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2013年06月10日

【E46 318i】ブレーキキャリパーオーバーホール/4輪アライメント調整【35,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

最近、某大型中古本販売店に毎日足を運ぶ毎日です。

何となく手にした小説が思いのほか面白く、1日1冊のペースで読んでいたのですが

全50巻近くあり、なかなかのボリューム。

しかも既に廃刊になっているようで中古でしか手に入らないので

場所を変え目当ての本を探しています。

2004年式走行35,000KmのE46 318iが高速走行中にハンドルが不定期に振動するとの事で入庫致しました。 

入庫後にまずは高速テストランを実施。

オーナーの言う通りの症状が確かに再現。

左方向へステアリングが取られ、アライメント数値も随分狂っているようですが

ガタガタとステアリングが振動する症状が出るタイミングとしてはブレーキペダルを踏んだ時に出やすいので

ブレーキパッドかローターの偏磨耗、もしくはブレーキの片効きが原因という所まではテストランで推測できたので

リフトに載せ分解点検を実施した所、左フロントのキャリパーピストンが固着しており

ブレーキ片効きによる事がステアリングの振動原因と判断。

右フロントキャリパーにまだ問題はありませんでしたが、予防整備も含め

左右共にキャリパーオーバーホールを実施致しました。

キャリパーを取り外してダストブーツ、ピストンの状態を調べます。 

問題のある左のキャリパーですがダストブーツをめくると錆の発生が確認出来ますね。 

ダストブーツを外し、ピストンを引き抜くと錆がかなり発生しているのが分かります。

これでは油圧力が正常に働いてもピストンの動きがスムーズに行われず、パッドがローターを

正常に押さえつけられずに、左右均等のブレーキ力は得られません。

 

右が問題のあるピストンになります。

左右を比べると違いが良く分かりますね。 

今回は錆の発生が少ないため、ピストンを研磨し錆を落とします。 

決して縦方向に磨いてはいけません。

一定の周回方向で綺麗に研磨をします。 

新しいオーバーホールキットを用意してブレーキを組み上げていきます。

この時、ピストン内に異物や水分が混入しないように慎重に作業を進めます。 

 

ブレーキフルードに問題があり、今回のような錆が発生した事も考えられますので

キャリパーを取り付ける前に、フルードライン内のフルードは全て排出しておき、組み付けていきます。

キャリパー取り付け後に新しいフルードを使用し4輪エア抜きを実施。

廃油ボトル内に溜まるフルードに錆等のスラッジが無いかどうかをしっかりとチェックします。

もしスラッジが確認された場合はライン内に錆が大量に発生している事が推測されますので

チェックし、必要があればフルードラインの交換になります。

作業後にテストランを行い、不定期に発生していた振動は発生しなくなりましたが

左に左にと車体は流れます。タイヤやブッシュ類に問題は無いのでアライメント調整を実施。 

まずは現在のアライメント数値を測定し、左に流れてしまう原因を解明し調整に入ります。

タイヤの磨耗、ブッシュの消耗、ボディのよじれ等の様々な条件で、適切なアライメント数値は

変化します。その全てを把握して作業を進めないとメーカー基準値に合わせたにもかかわらず

真っ直ぐ走らない、思ったように曲がらないといったような現象が起こります。

何度もセッティングとテストランを繰り返し、納得の数値と走りが出来るようになり作業は終了。

メーカーが指定する基準値はあくまでも指標であり、絶対的に正しいものではありません。

その車の状態に合わせた最適な数値にセッティングします。 

投稿者:autofine at 13:14 | メンテナンス

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