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2014年07月23日

【E36 M3】VANOSオーバーホール【115,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

ショウルームは通常通りの営業ですが、金曜日まで北海道に滞在。

ネオクラシックBMWを求め、買取行脚で来ましたがとにかく広いの一言。

日本の最北端宗谷岬を訪れ、周囲を見渡すと大型バイクが多く

多摩ナンバーのR1200GSや横浜ナンバーのS1000RRも見かけ

オーナーとちょっとお話しさせてもらったところ、約二週間かけて北海道を満喫するとの事。

うらやましいですね〜。

E36 M3Cのメンテナンス入庫。走行は115,000Kmで今回初めてのご来店になります。

オーナーは今までE24やE34を乗り継ぎ、サーキットを楽しむ為にM3Cを購入しましたが

何となく吹け上がりが悪くなったような・・・といった理由から

VANOSの機能低下を疑い始め、当社へ入庫となりました。 

テスターやテストランで検査を進め、VANOSの機能低下も認められ

オーナーと打ち合わせし、ソレノイドはそのまま使用し

各部のガスケット、圧力リミットバルブを交換するメニューで作業を開始します。

VANOSユニットはM3Bから採用された可変バルブ機構になり

M3の鋭い加速感を体感するには必要不可欠な機構のひとつになります。

もちろんVANOSではなく、その他の部分が吹け上がりの悪さの要因になっている場合もありますので

吹け上がりが悪い≒VANOS不良と決め付けはせずに、的確な診断が必要になってきます。 

ガスケットの消耗によるオイル漏れ。

必ず・・・といっていいほど漏れが発生している事が多いですね。

漏れが酷い場合にはエンジン後部にまでオイルがまわり

クランクシールからの漏れと誤診断もしやすく注意が必要です。

VANOSオーバーホール開始になります。 

スペシャルツールを使用し、VANOS本体を取り外していきます。 

エアの圧力でVANOSを動作させ、カム位置を調整していきます。 

VANOS内のスラッジ量を確認していきます。

取り外した後にしっかりと内部洗浄も行い、新品と同様の状態に戻しますが

エンジン内部にスラッジが多い場合は、VANOSだけ綺麗にしても意味が無いケースもありますので

パーツ単体でコンディションを見るのではなく、エンジン全体の状況に応じて

作業メニューを作成していかないと、その作業が全く意味を為さなくなってしまう事もありますので

車が古くなればなるほど、そういった点にも注目し無駄の無いメンテナンスをしていく必要があるでしょう。 

 

取り外し完了。

オイル漏れ部分は綺麗に洗浄します。 

VANOSユニットは取り外し後に更に分解し、内部のスラッジを取り除いていきます。 

ソレノイド、オイルポンプも取り外ししっかりと洗浄。 

洗浄後にOリング類を新品に交換していきます。 

 

エンジンオイルではなくシリコンをスプレーしておくと

スムーズに装着出来るだけでなく、Oリング自体の寿命も変わってきますので

ちょっとしたこまかいところにも、気を使って作業を進めていきます。 

 

ソレノイドの動きにも十分注意し、交換の必要性の有無はテスターでカムやVANOSの動きを

よく観察し、使用できるかどうかを診断していく必要があります。 

組み上げ最終段階。 

ソレノイドカバーガスケットの交換。 

オイルポンプ部Oリングの交換。 

VANOSフィルター交換。 

VANOSフィルター新旧。 

リミットバルブの交換。 

ソレノイドバルブだけでなく、圧力リミットバルブも重要なパーツのひとつです。 

カムカバー、プラグホールガスケット、 ラバーシール新旧。

カムカバーを固定するボルトに取り付けるラバーシールは見落とされる事が多いですが、

このラバーシールの硬化が進むとカムカバーからのオイル漏れが非常に激しくなり

漏れたオイルがエキマニに付着し、危険な状態になる事もありますので

カムカバーガスケット・プラグホールガスケット・ラバーシールの3点セットで交換しましょう。

カムカバーを取り付けてフィニッシュ間近です。 

取り付けが終わり、エンジンルームをスチーム洗浄。 

テスターをセットしながらテストラン。

各部の動きの記録をとり正常に機能している事を確認して作業は完了です。 

投稿者:autofine at 13:17 | メンテナンス

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