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MAINTENANCE REPORT

【E53 X5】エアサス修理【62,000Km】

DSC06483_R本日はエアサスの点検修理の為E85 X5が入庫致しました。
X5の泣き所ともいえるエアサストラブルですね。
エアを利用して車高を調整させ、乗り心地も良い事で採用される事も多いシステムですが
漏れによるトラブルは整備側としては頭を悩ませてしまう事も。目に見えない漏れをトラブルシュートしていくのは
なかなか難しいものですが、プロとしては出来ませんとは言えませんね。
まずは一つ一つ原因となりそうな箇所を探りながら点検を進めていきます。DSC06548_R今回のX5は4輪エアサスモデルになり、症状としてはフロントのみ車高が下がってしまうというもの。
エラーディフェクトも見られ、一度リセットしてあげればポンプは動き出しますが
しばらくすると、再度メーター上にエアサス異常が表示され、ポンプが停止してしまい
写真のように短時間で画像の様にフロントエアバックが潰れ車高短になってしまいます。
様々な要因が考えられるのですがエアサスコントローラー、エアサスコンプレッサー、
各センサー、エアホース、ショック本体と確率の高い箇所からそれぞれ点検確認していきます。
DSC06552_Rフロント部が下がるのだからフロントのエアバック不良のみ・・・で解決すれば良かったのですが
複合的な原因によりフロントのみが下がるというケースでした。
まずはエアサスバルブユニット、エアの前後分配を行い、エア量の調整などを行うデバイスになりますね。
DSC06558_Rこちらからの漏れが大きかったので第一にエアバルブユニットを交換。DSC06645_Rサスペンションのエラー表示が・・・
想定の範囲内です。DSC06647_Rセンサーの良否判定も同時に行い、交換の必要性有と判断。DSC06648_Rセンサー新旧。
DSC06786_Rディフェクトリセット後は動作するのですが、ディフェクトを拾った瞬間から動作が止まるので
車輛から取り外し、単体チェックを行ったところ、ポンプ本体も異常有りだったので交換です。
DSC06790_R新旧のエアサスのエアコンプレッサーです。
外観からは良否判定が出来ません・・・
個別にパーツをデリバリーしてくれればありがたいのですが・・・
この時点でサスペンションエラーの表示は無くなったので、車高が短時間で落ちなければ解決なのですが・・・

30分も経たないうちにフロントが車高短に・・・
原始的な方法ですがエア漏れは外から石鹸水をスプレーし、漏れが有るか無いかを判断するのが
一番確実なのですが、今回はいくらスプレーしても当初は漏れ箇所は発見できず。
この時点で点検するとやっと漏れている箇所が判明しました。
極少のピンホール。
バルブユニットからの漏れが大きかったので、そちらにエアが引っ張られていた可能性も。
DSC06735_Rエアサス本体を取り外します。DSC06740_R片側は一度交換しているのでしょうか。あまり汚れが目立ちませんね。
DSC06742_R新品のショックを装着し各エアホースをチェック。
エアサスを装着後、各部の動きを確認していきます。
完治しました・・・DSC06745_Rテストランを行い修理箇所やその他に不具合が出ていないか確認致します。
エアサス本来の乗り心地や直進の安定性・スムーズなコーナーリング等、問題が出て無い事を確認して納車となりました。
エアサスペンションは乗り心地も良くある程度の車高の調整も出来るので
非常に良いシステムだとは思いますが、通常のサスペンションと違い不具合が出た際には
トラブルシュートにかかる時間や修理コストもそれなりにかかります。
故障の要因は様々でエアサスペンションのみの故障だけでなく
今回の様にエアサスシステム全体にわたる故障が原因の場合もございます。
車高の異常等で気が付ければ良いのですが、見た目だけでは気が付かない故障もございますのでタイヤの異常磨耗や
乗り心地の違和感を感じたら早急な点検が必要になります。

2016年03月26日