【E36 318is】車検整備/エンジンヘッドオーバーホール【法定24ヶ月点検】
 車検で入庫した97y 318isクーペ。
車検で入庫した97y 318isクーペ。
 走行距離は100,000Km。
 お預かり時のオーナーとの打ち合わせで、まだまだこれからも乗るつもりなので
 エンジンを中心としたメンテナンスを行いたいという事で
 ヘッドオーバーホールを中心に作業を進めます。  車自体の調子は悪くなく、ヘッドオーバーホールのコンセプトとしては
車自体の調子は悪くなく、ヘッドオーバーホールのコンセプトとしては
 更に100,000Kmをトラブル無く、快調に運転出来るように仕上げるというもの。
 パーツの交換点数は少ないですが、徹底的に内部のスラッジを除去する事によって
 新車に近いフィーリングを取り戻します。  定期的なエンジンオイル交換のお陰でエンジン内部の状態は、そう悪くない事が予想されます。
定期的なエンジンオイル交換のお陰でエンジン内部の状態は、そう悪くない事が予想されます。  フロントチェーンケース内の汚れもそこまで多くはありません。
フロントチェーンケース内の汚れもそこまで多くはありません。  カムの動きに引っ掛かりやガタが無いか、傷の有無を徹底的に検査します。
カムの動きに引っ掛かりやガタが無いか、傷の有無を徹底的に検査します。
 かなり薄く見える傷であってもエンジン部品にとっては致命的な事もありますので
 ヘッドを降ろしてからがとても時間のかかる作業になりますね。 燃焼室の状態もチェック。
燃焼室の状態もチェック。
 どこかしらに問題がある場合は、不完全燃焼により汚れ方に違いがあったりします。
 各バルブに問題が無いか、ウォータージャケットに腐食が無いか等を精査し、
 仮にこの時点で問題があった場合は、オーナーと再度打ち合わせをし最適な処置法をご提案します。  エンジンブロック部分も同様にチェックします。
エンジンブロック部分も同様にチェックします。  ピストン上部のカーボンスラッジの付着具合や
ピストン上部のカーボンスラッジの付着具合や 
シリンダー内部のクロスハッチに問題が無いかどうかを良く見ます。 今回は検査の結果、ヘッドの面研も必要無く、
今回は検査の結果、ヘッドの面研も必要無く、
大きな問題も無かったのでこびり付いたカーボンスラッジを徹底的に除去します。  ピストンも同様に。
ピストンも同様に。
 かなり硬質なカーボンスラッジが堆積しているので、時間と手間をかけしっかりと除去します。
 エンジンはコンマ何ミリ、何ミクロンという精度で組まれているものなので
 このようなスラッジを除去するだけでも想像以上にフィーリングは向上します。  エンジン廻りのガスケットKITは全て交換。
エンジン廻りのガスケットKITは全て交換。
 ヘッドオーバーホールくらいの作業内容になるとメーカーからほぼ全ての
 エンジン廻りのガスケットがセットになったガスケットKITが出ますので
 そちらを使用してエンジンを組み上げていきます。  メインとなるシリンダーヘッドガスケットの新品です。
メインとなるシリンダーヘッドガスケットの新品です。  シリンダーヘッドとシリンダーブロックを固定するヘッドボルトは新品に交換。
シリンダーヘッドとシリンダーブロックを固定するヘッドボルトは新品に交換。
 ボルトの特性として規定トルクで締め付けるとボルト自体が伸びてしっかり固定する特性になっていますので
 使い回しは厳禁です。  新旧シリンダーヘッドガスケット。
新旧シリンダーヘッドガスケット。
 今回のケースはガスケット破損も無く綺麗な状態でしたが、経年や走行距離によっては
 ピストン部分とウォータージャケット部分が繋がってしまって、徐々にエンジンオイル内に冷却水が
 混入してしまっていたりというような事もありますので、基本的にシリンダーヘッドガスケットの良否判定は
 シリンダーヘッドを外さなくては出来ません。  ヘッドボルトの締め付けは、締め付ける順番、トルクをメーカーの指定通りに進めます。
ヘッドボルトの締め付けは、締め付ける順番、トルクをメーカーの指定通りに進めます。
 この作業がヘッドオーバーホールの作業をする上で一番重要と言っても過言では無いでしょう。  各部の組み付けが終わり、エンジンオイル、冷却水を注入しキーを回します。
各部の組み付けが終わり、エンジンオイル、冷却水を注入しキーを回します。
 何度経験してもエンジン分解作業で一番緊張する一瞬でしょうか。
 しばらくのクランキング音の後に、フォンという318is独特の軽いエンジン音が工場内にこだまし
 ホッと一息。
 アクセルを踏むと一気にレッドゾーンまで吹け上がるフィーリングは
新車以上のフィーリングといっても大げさではありませんでした。
 今回はオイルパン等の下廻りからのオイル漏れが無かったので、ヘッドのみの脱着でしたが
 下廻りからのオイル漏れがある場合は、エンジン本体を降ろしてしまったほうが時間的にもコスト的にも
 抑える事ができる場合がありますので、作業内容は状態によって変わりますが
 お乗りの車を今後どのように乗っていきたいか等の
打ち合わせによって作業内容はフレキシブルに対応していますので
 エンジンオーバーホールを少しでもお考えの方はお気軽にご相談下さい。 
2013年06月07日