MENU

MAINTENANCE REPORT

【Z1 Zukunft】24ヶ月法定点検整備&車検整備【13,000Km】

DSC06560_RZ1の24ヶ月法定点検整備と車検整備をピックアップ。
Z1はBMWの中でも非常に珍しいモデルとなり1987年のフランクフルトモーターショーで発表され
革新的な技術が投入された数々の機能は当時では衝撃的でした。
中でもドアが上下に昇降しドアを開ける際にはドアが下がりそのままボディ下部へ収納されるという
斬新的なデザインとその構造は他メーカーの車でもなかなかお目にかかれるものではありませんね。
10年程前まではぽつぽつと買取のオファーもありましたが、ここ最近ではめっきり少なくなりました。
今回のZ1は昨年当社で販売した珍しいボディカラーのファンイエロー。
今回の整備内容はオイル類の交換とヘッドライト廻りのガスケット交換が主な内容になりました。
それでは早速作業を開始していきましょう。
DSC06288_Rまずはエンジンオイルを交換致します。
フラッシング剤を使用してエンジン内に溜まったスラッジやカーボンなどの汚れを落とします。
汚れを落とす事で新しいオイルの早期消耗を防ぐ効果が有ります。DSC06289_R約10分程アイドリングをしてエンジンオイルとフラッシング剤を循環させます。
その後、エンジンオイルを排出し、集約されたスラッジやカーボンを同時にオイルパンから排出させます。DSC06291_R出来るだけ古いオイルを残さない様にする為、ある程度の時間の余裕をもって排出させていく事が大事になるでしょう。
エンジンオイルは車を使用していなくても劣化していきますので半年に一度のオイル交換をお勧めしております。
定期的なオイル交換はエンジン内部の摩耗や汚れの付着を防ぎます。
エンジン内部を清浄に保つ事で常に快適な走行を楽しめるばかりか燃費の向上、エンジントラブルの不安も解消されます。DSC06292_R古いオイルエレメント内部にはカーボンスラッジなどの汚れが堆積していますので、
必ず新品に交換するのが古い車であればあるほどセオリーとなるでしょう。DSC06317_RFUCHS TITAN 5W-50
新しいオイルエレメントを装着したら規定量のエンジンオイルを注入して、エンジンオイル交換は完了です。DSC06294_R次にミッションオイルの交換です。
ギアオイルは粘度の高く、低温時にはスラッジの排出がうまく行われない事もありますので、事前にテストランなどをし
油温を若干上げた状態で排出する事で、スラッジの排出もスムーズに行われます。DSC06297_R排出を終えたら規定量のミッションオイルを注入してミッションオイルの交換は完了です。
FUCHS 5SPEED 75W-90。
ミッションオイルはエンジンオイル交換ほど気にされていない方が多いのですが、
交換の際にドレンボルトを見ると鉄粉が多く付着しています。
どんなにソフトなギアチェンジをしていても構造上鉄粉の発生は抑えられません。
DSC06298_Rデフオイルの交換です。
こちらもミッションオイルと同様に多くのスラッジを排出させる為にある程度、油温を高めた状態で排出させます。DSC06304_RDSC06305_RFUCHS HLS90 75W-90。
排出後は規定量を注入してデフオイルの交換は完了です。デフオイルもミッションオイルと同様に
定期的な交換が必要なのですが走行方法によっても交換時期が変わってきますので
自分の走行ではどれぐらい期間や走行距離で交換が必要なのかを見極める事が大切です。DSC06306_Rブレーキフルードの交換です。
ブレーキフルードは劣化が進むと紅茶の色の様に変色していき沸点温度が低下していきます。
吸湿性も高いので走行していなくても劣化は避けられません。
その為、古いブレーキフルードは水分が混ざる事で沸点が下がり圧力をブレーキシステムへ伝える事が出来なくなり
ペーパーロック現象を引き起こす事も。自分の問題だけならいざ知らず、他人をも巻き込みかねる事も考えられる
安全に走行するには必要不可欠なセクションになりますので、ブレーキ廻りのチェックも定期的に行う事が望ましいでしょう。DSC06309_ROMV Racing DOT4
ブレーキコンテナから一定の圧力をかけつつ、同時にフルードを各ラインに送り込み、古いフルードを押し出していきます。
その際に古いフルード内に錆などの混入などが無いか、あった場合は各ライン内に錆が発生している場合もありますので
そうなったらラインの交換が必要です。古い車であればあるほど、
こういった点にも注意しながら交換を進めていく必要があるでしょう。
DSC06312_R交換されたブレーキフルードはこの様に透明な状態になっています。
色の状態を確かめる事である程度は交換時期を把握する事が可能だとは思いますが
ブレーキは先ほど述べたように、安全に走るという事の最優先事項になりますので
交換を先延ばしにする等無理をせずむしろ早目の交換をしても良いと思います。DSC06316_R専用の機材を使用してパワステのオイルを交換致します。
フラッシング剤をパワステメカニズム内に循環させ
走行中に発生したスラッジを古いオイルと共に圧送させ車外に排出します。
定期的にパワステ機構のオイルラインを綺麗に保つ事がギアボックスやポンプを良好なコンディションを
維持する為に大切なポイントになります。DSC06360_R必ずしも、ヘッドライトは密封されているわけではなく、ヘッドライトユニット側には多少の空気穴が開口されており
洗車時にヘッドライト内が曇ってしまう事はありますが、正常であればすぐに元通りになりますね。
ですが、ヘッドライトカバーとユニットを連結させている部分のガスケットがひび割れなどによって
ヘッドライト内に水が混入してしまう場合はガスケット交換が必要になります。DSC06361_R本体からガスケットを取り外します。
ファイバーボディなので何をするにしても気を遣います・・・DSC06363_R取り外したガスケットは劣化で破損しておりましたので新しいパーツへ交換して作業は終了になります。
最終的にテストランを行い各部に不具合やオイル漏れ等が出ていないか確認します。
特に問題が無ければ陸運支局に車輛を持ち込み検査を受け、車検証・定期点検記録簿と共にオーナーの元へ納車となります。
Z1は非常に珍しい車輌なので定期的なメンテナンスを行い快適にお乗り続けて頂きたいものです。

2016年02月29日