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MAINTENANCE REPORT

【F30 ALPINA D3 Bi-Turbo】12ヶ月法定点検整備【50,000Km】

今週から一気に猛暑ですね~。個人的には冬より夏の方が調子が良いのでうれしい限りですが
周囲の声を聞いていると、すでにゲンナリモードに入っていますね。
このまま梅雨明けにしてくれるのでしょうか。

さて本日は12ヶ月法定点検整備の為、F30 ALPINA D3 Bi-Turboが入庫したのでレポートしていきましょう。
走行距離は約50,000Km。F30をベースに2013年ALPINAからリリースされた
D3 Bi-Turboは当社で扱う車輌としては比較的新しいモデルになりますね。
今回は12ヶ月法定点検整備という事で油脂系の交換をメインに作業を進めます。
エンジンオイルの交換。
当社の作業メニューではオイル交換の際にはフラッシング剤を注入して
エンジン内部の汚れを落としてから排出を行っています。
使用しているフラッシング剤は洗浄時の摩擦を防いで短時間で汚れに浸透し、
保護被膜を形成する事で落とした汚れの再付着を防止し、新しいオイルを再汚染から守ります。
エンジンオイルにも清浄効果はあるのですが、
交換時期を逃してしまうと取り切れなかったスラッジやカーボンの汚れが
徐々に堆積してしまい、エンジンオイルだけの性能では除去する事が出来なくなってしまうので、
走行距離が3,000km~5,000km、もしくは走行してなくても半年を目安に交換して下さい。10分~15分アイドリングを行ってエンジン内部にフラッシング剤を浸透させ十分に汚れを落としたら
古いオイルと共に排出。
出来るだけエンジン内部に古いオイルを残さない為に排出には時間を掛ける事が大切で、
雫が垂れなくなるまで行います。
同時に廃油に異常な汚れや金属片が含まれて無いか確認を行ってエンジン内部の状態を探ります。オイルエレメントの交換。
使用するパッキンやワッシャも新品へ交換。
オイルエレメントを装着したら規定量のオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。デフオイルの交換。
交換の前にフラッシング剤を注入して内部で発生したスラッジを排出させ易くします。
デフ内部ではデファレンシャルギアが可動しており、
スムーズなコーナーリングを可能にしているのはこのギアのおかげです。
デフオイルはこのギアを潤滑させる役割を担っているのですが、ギアが噛み合う事でスラッジが発生し
スラッジを含む事でデフオイルは徐々に劣化していきます。
交換を怠ると内部で発生したスラッジが研磨剤の様にギアにダメージを与えて
異音の原因や可動が鈍くなって燃費が低下してしまい最悪の場合ギア欠け等のトラブルなどを発生させてしまう事も。
デフオイルは粘度が高く低温状態ではスラッジを含んだオイルを上手く排出する事が出来ません。
スラッジを排出させ易くする為、必ず油温を上げた状態で行い、
エンジンオイル同様に時間を掛けて雫が垂れなくなるまで行います。
排出を終えたら規定量のデフオイルを注入し交換が完了。冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入し、
冷却経路内の水垢や錆等の汚れを落として古い冷却水と共に車外へ圧送します。
経年を重ねるとトラブルの発生率が高くなるのでウィークポイントである冷却系統のトラブル防止の為にも
年に1度はこの様な施工と同時に冷却経路のチェックを行っておくと安心です。次回の法定点検時期を設定。オイル交換後は忘れずにオイルインスペクションのリセットを行います。
御自身でオイル交換をする際も必ずリセットを行って下さい。リモートコントロールキーのバッテリー交換の警告が出ていたので電池を交換。
電池の消耗は使用頻度にも左右され、1年~2年もしくはそれ以上使用出来るケースもあるのですが、
磁気が発生する場所に保管すると消耗が早くなってしまうので要注意。
パソコン、テレビ、携帯電話、コードレスフォン、充電器、電磁調理器、
電気スタンド等の近くでは消耗が早くなる可能性が高く消耗が気になる方は保管場所に注意して下さい。
電池交換後はエラーのリセットを行って全ての作業が完了。全ての作業を終えたらテストランを行って点検箇所だけでなく走行していて違和感等がないか状態を確認。
特に問題が無ければ後日オーナーの元へ点検を記載した定期点検記録簿・定期点検ステッカーを
オーナーへお渡しして納車となります。

2018年06月26日