【外装】74y 2002tii【レストアFile.2】
レストア中の2002tiiですが暇を見ながら作業を進めています。
新しく手を加える準備段階からなかなか抜け出せませんが
レストアはいかに下準備を入念に行うかによって仕上がりに影響しますので
今が一番手間のかかる時かも知れません。
具体的に時間がかかる下準備は外装で言えばアンダーコート剥がし等の剥離作業でしょうか。
少しでも車重を軽くする為に施工する剥離と違い
錆の進行箇所の確認と新たに防錆処理し、アンダーコートを施工しなおす為の作業なので
地味な作業ですがボディレストアでは非常に大切な作業セクションになります。
このシワシワしている箇所がアンダーコートが吹かれている所になります。
どんな車でも鉄板剥き出しではすぐに錆びて劣化しますので施工されています。
経年や走行距離によりどうしてもアンダーコート自体にヒビが入り、そこから湿気が混入
表面上は何も問題が無く見えても鉄板部に腐食が進んでいる事も多いですから
室内、エンジンルーム、トランク、インナーフェンダー等下廻り、全ての古いアンダーコートを剥がします。
右インナーフェンダー剥離後になります。
鉄板の折り返し部分やどうしても雨水が溜まりやすい箇所が必ずあるので少しでも腐りの出ている箇所は
溶接で処置するのかパネルを新規製作するのかといったような方針を決めていきます。
アンダーコートを剥がす時の注意点として一気に鉄板の下地まで出してしまうとあっという間に
錆びてしまうので防錆処理された層で一旦止め、
外版の塗装剥離時に一緒に剥がし終了後に一気に防錆処理した方が仕上がりはいいでしょう。
インナーフェンダー一箇所でこれくらい剥離出来ます。
トランクルーム剥離前。
剥離後、腐食は無く良い状態でした。
下廻り。
徐々に気温が下がってきている為、アンダーコート自体が硬くなっている事もあり作業が捗ります。
夏季はアンダーコートが柔らかくなる為、
切削する機材にべっとりと付着するので場所によっては時間が倍近く変わりますね。
フロア全体の剥離が大体終了しました。
剥離中は削りカスが大量に発生するので作業者は完全防護で進めますが
入り組んだ箇所のアンダーコートの剥がれ具合や錆びの確認をしながら進めていくので
かなりのハードワークになり2,3日で一気に進められる作業では無いので
時間はかかりましたが冒頭でも書いた通り、ここでちょっとでも気を抜くとレストアの意味が全く無くなってしまう為
じっくり時間をかけ何度も施工箇所を見直しながら慎重に。
腐食箇所は無し!と言いたい所ですが40年近く経っている車にそんな奇跡はなかなか有りません。
フロントフロアとサイドシル部分の腐食が目立っています。
それ以外は予想より綺麗な状態でした。
この腐食の把握が一番重要になってくるわけですね。
把握していれば手の施しようはいくらでもあります。
次回の外装編は下地処理のクライマックス、外装の塗装剥離を予定していますのでお楽しみに。
2012年10月28日