【E36 M3】フロントハブベアリング交換【115,000Km】
E36 M3Cのフロントハブベアリング交換。
左のガタツキが特に酷くリフトアップしてタイヤを揺らすと、グラグラとかなりの遊びが出ているようです。
緊急で入庫となりました。
ハブベアリングかな・・・と思っていても実はロアアームのボールジョイント部分のガタツキによって
異音や振動が出ている事もありますので、
経年や走行距離によってガタツキの要因となる箇所はしっかりとチェックが必要でしょう。
幸いにもロアアームに問題はありませんでしたが
ハブベアリングのガタツキは言葉にならない程。
おそらく内部でバラバラになっているのが容易に想像できます。
SSTを使用してハブベアリングを引き抜きます。
想像通りの状態でした。
グリスは固まり、ベアリングは完全に茶色く焼けている状態でした。
これではスムーズにタイヤが回転するわけがないですね。
ベアリングシャフト奥のブレーキダストからベアリングを守るプロテクションキャップは
前回交換時に未交換だったらしく、ガッチリと固着してしまっています。
ダストカバーは洗浄しておきます。
新しいハブベアリングキット。
左からハブベアリング、ダストキャップ、ナット、ハブキャップ。
いずれのパーツも必ず新品に交換しましょう。
ダストプロテクションキャップが機能しないと
ベアリング内部にダストや埃が混入し、ベアリングの寿命を大きく縮めますので
必ず交換します。
ハブベアリングを取り付け。
既定のトルクで締めこんでいきます。
290Nm。
ナットが緩まないようにしておきます。
ブレーキを元通りに戻し、作業は完了。
あれ程グラグラと動いていたローターもカチッと元通りに戻りました。
最後にテストランを実施し、問題が無ければ納車になります。
基本的にBMWはテールスライドをするような走りでは無く、グリップ走行がほとんどだと思いますので
ハブベアリングの消耗はフロントが圧倒的に進みます。
ハブベアリングが原因でノックバックと言われるブレーキが効かなくなる現象が起きる事も。
ハブベアリングにガタツキがあるとコーナーリング時の横Gでハブとホイールに挟まれている
ブレーキローターにも振れが発生し、ローターをはさんでいるブレーキパッドを
振れた分だけ押し戻してしまいます。その状態でブレーキペダルを踏み込むと
押し戻したブレーキパッドが元の位置に戻るまでブレーキが抜けてしまい
自分がイメージしているブレーキのタッチよりも格段に深い踏み代となってしまいます。
初期ではブレーキトラブルと誤診しやすく、いくらブレーキを整備しても直らないなんて事も。
ハブベアリングのガタからこのようにブレーキのトラブルをも誘発し
それが大事故につながるようなケースもありますので、100,000Kmを超えた車は
一度しっかりとチェックした方が良いでしょう。
2014年09月12日