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MAINTENANCE REPORT

【E90 325i】オーバーヒート修理【57,000Km】

E90 325iがオーバーヒート修理の為入庫です。
夏場に起きて欲しくないトラブルですね・・・
冷却水温の上昇やエンジンからの異音や異臭を感じた際は早急な対処が必要になります。
オーバーヒートの原因は様々ですが、走行距離やモデル年式などからある程度の原因を推測しながら作業を進めます。新旧の水温センサー。
冷却水の温度管理をしているセンサーなのですが、
不具合を起こすと冷却ファンが常に回り続たり、逆に回らなかったりと。
E90モデルからそれまで機械式で制御されていたものが
電子制御で稼働するパーツが多くなり細かな管理をする事で車輌にとって最適な状態で走行する事が
出来る様になった反面、センサー不良等で誤作動を起こす事も多くなっています。
特に前期モデルは生産から10年近く経過している事もあり、
そろそろ何が起きても不思議では無い年式になっていますね。新旧の電動ウォーターポンプと電制サーモスタット。
ボルトはアルミ製なので再利用は不可。
E90のオーバーヒートはまずはテスターで診断が必要になります。
従来のウォーターポンプはエンジンの力をベルト駆動で可動していたのでパワーロスや燃費にも影響を与え、
高速走行中は高回転、渋滞では低回転と冷却水の流量を適正に細かく制御する事が出来なかったのですが、
電動ウォーターポンプにする事でエンジンの動力に頼らず可動し、エンジンのパワーロスの軽減、
それに伴い燃費の向上、電制サーモスタットにより適正な冷却水の流量を電子制御で管理する事で非常に効率良く
エンジンを冷却する事が可能になった反面、今回のように前触れもなくウォーターポンプが停止し、
水温が上昇し慌ててしまうケースも多いですね。
その他、ウォーターポンプ本体の故障以外にもDMEの誤作動で
各パーツに異常が出るケースがあるので注意が必要です。
電子制御化され非常に便利になったのは良いのですが、制御装置に異常が出ると機能的に問題が無くても
エラーとして感知する事で誤作動を引き起こす事もありますので、整備する側からすると
正直なところイマイチなシステムです・・・
各パーツを装着して冷却水の交換。
専用の機材を使用してフラッシング剤を注入して冷却ラインに堆積した水垢や錆等を車外へ排出させます。
新しい冷却水を規定量注入して冷却水の交換が完了。
定期的な冷却水の交換は冷却ラインをクリーンにする事で安定した冷却効果を発揮させウォーターポンプ等の
パーツへの負担を軽減させるので水廻りの点検という事も含め年に1回は行うようおすすめしています。全ての作業を終えたら最後にテストランを行い修理箇所やその他に問題がないか確認し
オーナーの元へ納車となりました。

2017年07月22日