共に車外へ圧送し、同時にエア抜きも行います。
漏れたオイル等で真っ黒になっていたエンジンアンダーカバーは装着の前にスチーム洗浄で汚れを落とします。全ての作業を終えたらテストランをしながら修理箇所やその他に問題等が無いか各部の最終チェックを行います。
異音も無くなりスムーズな加速と吹け上がりで本来の力強いM3の走りを取り戻す事が出来ました。
経年を感じさせる事無く、小気味良いギアチェンジでグングンと加速していく爽快感はM3ならではですね。

E46 M3も初期モデルなら20年弱、最終モデルでも10年以上が経過しており、
パーツの経年劣化を考慮すると、そろそろ全体的なメンテナンスが必要な時期だと思います。
今後も快適な走行を楽しむ為にも長期的なメンテナンスプランを立ててみてはいかがでしょうか?

2018年03月12日