【E46 M3】法定24ヶ月点検&車検整備【59,000Km】
今回、E46 M3が24ヶ月点検と車検整備の為、入庫致しました。走行距離は59,000kmです。
各部の点検をした結果、ブレーキの消耗部品がそろそろ交換時期という事で交換となりました。
通常ブレーキローターやパッドは30,000~40,000kmを目安に交換となりますが、
当然走行方法によって違いが出ます。
その為、走行距離よりも実際にパーツの厚み(残量)や歪みをマイクロメーター等で計測して判断致します。
E46のブレーキローターは穴の開いているドリルドローターが装着されています。
このローターは付着したブレーキパッドの摩擦粉の除去、放熱性及びブレーキフィールを向上させるのですが、
摩耗してくるとローターに歪みが出たり、穴の部分からヒビが入るヒートクラックという症状が起きやすく、
摩耗したままの運転は非常に危険です。
その為、走行距離よりも実際にパーツを計測する事が重要になってきます。
ブレーキ部分を外した画像です。
この時にもハブにがたつきが出ていないか確認致します。
ハブの内部にはタイヤを回す為のベアリングが入っているのですが、常に苛酷な状況にさらされている為、
摩耗してくると異音やがたつき、最悪の場合は脱輪してしまう場合があります。
ブレーキローターを交換する際に総合的にブレーキ部分のオーバーホールをする事で安全性の向上だけでなく
工賃の節約にも繋がりますので同時にメンテナンスをする事お勧め致します。
新旧のドリルドローターです。
クラックは入っておりませんが、摩耗には注意が必要です。
新品のローターは、そのまま装着するのではなく、番手の大きいペーパーヤスリで傷を付ける事で
新品のブレーキパッドとの焼き付きをスムーズにさせます。
古いブレーキローターはブレーキパッドで削られ、レコード盤の様な溝が出来てしまっています。
これではブレーキローターとの密着性が無くなりブレーキの利きに影響してきます。
新旧のブレーキパッドです。
徐々に削られて溝が出来ています。
このまま使用し続けるとブレーキング時の鳴きやジャダーの発生などを引き起こします。
前輪部分の交換が完了致しました。
前輪はブレーキをかけた際に後輪よりも負担が多く掛かる為、後輪よりも摩耗が早くなります。
その為、後輪よりも前輪の摩耗を確認する事で、おおよそですが全体の摩耗具合が把握出来ます。
新品に交換した際は、パッドとローターが馴染むまでく急ブレーキは厳禁です。
ローターの歪みなどを誘発する場合があるので注意が必要です。
なるべく優しくブレーキを踏む事で徐々にパッドとローターを馴染ませる事が大切です。
後輪のドリルドローターです。
新品のローターと比べると摩耗している事が良く判ります。
前輪と同様に装着前に新品のローターの表面処理をしてから装着致します。
交換前の物と新品のブレーキパッドの厚みの違いがお判り頂けると思います。
ブレーキパッドとブレーキローターとの摩擦で徐々に削られていき溝が出ています。
ブレーキの性能を十分に発揮させる為にも日々の点検が必要です。
ブレーキの利きが悪いと感じたりディスク面に変な傷や焼けた色むら等が有る場合は、
何かしらの異常が考えられるのでその様な症状が出た場合は整備工場での点検をお勧め致します。
4輪全てブレーキローターとブレーキパッドの交換が終了致しました。
その際に、ブレーキフルードも専用の機械を使用して圧送し、
古いフルードを残らず排出させ新しい物へ交換しております。
その後、各部に問題は出ていないかテストランを繰り返し、ブレーキ部分の交換は終了になります。
オーナーからアクセル部分に引っ掛かりが有るとの事でアクセルのパーツを交換致しました。
旧式のアクセルは踏んだ分だけケーブルが引かれ、その際にスロットバルブが開く方法だったのですが、
この車輌のアクセルはフライ・バイ・ワイヤー(電子制御スロットル)になっております。
旧式のアクセルとの反応に違いを感じる方が多いと思いますが、非常に大きな馬力の車輌でも
安全にアクセルを制御してくれるので、誰が運転しても適度なアクセル調整が可能になります。
パーツを交換後に不具合は出ていないか必ずテストランを繰り返します。
その他、車検に必要な点検と整備を終え、車検に備えエンジンルームや下廻りの埃や油汚れを
スチーム洗浄して陸運支局へ車輌を持ち込みます。
綺麗に生まれ変わった車輌を陸運支局へ持ち込みます。
ブレーキシステムもリフレッシュをして、アクセルの引っ掛かりも改善されました。
今後も安全に快適な走行をお楽しみ頂けます。
この後無事に車検を受け、オーナーの元へ納車致しました。
またの御来店をお待ち致しております。有難うございました。
2015年11月06日