【E46 330i Cabriolet】24ヶ月法定点検&車検整備【25,000Km】
見た事もないルートで台風接近中ですね。今のところ降ったり止んだりですが
夕方から横浜は風雨が酷くなるようなので状況によっては早めに閉店するかもしれません・・・
本日のメンテナンスレポートはE46 330i Cabrioletの24ヶ月法定点検と車検整備です。走行距離は25,000Km。
こちらの車輛は10年以上管理させてもらっており、一年に一度は必ず入庫してもらっており
常に良い状態でコンディションをキープさせてもらっている車輛です。
今回の車検も不具合箇所などは見つからず、各オイルの交換をメインに作業を進めていきましょう。
エンジンオイル交換。
交換の前にフラッシング剤を注入してエンジン内部のスラッジやカーボンの汚れを落とします。
エンジンオイルは走行していれば汚れてくるのは当然なのですが、
短距離しか走行しない場合でも劣化には注意が必要です。
近所までのチョイノリや週末に短距離しか乗らないというケースではエンジンオイルに負担を掛けて
通常よりも劣化が進んでしまいます。
冬場に短距離しか乗らないと結露等で発生した水分がオイルと混ざってオイルが乳化してしまうと
クリーム状になって潤滑性が失われる事でエンジンにダメージを与えるのでオイルフィラーキャップ等に
乳化跡を見つけたら早急にオイル交換が必要です。
10分~15分程アイドリングを行ってフラッシングした後に古いエンジンオイルを排出。
排出したオイルは特に乳化は見られず状態も問題は無さそうです。
時間を掛けて排出を行い、異常な汚れや金属片等が含まれていないか廃油を確認して
エンジン内部の状態を探ります。
新旧のオイルエレメント。同時に装着に使用するパッキンも交換。
フラッシングを行った後でもオイルエレメントの汚れ方が少なくエンジン内部の状態も問題なさそうです。
エンジンオイルの排出を終えたらオイルエレメントを装着し、
規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイルの交換が完了。
走行距離が少ない場合、エンジンオイルの交換時期は半年に一度を目安に交換すると安心です。
ATFの交換。
当社の交換方式は全量交換方式です。
交換サイクルは車検を目安に2年毎に行えばシフトフィーリングを快調に保てるのでおすすめです。
ドレンボルトを緩めてATFを排出した後にオイルパンを外した状態で一晩掛けて排出を行うので
ATFの交換は車をお預かりして最短でも1泊2日の作業になります。
走行距離が60,000km以上経過している車輌のATFの交換についても気軽に御相談下さい。
スラッジ量の確認を終えたらオイルパンを綺麗に洗浄しておきます。
新旧のATエレメント、オイルパンガスケット。
年間走行距離が少な目といっても、それなりにATエレメントにスラッジが吸着しているのが確認出来ますね。
新旧で比べると確実に内部で汚れは発生しているので定期的な交換は必要です。
新しいATエレメントを装着してオイルパンを装着。
オイルパンの接着面に残ったガスケット跡等はオイルストーンで綺麗に整えておかないと密着性が薄れて
オイル漏れを誘発してしまうので要注意。
ATFを注入し油温の管理を行いながら油面調整を行うのですが、油温が高いと膨張して
正確な調整が出来なくなってしまうので迅速にシビアな作業が必要です。
ATFは多くても少なくても不調に繋がってしまう為、いい加減な油面調整は不調の原因になってしまいます。
一度テストランを行った後に冷えた状態で再度油面調整を行って問題が無ければATFの交換が完了。
デフオイルの交換。
エンジンオイルと同様に必ず温めた状態で排出を行わないと粘度が高い為、上手く排出する事が出来ません。
デフ内部ではギアが噛み合っている為、スラッジが多く発生するのですがエレメント等は付いていないので
交換をせずに使用しているとオイルに含まれたスラッジが
研磨剤の役割となってデファレンシャルギアにダメージを与え
最悪の場合、ギアを破損させる事もあるので定期的な交換が必要です。
こちらも廃油のチェックを行って異常な金属片等が含まれていないか確認します。
デフオイルの排出を終えたら規定量のデフオイルを注入して交換作業が完了。
パワステオイルの交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入して
パワステラインやパワステポンプ・ギアボックスで発生したスラッジを古いオイルと共に車外へ圧送します。
パワステオイル漏れはE46のウィークポイントとしてもお馴染みなので悩まされている方が多いのではないでしょうか?
パワステオイルの汚れが原因となる事が多く、
パワステポンプやギアボックス等で発生したスラッジを多く含んだオイルを
交換せずに使用していると含まれたスラッジがパワステポンプだけでなく
ホース類等にダメージを与えてオイル漏れを発症します。
車庫入れ等でハンドル操作を多く繰り返す方はオイルの汚れ方が早まるので要注意。
定期的にパワステラインをクリーンな状態に保つ事と同時に
点検を行う事で格段にオイル漏れを解消する事が出来るので、法定点検時に作業を行うと良いでしょう。
交換後のパワステオイル。
新油は透明の赤色なのですが、
少しでもパワステライン内にスラッジが残っていると透明度は薄れて直ぐに汚れてしまう為、
単純にタンク内のオイルを抜くだけでなく、
ステアリングメカニズム全体のオイルラインの洗浄をするようにしましょう。
ブレーキフルードの交換。
専用の機械を使用してブレーキライン内の錆や水垢汚れ等と共に古いフルードを車外へ圧送します。
排出された古いブレーキフルードに異常な錆等が含まれて無いか確認を行い異常が見つかれば原因を特定する為、
ブレーキシステム全体の調査が必要になります。
4輪全てのブレーキラインの交換を終えたらエア抜きを行ってブレーキフルードの交換が完了。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、走行距離が少なくても劣化は進むので定期的な交換が必要です。
ブレーキのトラブルは自分の命だけでなく他人の命にもに関わる部分なので多少でも違和感を感じたら放置をせずに
掛かりつけのファクトリーへ相談して下さい。
冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入して冷却経路内の錆や水垢等の汚れを浮かせて
古い冷却水と共に車外へ圧送します。
E46のウィークポイントの冷却系のトラブルは経年劣化による症例も多く、
しっかりと定期的なメンテナンスを行う事が大切です。
基本的に自然に冷却水が減る事は稀なのですが、ホースやウォーターポンプの劣化で漏れてしまう事があり、
応急処置として水を足したりする事があると思いますが、
冷却水を薄める事になるので沸点の変化や凍結、錆の発生等に繋がる為
緊急時以外は水の使用は避け、補充は同種類の冷却水を使用して下さい。
水を補充した冷却水の使用は上記の理由からトラブルが発生する前に早急に全量交換した方が良いでしょう。
街乗りを繰り返す低走行車はスパークプラグに負担を掛けている事が多く、
点火の状態をチェックする為スパークプラグを確認。
新旧のスパークプラグ。
劣化を考慮して全てのスパークプラグを交換。
短距離の走行を繰り返す車輌は、不完全燃焼により多くのカーボンが発火部に付着する事でミスファイヤーを起こし、
くすぶりやかぶりの症状が出る事があるので、
回転数を上げずに街中の走行が多い方などはスパークプラグの交換サイクルも早くなる傾向がありますので
点検時にはチェックするようにしましょう。
ウォッシャー使用時に拭き残しが見られたので新品へ交換。
全ての作業を終えたら最後にテストランを行って整備箇所に問題や走行中にその他の違和感等がないか確認し、
特に問題が見つからなければ全ての作業が完了です。
最寄りの陸運支局へ車輌を持ち込んで車検を取得。
オーナーへ車検証、定期点検記録簿、車検ステッカー、定期点検ステッカーをお渡して全ての作業が終了です。
またのご来店お待ちしております。
2018年07月28日