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2014年01月22日

【E36 M3】オイル漏れ修理【エンジン・冷却水漏れ修理】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

昨晩は雪がちらほらと降ったようで

今朝車に乗り込むとフロントガラスが凍り付いていました。

陽の光は暖かですが、風が冷たいですね。

一年程前に他店でエンジンオーバーホールを実施したM3がメンテナンスで入庫致しました。

症状はエンジンオイル漏れが酷いとの事で入庫しましたが

点検を進めるうちに、ありえない修理方法が次々と発覚・・・ 

モデルはM3Cなので下廻りは、このようにカバーリングされておりますが

写真の通り、かなりの量が漏れ出しているのが分かります。 

ここまで漏れ出していると、停車中に地面にかなりのオイル染みが出来ますね。 

アンダーカバーを取り外すと・・・

エンジンブロック脇のプレッシャーバルブはこのような修理がされておりました。

シーリング剤をべったりと盛られ、漏れを何とか止めようとしています。

はっきり言って修理とは言えませんね・・・

ただのやっつけです。

アンダーカバーもこの通りの状態ですから

昨日今日で漏れ始めていたわけでは無いのは分かります。 

 

冷却水漏れも見られたので、圧をかけてチェックしていきます。 

ブリーザーホースからの漏れ。アッパーホース周辺に白く乾燥した跡が残っていますね。

こちらも随分と前から漏れていたと予想できます。

サーモスタットケースからの漏れも発見しました。 

プレッシャーバルブの交換。 

交換そのものより、シーリング剤の撤去に手間がかかりました。 

これで漏れはストップします。

漏れというものは根本的な原因を解決しなければ、絶対と言っていいほど解決はしません。

見えない所だからと言って、 今回のような施工をするというのは残念な事です。

同様にサーモスタットケースを取り外しますが、取り外す前から悪い予感はしていました・・・

こちらも同様にシーリング剤で漏れを止めようとした形跡がありましたが

残念な修理方法でした。

ホースバンドが使用出来ていれば、ホースが取り付けられる部分にシーリング剤を

使用する意味が無いですし、何故シーリング剤を使用しているのかが

理解出来ません・・・

サーモスタット部分もOリングを新品に交換し、既定のトルクで固定すれば

漏れる事はないのですが。 

Oリングがちぎれてしまっているのが分かりますね。

何故Oリングを交換せずにシーリング剤で塗り固めたのかが理解出来ません。

シーリング剤を撤去し、新しくOリングを取り付け作業は完了です。 

ブリーザーホース部分もホースだけでなく、バンドも新品に交換。 

カシメて締めこむタイプのバンドは一度緩めてしまうと本来の性能は発揮できません。

必ず新品に交換しましょう。 

冷却水の交換。

シーリング剤の小さなカスが多く混入していたので

通常の交換より、念入りに冷却経路を洗浄しました。 

あまりにも下廻りのオイル汚れが酷かったので、スチーム洗浄を実施します。 

パーツを交換して修理するという作業は当たり前ですが、このようにスチーム洗浄を実施し

漏れていた形跡を清掃するという事も大事な作業の一つです。

点検する側は、必ず漏れている量や漏れ箇所周辺の汚れを確認する事で

漏れていた期間等を推測します。

地味ですが、非常に大切な作業のひとつです。 

普段見えない所だからこそ、正確な修理を施すのがプロの仕事だと考えますが

これではエンジンオーバーホールの内容もどのようなものなのか

エンドユーザーにとっては不安になってしまいますね。

当社では出来る限り作業内容は写真に収め、内容がはっきりと分かるように努めております。

 

投稿者:autofine at 12:52 | メンテナンス

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