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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B6】ATF漏れ修理&ATF交換【26,000Km】

今回はALPINA B6がATF漏れ修理の為入庫です。同時にATFの交換を行います。走行距離は26,000Km。
走行距離が少なくそれ程大きなトラブルでは無いと思いますが、まずはATF漏れの原因を探りながら
各部の点検を行います。
リフトアップをして下廻りを確認。
見た感じだとポタポタと垂れてくる程の漏れでは無い様子。
見たところ、今の所は軽症ですが、オイル漏れは少ないからまだ大丈夫という事では無く、
徐々に大きなトラブルへ発展していくので
オイル漏れを発見したら被害が大きくなる前に早期に修理を行うようにした方が良いでしょう。
今回はコネクションスリーブからの漏れだったので、ATFの交換と同時に行う必要がありました。ATFの排出を行いオイルパンを外して内部の状態を確認します。外したオイルパン。
ATシステム内部の状態を探る為にオイルパンに装着されている磁石に付いたスラッジを確認。スラッジの量に特に異常は見られず、特に問題無いレベルでした。
大きな金属片等が付着しているとATシステム内部に何らかの不具合が発生している事が想定される為、
ATシステムのオーバーホールや最悪の場合、AT本体の交換が必要になる事があります。
メーターへのミッションギア警告等点灯など、初期症状では異常を体感しない事も多いですが
かなりの確率でどこかしらに異常が出ているケースが多いです。
そういった場合は、まだ大丈夫かな・・・と思いこまずに早期に点検をおすすめしている箇所のひとつですね。
オイルパンとATFエレメントを外した状態で一晩掛けてATFの排出を行います。
オイルパンの装着面に残った古いガスケットはオイルストーン等で綺麗に削り落としておきます。オイルパンを外さないと交換出来ないコネクションスリーブを交換。
新旧のATFエレメント・コネクションスリーブ・オイルパンガスケット。
ATFエレメントはAT内部で発生したスラッジを吸着して26,000kmでもそれなりにスラッジが出ていましたね。
汚れたオイルパンは綺麗に洗浄して乾燥させておきます。新旧のコネクションスリーブ。
このパーツは劣化する事でオイル漏れを起こしやすく、消耗品として考えた方が良いでしょう。
オイルパンを外さないと交換出来ない為、オイルパンの脱着の際には同時に交換しておきたいパーツです。新品のコネクションスリーブ・ATFエレメントを装着。
新旧のATFドレンボルト。
ドレンボルトはパッキン一体型なので新品へ交換。
一度使用した物はパッキンが潰れていてオイル漏れの原因になるので使用不可です。新しいガスケットを使用して漏れやすい箇所には液体ガスケットを併用しながらオイルパンを装着。
装着は単にボルトを締めていくだけは再びオイル漏れに繋がってしまう為、装着の順序や既定のトルクを守って
慎重に作業をする事が大切です。
不十分な知識による装着ミスでオイル漏れを起こしてしまう事も多く注意が必要です。装着が済んだらATFを注入していきます。レベルゲージは付いていないのでテスターを使用して
温度管理を行いながらテストランを繰り返して油面調整を行います。
温度が高くなってしまうと膨張して的確な調整が出来無くなってしまうので
経験を生かして早目に調整を行わなければなりません。
ATFは多くても少なくても不具合を発生させるのでシビアな調整が必要です。全ての作業を終えたら最後にテストランを行い最終確認。
スムーズな加速とシフトアップやシフトダウンのタイミングも問題無く走行する事が出来ました。
テストラン後にオイル漏れの確認を行い問題が無かったので、オーナーの元へ納車となりました。
今回はATF漏れの修理を行いましたが、走行方法や管理方法などの諸条件で距離が少なくても今回のように
不具合が発生してしまうケースもありますね。特に排気量の大きいモデルなどはどうしても各部に負担が
かかりやすいので、今回のようなケースが見られる事が多いです。

2017年04月30日