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MAINTENANCE REPORT

【E46 ALPINA B3S】各部オイル交換&メンテナンス【83,000Km】

先日、福島まで引き取りに行ってきました。現地福島では降っていなかったのですが
土浦から水戸にかけてかなり勢いのある降り方で、少々ビクビクしながら帰ってまいりました・・・
春はまだでしょうか・・・
本日のレポートはE46 ALPINA B3Sになります。
こちらのオーナーは横浜にお住みの方ですが、定期的に岩手の安比高原までの往復1,200Kmのドライブと
温泉を楽しみに行かれる方なので、年間走行距離が15,000Km~20,000Km程でしょうか。
各部のオイルは2・3カ月程度に一度は定期的にチェックをし、
交換サイクルを特に定めずに汚れが目立ってきた時点で、その都度、交換をし良コンディションをキープしています。
まずはエンジンオイル交換。
フラッシングをし、排出には時間を掛けて出来るだけ汚れたオイルが残らない様に
しずくが垂れなくなるまで行う事が重要です。
高速走行がメインで約5,000Kmほど経過したオイルですが、それなりに汚れていますね。新旧のオイルエレメント。
毎回交換されているオイルエレメントですが、しっかりと汚れを吸着してくれているのが分かります。
今回チョイスしたオイルはFUCHS TiTAN SuperSyn 5w-50。
低回転から滑らかに吹け上がるので、交換時にアクセルの軽さに驚かれる方も多いエンジンオイルです。
走行を楽しませてくれるだけでなく、真冬での始動の良さや真夏での渋滞等、
低温時から高温時まで苛酷な使用状況でも十分に安定した性能を発揮してくれる上、
エンジン内部の清浄作用も高いのでALPINAやM3のレスポンスの良いエンジンには
ベストなロングセラーオイルのひとつです。オイルエレメントを装着後、規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。
オイル交換後は必ずオイルインスペクションのリセットを実施。
下廻りを確認した所、パワステのオイル漏れを発見。
こちらも同時に修理し、パワステオイルの交換をしていきます。
新旧のパワステプレッシャーホース。
構造上の問題で致し方ないのですが、どうしてもゴムホースとジョイント部分の加締箇所から漏れが出ますね。 
新旧のパワステ低圧ホース。タンクからポンプに繋がる低圧ホースになります。
こちらのホースもパワステオイル漏れの定番箇所になりますね。
ホースの交換を終えたらパワステオイルの交換を実施。
パワステライン・ポンプ・ギアボックスのフラッシングを行い、
パワステメカニズム内に発生したスラッジ等を古いオイルと共に全て車外へ排出圧送させます。
フラッシングを終えたら新しいパワステオイルを注入してエア抜きを行いパワステオイル交換が完了。
ATFの交換。全量交換です。AT内・バルブボディのフラッシングをし、ATF排出にも時間をかけますので
交換の際は最低でも1泊はお預かりして作業を行います。
一晩掛けて排出を行った後、オイルパンを外して内部の状態を確認。
外したATFのオイルパン。
オイルパンには磁石が付いていてAT内部で発生したスラッジを吸着しています。
この磁石に付いたスラッジの量を確認してAT内部に異常が出てないか状態を探ります。スラッジを吸着した磁石。
約25,000Kmでの交換。それなりにスラッジが発生しているのが分かりますね。
オイルパンは綺麗に洗浄しておきます。スラッジ吸着用マグネットも綺麗になりましたね。
新旧のオイルパンガスケット、ATエレメント。
黒いATエレメントは全て内部で発生したスラッジでの影響で黒くなっています。
新品のATエレメントを装着して新しいガスケットを使用してオイルパンを装着。
装着の際には各ボルトのトルクを均一にしないとATF漏れの原因になるので慎重に装着します。新油を注入するのですが、ATFはある一定の温度を超えると膨張してしまい正確な調整が出来なくなる為、
油温の管理が重要でテスターを使用しながら油面調整を行います。
何度か調整を繰り返し、テストランを行ってシフトフィーリングに違和感が無いかを
確認し問題が無ければ交換作業が完了。
交換後はシフトのアップダウンがカッチリと決まり、スムーズなシフトタイミングが体感出来る程になりました。新旧のユニバーサルジョイント。
かなり断裂が進行していたので交換。全体に細かい皺のようなクラックが発生し、手で捻るとボロッと形が崩れそうになる消耗の仕方でした。
フロントアンダーレインフォースメントプレートが漏れたオイルで酷かったので洗浄します。このプレートですが、固定しているボルトはアルミボルトになるので、基本的に外したら新品に交換です。
そのまま取り付けられていてコトコトと異音の原因になっている車を良く見ますので、
外す際は必ず新品のアルミボルトを用意して下さい。
テストランでは、高速走行が多いB3Sなので、スムーズにエンジンが回ってくれて気持ちの良い車でした。

今回は基本的なメンテナンス以外にパワステオイル漏れやユニバーサルジョイントの交換修理を行いました。
BMWでは比較的多い症状なので見逃したまま走行している方がいますが、更に症状を悪化させるだけでなく
その他の箇所へも悪影響を及ぼすのでトラブルを発見した際は早急に対処する事が大切です。
オイル漏れに関しては、アンダーカバーが装着されているモデルでは漏れに気付く事が遅くなる傾向なので、
気付いた時には、すでにに重症の場合も多く注意しなければなりません。
日頃からエンジンルームを覗いたり、下廻りを確認しておくだけでも発見率は向上するので、
たまに覗いてみるのも良いのではないでしょうか。

2018年02月23日