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MAINTENANCE REPORT

第38回 M3Cアイドリング不調

M3VANOS.16
アイドリング不調の為、見て欲しいとご来店されました。
原因を探る為色々とショップさんを回ったそうですが分からずじまいだったそうです。
お預かりさせて頂き詳しく検査することになりました。
キーをひねってエンジンスタートすると確かにアイドリングが不安定。
エンジンマウントが駄目になっているような感じでエンジンが揺れている感じ。
ですがアクセルを踏むと自然に回転が上がっていき揺れが収まります。
アイドリングバルブかカムシャフトクランク角センサーの不良かな?
とも思いましたが、ちょっとラフアイドリングの種類が違う感じ・・・
テストランで乗ってみると、普通に乗れてしまいますが
M3Cの321PSを発生するエンジンの本来持つポテンシャルとは程遠い物でした。
どこからかエアーを吸い込んでいる形跡も無い、
アイドリングバルブやセンサー類も正常。
もちろんプラグも消耗は見られるが正常。
そこでCO調整をし、CO濃度を調整前0.16~0.56%を規定値0.7%にしましたが変化無し。
とその時、エキゾースト側VANOSカムシャフトの位置が規定位置より随分ズレがあるのが判明。
VANOSがしっかり機能していなければもっさりとした気だるい加速感にも説明が付きます。
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OLYMPUS DIGITAL CAMERAそこでカムカバーを外しVANOSをチェック。インテークとエキゾースト側のカムシャフトの位置が合っていないのが判明。
カムシャフト自体に不具合はなさそうなのでVANOSを取り外す事に。
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通常、SSTがあればすんなり外れるVANOS本体も何故かカムが動かず外れないので
カム位置は組み上げ時合わせるようにして本体取り外し、VANOSエキゾースト側が動いて無かったようです。
高回転域の位置でエキゾースト側カムシャフトが固定されてしまいラフアイドリングが酷く
インテーク、エキゾーストの位置もずれていた為に、もっさりとした加速感しか味わえなかったようです。
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新しくVANOSユニットを組み上げ、エンジンをスタートさせると今までのラフアイドリングは嘘のように消えていました。
テストランさせるとしっかりと可変バルブが働きメリハリのある加速感を体感出来るようになり、
今までの不調が嘘のような快調振りでした。
取り外したVANOSをチェックするとギア欠け等の不具合も無い状態。
インテーク側のソレノイドフィルターは真っ黒の状態。
ソレノイドが正常に作動しておらずVANOSの動きに支障をきたしていたようです。
エンジンオイルを使用している箇所なのでもちろん使っていれば汚れるのは当たり前ですが、
やはりオイルの管理に気を配ってあげないとこのような症状が出る場合が多いようです。
もちろんパーツの寿命もありますから、オイル交換をしているから故障が起きないというわけではありません。
まだまだ他にメンテナンスの課題の残る車輌でしたが納車時打ち合わせをさせて頂き、納車となりました。

2007年07月26日