【E36 M3】各部オイル交換【63,000Km】
 各部のオイル交換の為、E36 M3が入庫です。
各部のオイル交換の為、E36 M3が入庫です。
 オイル交換と言えば真っ先にエンジンオイル交換と思い付く方が多いのですが、
その他にも定期的にオイル交換が必要な箇所が有るのをご存知でしょうか?
 定期的に記事を読んで頂いてる方はご存じだと思いますが、今回はエンジンオイル交換には気を使うけど
 その他のオイル交換はあまり気にした事が無い…という方の為にワンランク上のエンジンオイル交換から、
 定期的にオイル交換が必要な箇所の作業を紹介していきます。 当社では通常エンジンオイル交換の際にはフラッシング剤を注入して作業を行うのですが、
当社では通常エンジンオイル交換の際にはフラッシング剤を注入して作業を行うのですが、
 今回はビルシュタイン社のR2000を施工して更に高度なエンジンのフラッシングを行います。
 R2000は洗浄剤を圧送してエンジン内部やオイルラインに堆積したスラッジやカーボンを綺麗に除去しながら
 落とした汚れをR2000本体のフィルターで濾過して取り除き、オイルラインに洗浄剤を繰り返し循環させる事で
 従来のフラッシング以上に確実にエンジン内部やオイルラインをクリーンな状態する事が可能になります。 作業工程はオイルエレメント装着部にアダプターを接続してエンジン内部に洗浄剤を圧送し、
作業工程はオイルエレメント装着部にアダプターを接続してエンジン内部に洗浄剤を圧送し、
 落した汚れをオイルパンから吸引してR2000を経由させ、フィルターで汚れを除去しながら洗浄剤を繰り返し循環させます。
 この作業を行う事で燃費や出力の向上、排気ガスの低減、内部に汚れたオイルが残らないので
 新しいオイルの本来の性能を発揮する事が出来ます。
施工後の変化の違いに驚かれる事の多い作業のひとつですね。
 通常のエンジンオイル交換ではどうしても取り切れない汚れを排出し、エンジン内部をクリーンに蘇らせるので
 ワンランク上のエンジンオイル交換作業として当社では人気の定番メニューになります。
  新旧のオイルエレメント。
新旧のオイルエレメント。
 通常の作業ではエレメントを装着したままフラッシング剤を循環させるので古いエレメントは真っ黒になるのですが、
 今回はR2000を施工したので、古いエレメントはフラッシングを行っていない状態。
 その為、汚れは少なめに見えますが新しいエレメントと比べると汚れているのが判ります。 R2000を施工後、オイルエレメントを交換して新しいオイルを規定量注入してエンジンオイルの交換は完了。
R2000を施工後、オイルエレメントを交換して新しいオイルを規定量注入してエンジンオイルの交換は完了。 今回はFUCHS TITAN SuperSyn 5W-50をチョイス。
今回はFUCHS TITAN SuperSyn 5W-50をチョイス。
言わずと知れた当社で人気のロングセラーエンジンオイルです。
 ミッションオイル交換。
ミッションオイル交換。
 マニュアルトランスミッションで最も重要なオイルがミッションオイルなのですが、ギアチェンジ等で削られた鉄粉が
 オイルと混ざって劣化してしまうとギアが入り難くなり最悪の場合は内部ギアの破損に発展してしまう事があるので注意が必要です。
 鉄粉を含んだオイルを排出し易くする為、油温を上げてから作業を行います。 フィラー・ドレンボルト共に綺麗に洗浄した後に新しいシールテープを巻いておきます。
フィラー・ドレンボルト共に綺麗に洗浄した後に新しいシールテープを巻いておきます。  排出後は規定量のミッションオイルを注入してミッションオイル交換は完了。
排出後は規定量のミッションオイルを注入してミッションオイル交換は完了。
オーナーの意向でミッションオイルはATFを選択しましたが、ATFにするか、ギアオイルにするかは
乗り手によって好みもありますので、交換時に打ち合わせが必要になります。
 デフオイル交換。
デフオイル交換。
 コーナーリング等の走行をスムーズに行う為にデファレンシャルに必要なオイル。
 カーブ走行が多い車輌はデフオイルの劣化も早くなり、劣化が進んでいくと燃費が低下、オイル漏れや異音の発生、
 デフ内部の破損にも繋がる場合があるので注意が必要です。
 交換の際にはスラッジも一気に排出し易くする為、温度を上げて粘度を下げてから作業を行います。 排出後に規定量のデフオイルを注入してデフオイルの交換は完了。
排出後に規定量のデフオイルを注入してデフオイルの交換は完了。 ブレーキフルード交換。
ブレーキフルード交換。
 ブレーキフルードはブレーキ操作をする際に重要な役割をするオイルでエンジンルーム内の
 ブレーキリザーバータンクのキャップを外せば簡単に点検をする事が出来ます。 ブレーキフルードは吸湿性が高いので劣化し易く、徐々に透明から紅茶色へ変化していくのですが、
ブレーキフルードは吸湿性が高いので劣化し易く、徐々に透明から紅茶色へ変化していくのですが、
 酷く劣化が進行すると吸湿した水分がブレーキの熱で蒸発し、ブレーキライン内に発生した気泡が原因で、
 ブレーキペダルを踏んでもスカスカと圧力が伝わらない、ベーパーロック現象を発症して重大な事故に繋がります。
 今回は色の変化はそれ程でもありませんが、透明度は失われて劣化している状態なので交換します。 専用の機械を使用して古いフルードを圧送してブレーキラインに溜まった錆や水垢等を同時に車外へ排出させます。
専用の機械を使用して古いフルードを圧送してブレーキラインに溜まった錆や水垢等を同時に車外へ排出させます。
 排出した古いフルードに異常な量の錆や汚れが出ていないか確認し、問題が見つかれば原因を探る為に
 マスターシリンダーの点検やブレーキラインを取り外す等の作業が必要になります。 クラッチフルード交換。
クラッチフルード交換。
 劣化して吸湿が進むとレリーズシリンダーが錆びてフルードの漏れを発生させ
クラッチ操作が出来なくなる等の不具合発生させます。
 BMWは殆どがブレーキフルードとリザーブが一緒なので同時に交換しています。 交換作業が完了して新しいブレーキフルードは無色透明な状態。
交換作業が完了して新しいブレーキフルードは無色透明な状態。
 ブレーキフルードの点検はフルードの色だけでなく、リザーバータンクの量も確認します。
 ブレーキホースの劣化やキャリパー等のブレーキシステムの不具合でオイル漏れを起こしている場合があるので
 急激な量の変化には注意が必要です。
  パワステオイル交換。
パワステオイル交換。
 専用の機械を使用して古いオイルを圧送してフラッシングを行いポンプやギアボックス、
 パワステラインに堆積したスラッジを車外へ排出させます。
 パワステオイルもエンジンルーム内にあるタンクのキャップを外す事で簡単に確認が出来るのですが、
 劣化が進むと徐々に赤黒く変化していき、ギアボックスやパワステポンプに不具合を発生させるだけでなく
 オイル漏れの原因にもなるので、そうなる前に状態を確認して早めに交換する事が大切です。
 BMWはパワステオイル漏れが定番と言われる程なので気にしない方がいるのですが、
 放置するとギアボックスやポンプ等に影響を与えるので安易に自己判断はせず、早急に対処する事は
 初期の段階でトラブルを回避する事に繋がり、メンテナンスコストを最小限に抑えられます。
  パワステオイルの交換が完了。
パワステオイルの交換が完了。
 新しいオイルの色は透明な赤色なのですが、内部に少しでもスラッジ等の汚れが残ったままだとこの様な透明にはなりません。
 単に交換するだけでは無く、的確な交換方法で作業を行う事が重要になります。
 以上の様にエンジンオイル交換の他にも安全に走行する為には様々なオイル交換が必要になります。
 基本的にオイルは走行していなくても徐々に酸化する等で劣化していくので、ご自分の車輌の走行方法や状態を把握し
 適切な時期を見極める事が重要になるので、定期点検の際に点検記録簿に目を通しておく事も大切です。
 オイル交換の時期は車種や走行方法により様々なので一概には言えませんが、M3やALPINA等のエンジンオイル交換は
 3,000km~5,000kmもしくは半年~1年毎、その他のオイルは一般的に車検毎の交換になります。
2017年01月29日