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MAINTENANCE REPORT

第31回 E30 M3エンジン修理

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50項目の無料点検で御来店されたお客様の
E30 M3が修理を依頼され入庫致しました。
M3専門店で購入されたらしいのですが
車輌自体に信頼性が無かったらしく当社に御来店頂きました。
点検の結果、各部からのオイル漏れがひどく
特にエンジン(ヘッド部)からのオイル漏れが異常でしたので
お預かりし修理致しました。ちなみに数年前にオーバーホールしたそうですが
わずか数年でこのような状態になってしまっては、かけたお金ももったいないかな・・・・
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まずはエンジンを下ろします。下ろさずに作業も出来なくは無いですが
やはり下ろして細部まで確認しながら、作業を進めエンジンが乗っている状態では
分かりづらい部分も確認し、追加で作業が発生する場合はオーナー様に
報告をし、修理致します。せっかくエンジンを下ろしたのですから二度手間にならないよう
私達も慎重に作業を進めます。
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右フェンダー下辺りに大きくオイル染みが出来ていました。やはり右ヘッド部から大量にオイル漏れが確認出来ました。
エンジンリア側のオイルラインのメクラからのオイル漏れも・・・・以前施工したオーバーホールの内容が気になりますね。
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ラジエターエキスパンションタンクもこの通り。錆びた冷却水が確認できるでしょうか。
タンク自信茶色く変色しているのは全て錆のせい。1年に一度しっかりと冷却水の交換を
施工しておけば滅多にこうはならないはずです。こちらも新品に交換です。
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エンジンを下ろす時にはミッションも同時に下ろします。
今回はミッション自体は手をかけませんが、せっかく下ろしたのですから
ここで一手間、ミッションケース内のクラッチダストとミッションケースを綺麗に清掃しました。
クラッチ板の確認と清掃で次回にミッションを下ろした時にクラッチダストも確認できクラッチ交換時期の指標にもなります。
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作業前にエンジンも綺麗にします。シリンダーブロックもオイルと埃でベトベトになってますし、
これから分解するのに余計なゴミの混入を防ぐ為です。
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やっと作業開始です。各部を入念にチェックし、他に不具合箇所がないかどうか確認しながら
作業を進めます。 各部いたるところに汚れの付着が目立ちました。またシーリングしなくてはいけない場所に
されていないような状態で、ますます以前のオーバーホールの内容が気になります。
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カーボン等の汚れは落とせる部分は全て削ぎ落とし、各部のすり合わせを行います。
オーバーホールというとオーバーサイズピストンの交換やホーニング等に目が行きがちですが
地道な各パーツの洗浄が非常に重要だったりします。これを適当に済ませてしまうと
わずかな期間で今回のような作業が発生してしまったりするケースも少なくありません。
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エンジンの組み上げが完成し、下ろした時と逆の手順でエンジンルーム内にエンジンが
戻ってきました。ついでにエアクリーナーの汚れもひどかったので洗浄。
各部のチェックが終了し、テストラン。エンジンのフィーリングは特Aクラスに!
ゲトラグミッションとの相性も良く。2速3速を使った高回転域での走りは修理以前とは別物になりました。
ですがエンジンの雑味が消えた分、足回りの粘りの無さが気になりました。
次回の宿題としてオーナー様にはお伝えします。

2007年07月19日