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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B3S】24ヶ月法定点検&車検整備【120,000Km】

10月になりましたね。今年も残り@3ヶ月早いものです・・・
秋らしくはなってきましたが、まだまだ体を動かすと汗ばむ陽気ですね。

本日はALPINA B3Sの24ヶ月法定点検と車検整備をメンテナンスレポートとしてお伝えしていきましょう。
走行距離は120,000Km。
ALPINA B3SはE46 330iをベースとしてALPINAチューンを施され、搭載するエンジンは300馬力を超える性能を誇り、
2002年~2006年まで生産された最終のNA6気筒モデルとして現在でもE46M3と人気を二分していますね。
今回は基本的な油脂の交換の他に経年劣化によるパーツの交換を行います。ボンネットを開けてエンジンルーム内の劣化や交換が気になる箇所を慎重に隅々までチェックしていきます。エンジンルーム内を隈なくチェックしているとファンベルトの劣化を発見。
劣化が進行して大きくクラックが入っている状態でした。
パワフルなエンジンを搭載している為、この様な状態で運転を続けていれば
ちょっとした走行でも突然切れてしまう恐れがあり、ベルト付近からキュルキュル等と異音が鳴っていれば要注意です。
劣化したベルトをそのまま使用しているとプーラーやテンショナーへも悪影響を及ぼし、
何らかの原因でプーラーがロックしてしまえば、確実にファンベルトの断裂に繋がる事になり非常に危険です。点検を進めるとエンジンオイルエレメントベースからのオイル漏れを発見。
E46系のモデルではウィークポイントの一つで経年劣化によりガスケットの密着度が薄れてオイル漏れを発生させます。
インテーク側でのオイル漏れは、エアホースやベルト廻り、モデルによってはオルタネーターなどに漏れたオイルが
付着し、思いがけないトラブルに発展する事もありますので、早めの対応が二次・三次被害を食い止めてくれます。
ガスケットを交換する為、エンジンオイルエレメントベースを取り外します。
装着面に残ったガスケット跡はオイルストーンで綺麗に整えておき、オイル汚れは綺麗に洗浄しておきます。取り外したエンジンオイルエレメントベース。
装着面に使用されている古いガスケットを取り外して交換を行います。新旧のエンジンオイルエレメントベースガスケット。
酷いケースになるとガスケットが固くなって触れただけでバラバラになってしまう状態になっている事も。
ケース側の装着面もオイルストーンで綺麗に整えてから漏れやすい箇所に
液体ガスケットを併用してガスケットを装着。新旧のファンベルト、ファンベルトテンショナー、テンションプーリー、アイドラプーリー。
ファンベルトテンショナーは油圧式なのですが、劣化してしまうと油圧が低下して
適切にベルトの張りを維持する事が出来なくなってしまう為、定期的な点検と交換が必要です。パワステオイル交換。
交換を怠るとパワステポンプやギアボックスで発生したスラッジがパワステオイルに含まれる事で
研磨剤の様になってギアボックスやポンプ内部を傷付けてオイル漏れを発生させる為、
オイルの管理は非常に重要になります。専用の機械を使用してフラッシングを行い、パワステポンプやギアボックス、パワステ経路内に堆積したスラッジを
古いパワステオイルと共に車外へ圧送させます。交換後のパワステオイルの色は画像の様に透明な赤色なのですが、
劣化が進むと交換前の画像の様に透明度は薄れて黒味を帯びてきます。
オイルの継ぎ足しや単にタンク内のパワステオイルを抜いて
交換しただけでは経路内のスラッジを排出する事は難しく、
スラッジが経路内に残っていると交換を行っても直ぐに汚染されてしまう為、ここまでの透明度にはなりません。
パワステオイルは単に交換をするのではなく施工方法にも注意を払い作業を行う事が大切です。ブレーキフルードの交換。
専用の機械を使用してフラッシングを行い、ブレーキライン内の水垢や錆等の汚れを浮かせて
古いフルードと共に車外へ圧送させます。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、車を使用するしないに関わらず劣化が進行していくのですが、
一般的な走行でしたら車検毎の交換で特に問題はありません。
しかし、渋滞地区や山道、峠道等の走行やスポーツ走行をする方はブレーキへの負担が多くなる事で、
劣化が進行していく為、通常よりも早目の交換を心掛けて下さい。
劣化を放置して交換を行わないと吸湿した水分により錆を発生させ、キャリパーのピストンに錆が発生してしまうと
動きが鈍くなったり、固着してしまうとブレーキの引き摺り等を起こしてブレーキの利きが悪くなるだけでなく、
ブレーキパッドやブレーキローターへダメージを与えます。
更にブレーキの熱でフルードが沸騰してしまうと、ブレーキライン内に気泡を作り出し、
気泡によって油圧が伝わらなくなるベーパーロック現象を発生させ、
ブレーキペダルを踏んでいるのにスカスカとブレーキが全く利かなくなってしまうので非常に危険です。
御自身の命だけでなく他人の命も奪いかねない大きな事故に発展するケースもある為、
ブレーキの管理はしっかりと行っておく事が大切です。4輪全て作業を行って排出された古いブレーキフルードに異常な錆や汚れ等が無いか確認を行い、
もし異常が見つかれば原因を特定する為、ブレーキシステム全体を取り外す等の大掛かりな作業が必要になります。新しいブレーキフルードを注入しエア抜きを行ってブレーキフルードの交換が完了。
交換後のブレーキフルードは画像の様に無色透明なのですが、劣化が進むと徐々に紅茶色へ変化し黒味を帯びてきます。
ご自身でも劣化具合を確認する事は可能なので、
定期的にリザーブタンクの蓋を開けて色の変化を確認しておくと良いでしょう。
ブレーキフルードは車の規格に適した物を使用する事が大切で、
継ぎ足したり違う規格の物を混ぜたりする事は厳禁です。デフオイルの交換。
交換の前にフラッシング剤を注入し、内部で発生したスラッジを落として排出しやすくします。
コーナーリングをスムーズに走行出来るのは内部のデファレンシャルギアが作動しているおかげなのですが、
そのデファレンシャルギアの潤滑を行っているのがデフオイルです。
内部ではギアが噛合う事でスラッジが発生しオイルが劣化していくのですが、
交換を怠っているとオイル内に含まれたスラッジが研磨剤の様になりギアを傷付けて、
最悪の場合ギア欠けを起こして異音を発生させたり、走行が出来なくなる事がある為注意が必要です。
デフオイルは粘度が高い為、冷めた状態で作業を行ってしまうと、
排出に時間が掛かるだけでなく上手くスラッジを排出する事が出来ません。
必ず温めた状態で内部のスラッジと共に一気に排出を行う事が大切で、
同時に廃油のチェックを行って金属片の有無を確認し、内部のデファレンシャルギアの状態を探ります。時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで排出を終えたら、規定量の新しいデフオイルを注入し交換が完了。エンジンオイル交換。
交換の前にエンジン内部に堆積したスラッジやカーボンを落としやすくする為にフラッシング剤を注入します。
当社では【wynn’s OIL SYSTEM CLEANER】を使用しており、
素早く浸透して汚れを落し、洗浄時の摩擦を抑えるだけでなく、
内部に保護被膜を形成する再付着防止効果で新しいオイルの再汚染を防ぐ効果が期待出来ます。
当社のエンジンオイル交換はフラッシング作業もプランに含まれておりますので
エンジン内部の汚れが気になる方にはお勧めです。10分~15分程アイドリングを行い、エンジン内部の手の届かない箇所までフラッシング剤を浸透させ汚れを落し、
古いエンジンオイルと共に一気に排出させます。
出来るだけ内部に古いオイルが残らない様に排出には時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行う事が大切です。
廃油はそのまま処分してしまうのではなく、廃油に異常な汚れや金属片等が含まれて無いか確認を行って
エンジン内部の状態を探ります。新旧のエンジンオイルエレメント。
使用するパッキンも新品へ交換。
当社では新しいオイルの再汚染を防ぎ、オイルの性能を十分に発揮させる為にも
エンジンオイル交換と同時交換をお勧めしています。オイルエレメントを装着し、適量の新しいエンジンオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。エンジンオイル交換後は忘れずにオイルインスペクションのリセットを行います。
エンジンオイル交換時のオイルインスペクションの数値は17,700km。
リセット後は25,000kmの表示に変わり、走行距離だけでなく車輌の様々な状況を判断して数値が減っていくので、
オイルインスペクション数値を元にエンジンオイルの交換時期を判断する事が出来ます。
当社ではベストな状態でオイルを使用して頂く為にも走行距離が3,000kmを超えたぐらいから交換を意識して
5,000kmまでには交換を完了する事をお勧めしています。
今回のエンジンオイル交換は25,000-17,700=7,300kmでの交換でしたので、
エンジンの事を考慮し十分な性能を発揮させ、オイル漏れ等のトラブルの発生を防ぐ為にも、
もう少し早目の意識で交換を行うと良いでしょう。
オイルインスペクションのリセットが完了。
稀にオイルインスペクションの表示マイナスだったりリセットがされてない車輌を見る事があるのですが、
オイル交換時期を過ぎてしまっているケースが殆どなので、御自身でエンジンオイル交換を行った際は
適切な交換時期を見極める為にも必ずリセットを行って下さい。エアエレメント交換。
エンジンは取り入れた空気とガソリンの混合気を圧縮してスパークプラグで爆発させて動力を得ている為、
ガソリンのみを使用して走行している訳ではなく、綺麗な空気を取り入れる必要があります。
取り入れる空気には塵や砂埃、走行環境によっては昆虫等も含まれている事があり、
その様な汚れ等を空気と一緒に吸い込んでしまうのを防ぐ為、エアエレメントは不純物を取り除いて
エンジンへ綺麗な空気を取り入れる役割を担っています。
当然使用していれば徐々に汚れてしまうので交換が必要なのですが、
交換を怠っていると目詰まりによって空気の流入量が減ってしまう事で
パワーダウンや燃費の低下に繋がるだけでなく、
劣化により破損してしまうとエンジン内部に不純物が混入してエンジンを破損させる事がある為注意が必要です。
基本的に大きく汚れてしまう事は稀で定期的に点検を行って車検時に交換していれば特に問題はありません。
交換時期を過ぎているのに単にエアガンで汚れを除去したり、洗浄不可の物を洗浄して使用する等、
安易に通常の使用方法以外でメンテナンスを行うと大きなトラブルに発展する事があるので絶対に止めて下さい。
車検に備えてエンジンルームの埃やオイル汚れ等をスチーム洗浄で綺麗に落としておきます。
エンジンルームの洗浄はご自身でも行う事は可能なのですが、電気系統の養生が必要なだけでなく
カムカバーガスケットやプラグホールガスケット等が劣化していると、
洗浄時にエンジン内部に水分が混入してエンジン不調の原因になったり、
ゴム系や樹脂系のパーツが劣化していると破損させてしまう恐れがある為、経年車を洗浄する際は特に注意が必要です。
エンジンルームを掃除する事でパーツの劣化やオイル漏れ等のトラブルの発見にも繋がる為、
定期的に掃除を行った際は同時にウィークポイント等を確認しておくと安心です。
エンジンルームの掃除を行う際は、必ずエンジンが停止し冷えた状態で行わないと、
高温になっているパーツ等もあり、火傷等の原因や可動時にファンベルトに巻き込まれたりすると非常に危険です。
更に高温の状態で水や洗剤をかけたりすると急激な温度の変化等でパーツにダメージを与えてしまう恐れがある為、
エンジンルームの作業は必ずエンジンが冷えた状態で行って下さい。全ての作業を終えたら最終のテストランを実施し、修理箇所やその他に問題は無いか確認を行って
特に問題が無ければ最寄りの陸運支局へ車輌を持ち込んで車検を取得します。
後日、車検証、定期点検記録簿、車検ステッカー、定期点検ステッカーをオーナーへお渡し、
今後のメンテナンス等を伝えて納車となりました。

今回はALPINA B3の24ヶ月法定点検と車検整備を行いました。
法定点検や車検整備は基本的に油脂の交換がメインになるのですが、
経年車は経年劣化等によるトラブルを抱えているのにも関わらず、気付かないで走行しているケースも多く、
特に走行距離が10万km以上、年式が10年以上経過している車輌は、
通常のメンテナンスだけでなく経年を考慮したメンテナンスが必要になってきます。
特に経年車のオーナーはメンテナンスコストを軽減させ、突然のトラブルを未然に防ぐ為にも、
掛かりつけの主治医と相談し、長期のメンテナンスプランを立てて車輌を管理しておくと良いでしょう。

2019年10月02日