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MAINTENANCE REPORT

【BMW 2002tii】24ヶ月法定点検&車検整備【E10】

以前当店でレストアした2002tiiが24ヶ月法定点検と車検整備の為入庫しました。
レストア完了からあっという間の二年でしたね。
フルレストアといっても二年の間、何もメンテナンスをしていなかった訳では無く
定期的にご入庫いただき、都度各部のオイル交換や細かい箇所の手直しなどを行っていた為
大きなトラブルも無くお乗りいただき楽しんでいただけているようです。
まずは各部を診断しつつメンテナンスメニューを決めていきます。下廻りを確認すると、デフオイル漏れを発見。デフカバーガスケットと右サイドシールからのオイル漏れですね。
このあたりは定期消耗交換部品として考えていますので、ガスケットとオイルシールの交換をし
デフオイルも同時に交換していきます。
ドライブシャフト右側のサイドシールからのオイル漏れ。まずはデフオイルを排出。
ドライブシャフト、アウトプットドライブフランジを外してオイルシールを交換。アウトプットドライブフランジと新旧のオイルシール・Oリング。
オイルシールを装着の際はシールとの接触面を綺麗に洗浄し、異物の噛み込みなどないよう
真っ直ぐにオイルシールを圧入していきます。
デフカバーのガスケット交換。
ドライブシャフトを元に戻し、デフカバーのガスケット交換の為にデフカバーを外します。
ケース内に金属片が無いかなどもチェックし、残ったガスケットをオイルストーンなどで綺麗に残さず剥がします。
外したデフカバーはオイル汚れを綺麗に洗浄し、こちらも接合面の清掃をしっかりと行っておきます。
接合面に問題があると再びオイル漏れが早期に発生する事もあるので、接合面はカバー・デフケース共に
問題無い事を確認しておく事も大事ですね。
新旧のデフカバーガスケット。液体ガスケットを併用し取り付け。
デフカバーを装着し、規定量のデフオイルを注入してデフオイル漏れ修理及びデフオイルの交換が完了。
FUCHS HLS90 75W-90ユニバーサルジョイントの交換。新旧のユニバーサルジョイント。
2002モデルのユニバーサルジョイントは何種類かあるのですが、
この8穴ユニバーサルジョイントは正直寿命がちょっと短めですね。
8穴という構造上、ホール間の間隔も少なく、捻じれに弱いのかもしれません。二年間でそこまで走行距離が多いわけではないのですが、
ボルトカラーに沿って亀裂が入っているのが確認出来ます。
ミッションマウントも一つで支えている構造上、
回転運動の負荷が多くかかり、そのかかり方も不均一である事も予想できますので
ちょっと早めの定期消耗パーツと考えた方が良いかも知れません。
エンジンオイル交換。
排出には時間を掛け出来るだけ内部に古いオイルを残さない様にします。今回チョイスしたオイルはFUCHS TiTAN SuperSyn 5W-50。
2002のエンジンにもマッチしたオイルですね。3千回転から上の伸びが心地良いオイルです。
スラッジの吸着・集約性能の高く、新旧モデル問わず人気のあるロングセラーオイルのひとつです。
フロントのスプリングパッドが切れていたので交換。スプリングコンプレッサーを使用してスプリングを外し交換新旧のスプリングパッド。
E30・36モデルのパッドに比べると若干弱め、こちらも定期交換部品のひとつでしょう。テールランプカバーの交換。
何らかの原因でテールランプ上部にクラックが入ってしまい内部結露の原因になっています。新旧のテールランプカバー。
新しいテールランプカバーを装着。冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入して冷却経路を綺麗にして古い冷却水と同時に車外へ排出させます。
定期的にこの様な施工をしておけば、エンジンの冷却効果を維持し、冷却水漏れの早期発見など
一年に一度はおすすめしているメニューのひとつです。
全ての作業を終え、テストランを行って問題が無ければ陸運支局へ持ち込んで車検を取得。
オーナーへ車検証、定期点検記録簿、車検ステッカー、定期点検ステッカーを渡して納車となりました。

2017年10月29日