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MAINTENANCE REPORT

第56回 ASTON MARTIN DB9

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2007年、最初のメンテナンスレポートの第一号車はASTON MARTIN DB9クーペからスタートしましょう。
エンジンは6000ccV12気筒で最高出力450馬力。
エンジンだけがハイスペックなだけではなく、その外観や内装もその金額に十分すぎるくらい見合っており
ほぼ全てと言っても良いくらいハンドビルドで作られている車輌ですが
一見それを感じさせない程、完成度の非常に高い車輌です。
DB9.3DB9.4
本国ではこのモデルから新しい工場が稼動し始め、それまでとは比較にならない程、近代設備の整った
工場で生産され、以前と比べても多く生産されているようですが、それでもボディパネルの組み立てと塗装以外は
ほぼハンドビルドですから輸入台数も少なく、都心の一部を除き、なかなか街中で見かけることも無い車輌でしょう。
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この車輌は6速タッチトロニック2搭載の車輌の為、ギアの切り替えはスターターボタン両脇の
シフトボタンでチェンジ。走行中はステアリング後ろのパドルシフトを使いスポーツ走行も楽しめます。
ATのシフトアップダウンの感触はやんわりしたものでは無くかなりカッチリと切り替わり小気味良く楽しませてくれます。DB9.9
DB9.20DB9.14
総重量1,710kgのボディを最高時速300km/h、0-100km/hを約5秒で到達させるエンジン。
V型エンジンのシンメトリックな構造はやはりスーパーカーと呼ばれる車には非常に似合ってますね。
ハンドビルドと生産国名(イギリス)が刻印されたプレートがエンジン前方のカウルパネルに設置されています。DB9.10DB9.21
下廻りを前から撮影してみました。
アルミ製のアンダーパネルで覆われています。
DB9はほとんどのボディパーツがアルミとカーボンの組み合わせにより成型されています。
アルミボンデッドフレームというフレーム構造によりただ硬いだけではなく硬さの中にもしっかりと衝撃を吸収する
柔らかさを持たせた非常に優れた作りになっています。
アンダーパネルを外し各フレームの構造をみるとリベットや特殊な接着剤で
パネルやフレームが組み合わさっており、高い剛性と軽量化を図っているのも良く分かり
車輌としての完成度の高さを実感させられます。
エンジンオイル交換だけであれば左の青丸印の部分からドレンボルトを外しオイルの排出が可能です。
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お客様から点検も承っていたのでアンダーパネルを外しました。
フロントの前方の部分以外はアルミ板一枚から成型されています。
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アンダーパネルを外し各部をチェック。
左はエンジンオイルパン。大きいです。エンジンオイル容量10L。
右はリアセクション。ミッションはリアに配置。デファレンシャルオイルクーラーも設置されています。
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ドレンボルトを外しオイルの排出。
ある程度オイルが排出されたらオイルエレメントを外します。
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ASTON MARTINのロゴ、文字の入ったエレメント。
一見、それ以外何てこと無さそうなオイルエレメントですが、
エレメントの金額としては結構良いお値段のエレメントです。
ちなみにボディパーツにはASTON MARTINの文字と生産された年月日の刻印がされているパーツも目立ちました。
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オイル交換も終了し、汚れていたアンダーパネルもオイルの排出中に綺麗にして元通り組み上げ作業は完了です。
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ロングノーズ、ショートデッキに見えながらもボディの重量配分は50:50を保ち非常にバランス良く作られています。
その外観も、車に興味が無い人でさえすれ違ったときは振り向いてしまう華麗でいて力強さを感じさせるデザイン。
その力強さが本物であることはセンターパネルのエンジンスターターボタンを押せば誰もが感じるところでしょう。DB9.11
いつかはアストン。
このステアリングを握るのを夢見ている方も少なくないのではないでしょうか?

2007年08月13日