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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA C1 2.3】12ヶ月法定点検整備【E21】

今回のメンテナンスレポートはALPINA C1 2.3の12ヶ月法定点検整備です。
当社で3年前にレストア完了し大事に乗られている一台です。
大きなトラブルも無く、乗っていただいておりますが、
水温の振れ幅が若干大きいのでサーモスタットを交換しつつ、その他の点検・作業を進めていきましょう。
サーモスタットを交換。当然レストア時に新品に交換しておりますが、消耗品と考えて良い部品になります。
新旧のサーモスタット。同時にOリングを交換。
Oリングは見た目に状態が良かったとしても一度装着を行っていれば再使用は出来ません。
再使用してしまうと確実に冷却水漏れの原因になる為、
サーモスタットの交換や脱着をした際は必ず新品のOリングを使用して下さい。冷却水の色は濁りも無く、内部で錆の発生が少ない事が判ります。
逆に内部で錆が発生している車輌の冷却水は濁りが多く、錆色に変化しているような場合は要注意ですね。
色だけでなく、錆が発生している場合は冷却経路が詰まったり、
酷いケースでは錆が原因でラジエターに穴が開いてしまったりする事があるので
冷却水に濁りがあった場合は早急な対策が必要です。
また、冷却水が減っていたり冷却水漏れ等のトラブルで一時的に水道水を補充してしまうと濃度が薄れてしまい
経路内に錆を誘発したり蒸発や凍結等のトラブルを発生させるので、緊急時以外は専用の補充液を使用し、
もしも水道水を補充してしまったら錆の発生を防ぐ為にも出来るだけ
早目に冷却経路の点検と冷却水の交換を行って下さい。冷却水の交換。
専用の機械を使用して冷却経路内のフラッシングを行って内部で発生した水垢や錆等を
古い冷却水と共に車外へ圧送させ排出を終えたら規定量の新しい冷却水を注入して
防錆処理を施し最後にエア抜きを行って交換作業が完了です。エンジンオイルの交換。
交換の前にフラッシング剤を注入して内部で発生し堆積している
スラッジやカーボンを落として古いオイルと共に車外へ排出させます。当社で使用しているフラッシング剤は【wynn’s オイルシステムクリーナー】。
素早くエンジン内部に浸透し汚れを落とし易くするだけでなく洗浄時の摩擦を抑え、
同時に保護被膜を形成して再付着防止効果で一度落した汚れの再付着を防止し、
新しいオイルの再汚染を防ぐ効果が期待出来ます。
当社のエンジンオイル交換はエンジンのフラッシングも含まれているので
エンジン内部の汚れが気になる方はおすすめの作業です。10~15分程アイドリングを行ってエンジン内部の手の届かない箇所までフラッシング剤を浸透させて汚れを落とし、
古いエンジンオイルと共に車外へ排出させます。
出来るだけエンジン内部に古いオイルが残らない様に排出には時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行い
同時に異常な汚れや金属片等が含まれて無いか廃油のチェックを行ってエンジン内部の状態を探ります。オイルエレメントの交換。
オイルエレメントはフラッシングの効果で多くの汚れを吸着するので交換が必要です。
古いエンジンオイルの排出を終えたらオイルエレメントを装着し
新しいエンジンオイルを規定量注入しエンジンオイル交換が完了。
今回チョイスしたオイルは【FUCHS TiTAN SuperSyn 5w-50】。
ALPINAやM3のオーナーに支持されているオイルなのですが、エンジンの吹け上がりだけでなく静粛性も良くなり
汚れの集約や清浄性能も高いので経年車にも好評なエンジンオイルです。全ての作業を終えたら最終チェックのテストランを行って、特に問題が無ければ作業完了。
点検記録簿と整備済ステッカーをオーナーへお渡しして納車となります。経年車は通常のメンテナンスの他に経年パーツや消耗パーツの交換時期にも注意が必要なので、
専門の知識が豊富な工場と長期のメンテナンスプランを立ててしっかりと対応していく事が大切です。
デリバリーされるパーツも徐々に少なくなっておりますが、これからも楽しみながら長く維持して頂きたいですね。

2018年10月03日