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2014年07月02日

【E46 M3】法定24か月点検&車検整備【51,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

今日は久々に真っ青な青空を一日を通して眺める事が出来ましたが、暑い一日でしたね。

最近メンテナンス入庫が目立つE46 M3。

今回のフェニックスイエローのM3は車検整備で入庫致しました。

まずは各部の点検。

24か月法定点検項目をベースに更に細かく異常箇所がないかを確認していきます。

点検の結果、パワステオイルの漏れ、各部オイルの劣化、フロントブレーキローターの摩耗限界、

ホイールアライメントの狂いがかなり出ており、

オーナーと作業内容を打ち合わせをし上記作業の開始となります。

アンダーカバーは漏れたパワステオイルが付着し、大きなシミとなっています。

タンクキャップからも滲みがでており、タンク内のオイルも汚れも相当酷い状態である事がうかがえます。

普段はちょうどアンダーカバーに隠れる状態なので高圧側のホースの状態の確認は難しいですが

こうやってアンダーカバーを取り外すとホースの状態も良くわかります。

ホースとパイプのカシメ部分からの漏れ。

漏れる箇所はこの部分からというのが大半でしょうか。

ウィークポイントのひとつになります。

高圧、低圧側全てのホースを交換します。

M3だけでなくBMW全般に多い症例なので、定期的に点検し問題がないかを確認した方が良いでしょう。

新品のパワステホース一式を用意。

左側が使用していたホースバンドとワッシャになりますが

まれにディンプル式のホースバンドを再利用している車も見かけます。

このタイプのホースバンドは一度取り外した場合、再利用するとトラブルの元になりますので

必ず交換しましょう。

新しいホースを取り付けし、ギアボックス、ポンプのスラッジ除去を開始します。

ホースを交換した際にはギアボックス、ポンプ内のスラッジをいかに車外に排出するかが

作業の一番のポイントになります。

しっかりとスラッジが排出されたことを確認し、FUCHS ATF4000をライン内に満たしていきます。

タンクキャップからの漏れが酷い場合には、キャップOリングを交換することにより

改善する事もありますので、パワステ交換後もオイル滲みが酷い場合は交換してみてはいかがでしょうか。

フロントブレーキローターの交換。

ローターには車種毎にローターの摩耗限度数値が設定されています。

このようにマイクロメーターを使用して数値を計測していくわけですが

長年使用していると均一に摩耗が進んでいることは少なく、波打ちが出ていることが多いので

何箇所かで計測していく必要性があります。

ブレーキローター新旧。

摩耗限界数値を超えてしまっているのに、ローター研磨で済ませてしまうのはご法度です。

M3のように、放熱穴が採用されているようなドリルドローターでは強度面でも不安が残ります。

このように新旧を間近で見比べてみると、かなりの摩耗が進んでいるのが良くわかります。

ブレーキパッドも当然新品に交換します。

新品だからと言ってそのまま取り付けてはいけません。

工場から出荷されたままのパッドはパッド表面が荒れていることも多いので

しっかりと面取りを行い、ローターとの密着を確実なものにします。

取り付け後の焼き付け作業も重要なポイントのひとつです。

良い状態で摩耗が進むかどうかが、初期の焼き付け作業に左右されるといっても過言ではないでしょう。

こちらは反対側の古いローターですね。

段が付いてしまっているのが確認できます。

これではブレーキペダルを踏み込んだ際にジャダーがおおきく出てしまい

ステアリングが左右にガクガクと振れてしまい、安全に停止する事が難しくなってしまいます。

ブレーキフルードの交換。

完全に使用限界を超えてしまっているフルード色ですね。

ちょっとしたワインディングロードを楽しもうと思ってもすぐにペーパーロックが起こる可能性が高い状態です。

圧送で新しいフルードを送り込み、古いフルードを車外に排出していきます。

排出したフルードはそのまま廃棄せずに、錆やスラッジの状態を確認し

ブレーキライン内に問題が無いかを確認する必要があります。

ミッションオイルの交換。

SMG搭載車にお乗りのオーナーから、ATFかギアオイルのどちらを使えば良いのか?

といったような質問をいただく事が多いわけですが

ATF、ギアオイルどちらを使用しても問題が出ることはなく

その車の変速時のショックの出方やオーナーの好みによって変更しても問題は無いでしょう。

SMGの特性上、ミッションの消耗も乗り方によって随分変わってきてしまうので

どちらが良いかお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

デフオイルの交換。

ここ最近多いE46 M3のデフオイル交換ですね。

FUCHS HLS 95W-140を使用。

冷却水の交換。

E46 M3は一番新しいモデルでも生産から8年経過しております。

油温の上がりやすいモデルでもありますので、水廻りのチェックと冷却水の交換は

一年に一度は必ず実施しておきたいところでもあります。

適切な冷却水交換によってラジエターや冷却経路パーツの寿命もかなり変わってきますので

整備に対しての意識を高く持っておきたい箇所のひとつでもあります。

点火プラグの交換。

プラグは消耗品のひとつになるので定期的な交換が必要です。

E46のダイレクトイグニッションコイルは不具合が出やすいので、

プラグ交換時にコイルの点検も同時に行い問題が無いかを確認します。

4輪アライメントの測定と調整。

今回のM3はテストラン時に大きくステアリングが左に傾き、直線でも左に左に・・・と

車体が大きく流れていった為、改善していきます。

まずはメーカー基準値をベースに数値を合わせていき、タイヤの摩耗やブッシュの消耗

ボディの状態を加味した上で、細かくリセッティングを繰り返し作業を進めていきます。

全ての作業終了後に、各部をスチーム洗浄。

車検時には必ずしておきたい作業になります。

リア廻りもしっかりと。

 

アンダーカバーも綺麗に洗浄。

車検取得も問題無く終了し、全ての作業は完了です。

車検証、定期点検記録簿、点検ステッカー、4輪アライメントデータをオーナーにお渡しし

今後のメンテナンスの打ち合わせを行い、納車となりました。

投稿者:autofine at 18:45 | メンテナンス

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