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2015年04月13日

【E46 M3】デファレンシャルオイル漏れ修理/シフトアームブッシュ交換【54,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

雨ばかりで参っちゃいますね。

4月だというのに気温も上がらないですし困ったものです。

無料点検からご入庫のE46 M3。

納車されて間も無いとの事でしたが、納車整備もあまり行なわれておらず

オイルの汚れや漏れ・シフト部分の不具合等があったので

当社にて作業を実施します。 

まずは漏れの修理。

デフオイル漏れになります。

センターシールからの漏れとサイドシールからの漏れが確認されたので

全てのシールを交換していきます。 

まずはデフオイルの排出。

納車整備では交換されていなかったようです。

シール交換後に、新しいオイルを入れていきます。 

センターシールから交換。

マフラー・プロペラシャフトを取り外し、センターフランジ部分を分解していきます。 

圧入されているオイルシールを取り外し。 

新しいオイルシールを圧入していきます。

金属バネと合成ゴムが組み合わされた環状シールになります。

あえて少しずつオイルを漏らし、ピニオンギアやベアリングの動きを滑らかにし

埃などを内部に侵入させないようにする機能を持ち合わせ

密封以外の役割も担いますが

アクスルキャリアが漏れたオイルで染みになってしまう程の漏れは

完全にシールの限界がきているので、交換が必要になります。 

フランジを固定する際に使用するロックプレートは

再使用せずに新しく用意します。 

センターフランジを取り付けて、センターシールの交換は完了です。 

サイドシールの交換。

ドライブシャフトを取り外し、アウトプットドライブフランジを外していきます。 

サイドシールも環状シールが使用されており、シールとOリングを交換。 

フランジを元通りにし、デフオイル漏れ作業は完了。 

 FUCHS HLS 90W-140を使用。

M3のLSDと相性も良く、評判の良いオイルです。

シフトアームブッシュの交換。

シフトがグニュグニュとグラつく等の症状がある場合は

この部分のブッシュ・ベアリングが駄目になっているケースが見られます。

リジット化する事も可能ですが、シフトフィールが全く変わりますので

純正状態より更にカチッとしたフィーリングを求めたいという要望が無い限り

純正ブッシュを使用して交換していきます。 

E46でここまで断裂しているのも珍しいですね。 

 

ブッシュ・ブッシュベアリング・カラーの3点を交換。 

 

 

交換後は、遊びの少ないカッチリとしたM3らしいシフトフィールが甦りました。 

ミッションオイルの交換。

かなり汚れているのが確認出来ます。 

ドレン・フィラー共にシールテープを巻いておきます。

シールテープ無しでドレンを締め付けしている車も見かけますが

大体オイル漏れを起こしていますので、事前に予防可能な部分は

しっかりと手を入れておくべきでしょう。

ミッションオイルはFUCHS ATF4000を使用。

一般道メインで走行するのであれば、冬季のギアの入りづらさも考慮すると

ギアオイルでなく、ATF使用がシフトフィールも丁度良いかと思います。 

作業途中に気が付いた不具合箇所。

ミッションマウントの断裂。

当然ですが、勝手に修理などせずにオーナーにご連絡し

それから修理を行います。 

パワステオイルの交換、交換前。 

パワステオイルはポンプ・ギアボックス内のオイルも入れ替えないと

交換の効果が薄いので、このように専用機材を使用し

ポンプ・ギアボックス。ライン内の古いオイルを全て車外に排出させ

新しいオイルを入れていく必要があります。

また、このような機材を使用する事によって、余計なエア噛みも起こりづらく

交換後に、オイルが規定値以下になってしまう事も少なく

正確な作業が可能になります。 

少しでも古いオイルが残っていると、一瞬でタンク内のオイルは真っ黒になってしまいます。 

フューエルフィルターの交換。

フューエルフィルターはアルミの外筒内にセットされているので

汚れ具合は目視で確認が難しいので、法定点検時などに交換し

点検記録簿に記載するようにしておく事で、定期的な交換と交換時期の判断が付きやすくなります。 

ここまで汚れが出てしまうようでは駄目ですね。

もうちょっと早めに交換した方が良いでしょう。 

E46 M3はフィルターにプレッシャーレギュレーターが取り付けられているので

新しいフィルターにセットし、取り付けていきます。 

ブレーキフルードの交換。 

こちらも圧送でフルードの交換を進めていきます。

使用フルードはOMV Racing DOT4になります。

2.5〜3リッター程使用し、交換していきます。 

事前に、タンク内の古いフルードを吸い上げてタンク内の汚れもチェックしておきます。

あまりにもタンク内が汚れている時には、タンクを取り外し洗浄が必要です。

半年から1年後に必要になるであろう整備をオーナーにお伝えし、

今回は以上の作業で納車となりました。


E46 M3は最後の直列6気筒NAエンジンという事もあり人気の高いモデルです。

今所有されている方、これから購入を考えている方は、

10年以上所有するつもりで…という方が多くいらっしゃいますね。

他店で購入された直後に、メンテナンスでお問い合わせいただく事も多いのですが

さすがにメール内容だけで、どのように整備計画を立てていくかをアドバイスする事は難しいので

無料点検からでも問題ありませんし、法定点検等を行っていないのであれば

当社で12ヶ月・24ヶ月点検を受けられてはいかがでしょうか。

お乗りのM3のコンディションがどの程度の物なのか。

と疑問のある方はいつでもお気軽にご相談下さい。

投稿者:autofine at 19:08 | メンテナンス

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