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MAINTENANCE REPORT

【E21 318i】24ヶ月法定点検&車検整備【137,000Km】

24ヶ月法定点検&車検整備の為、E21 318iが入庫です。
当社でセミレストアをした車輛で、和歌山のオーナーに嫁いで二年が経過しました。
調子良く走っていただいているようで何よりです。
ただ、内外装を中心としたレストア内容だったので、機関には少々手を入れる必要がありそうですね。
メカニカル部分を中心に点検し、作業を行っていきましょう。
リフトアップをして下廻りの確認をしているとマフラーのサイレンサー部にダメージを発見。
基本的にマフラーに穴が開いている状態では車検は通りません。
皆さんはマフラーから水が出ている車を見た事がありませんか?
実はガソリンが燃焼する際に出来た水蒸気がマフラーで結露して水分になり、その水が排気ガスに押されて
マフラーから出ているのですが、その水が原因となってマフラーに錆を発生させ腐食していきます。
その他に雪が降った際に撒かれる融雪剤や凍結防止剤が原因で下廻りの腐食が進んでしまう事があるので
その様な場所を走行した際は下廻りの洗浄をしないと腐食の原因になるので注意して下さい。
よくマフラーに開いてしまった穴をリペアした車を見かけますが
表面上の補修をした所で根本的な部分を修理しない限り
内部は腐食し続けるのであまり意味が無く、車検を通す為だけの一時しのぎにしかなりません。
特に経年劣化の錆等が原因の場合は補修は不可、交換が必要です。
短距離しか乗らない車輌はマフラー内に水が溜まってしまい腐食してしまうケースがあるので、
月に1~2回は長距離や高速走行を行う事で内部の水分を排出させる事も必要でしょう。
デフの左側のサイドフランジ付近にオイル漏れを発見。
そのまま放置すればオイル漏れは確実に進行していくので放置は厳禁。
オイル漏れの原因の殆どが内部のオイルシールの劣化によるケースが多くパーツを外して内部を確認します。
作業を行う前にデフオイルの排出。
デフオイルは粘度が高い為、オイル温度が低い状態では上手く排出出来ないだけでなく、内部で発生したスラッジが
内部に残ってしまう為、必ず温めた状態でスラッジと共に一気に排出させます。
デフオイルを排出後、ドライブシャフトを外します。
フランジを外します。
アウトプットドライブフランジを外します。
新旧のオイルシールと取り外したアウトプットドライブフランジ。
中央部にオイルシールが圧入されています。
圧入の際にゴミ等の異物が付いていたり、斜めに圧入してしまうとオイルシールの効果は得られず
再びオイル漏れを発生させるので慎重な作業が必要です。
Oリングも同時交換。
ドライブシャフトを元に戻しデフオイルを規定量注入してデフオイル漏れ修理・デフオイル交換が完了。
ミッションマウントの変形が酷く、交換が必要な状態。
新旧のミッションマウント。
マウントを固定するボルトが曲がっているのが確認出来ますね。
エンジンからの駆動力やミッション本体の振動など、相当大きな力を受け止めている事が伺えますね。
ミッションマウントの交換が完了。
ウィンドウチャンネルモールの交換。
拡大すると良く判ると思いますが、ウィンドウガラスと密着し雨水などの浸入を防ぐ役割と
ウィンドウガラスの固定を担っているチャンネルモールになります。
雨や埃の侵入を防ぐだけでなく騒音の遮音にも役立っており
主にゴムやベルベットで構成されているので経年劣化でゴム部はヒビ割れ、ベルベット部分は起毛抜けなど
でウィンドウの操作がスムーズに行えなくなったりもします。
交換。
新旧のチャンネルモール。
完全に裂けてしまっています。
こういったパーツの破損は快適に走行出来無くなるだけでなく、雨水の侵入により各部へ与える影響も多い為
経年を考慮して事前に交換するのが理想なのですが、ご自身では判断がつかない事もあるかと思いますので
気になった際は主治医のいる整備工場などへ相談するもの良いかも知れませんね。
マフラー交換。
マフラーに装着するパーツは使用可能な物は綺麗に錆を落として再利用。
新旧のマフラー。
新品といってもスチール剥き出しなので、当社で耐熱塗装を施工しています。
マフラーを装着する際に使用するガスケットリングやナット等は再使用せず、全て新しい物を使用します。
このモデルにはメッキ処理されたテールパイプが似合います。
良く磨いておきました。
マフラーの交換が完了。
エンジンオイルの交換。
オイルの排出の前にフラッシング剤を注入して内部に堆積したスラッジやカーボンの汚れを落とします。
特に経年車は汚れの堆積がエンジンに影響を与えやすい為、日頃からのメンテナンスが大切です。
10~15分程アイドリングを行いエンジン内部にフラッシング剤を浸透させてから排出を行います。
排出したエンジンオイルはフラッシングを行っても画像の様に綺麗な状態で
しっかりとメンテナンスされている事が伺えます。
新旧のオイルエレメント。
E21はフィルターのみを交換するタイプでは無く、カートリッジを交換するタイプです。
オイルエレメントを装着後、規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。
ブレーキフルードの交換。
専用の機械を使用してブレーキラインで発生した錆や水垢等を古いフルードと共に車外へ圧送します。
特に経年車はブレーキシステムの経年で錆が発生し易く注意が必要で錆の発生が酷い様ならブレーキラインや
ブレーキシステムの交換が必要です。
クラッチフルードの交換。
吸湿性が高く、錆の発生に注意が必要でレリーズシリンダー内部に錆が発生しフルード漏れをおこすと
クラッチ操作が出来なくなるのでブレーキと同様に定期的にメンテナンスを行って下さい。
交換後のブレーキフルードは画像の様に無色透明なので御自身でも劣化を確認する事が可能です。
吸湿性が高く、徐々に紅茶色へ変色していくので色が濃くなっていたら要注意。
ブレーキフルードは車を止める為に重要な役割を担っている為、不具合は大きな事故へ発展してしまうので
絶対にメンテナンスを怠らない様にして下さい。
オーナーのリクエストでステアリングとシフトノブを交換。
NARDIのウッドステアリングへ交換。
シフトノブもハンドルと同様にNARDIのウッドタイプへ交換。
ウッドパーツに変更する事でクラッシックな外観やボディカラーにマッチしてエレガントな雰囲気になりました。
冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入し冷却経路内に溜まったスラッジや錆等を浮かせ、
古い冷却水と共に車外へ圧送させます。
特に経年車はエンジンへの負担も多く、オーバーヒートを防ぐ為にもメンテナンスは非常に重要になります。
当社で管理をして毎年交換を行っている車輌はトラブルの発生も少なく、フ
ラッシングを行った後の冷却水の交換の効果は非常に高いと思います。
全ての作業を終え、最後にテストランを行い修理箇所やその他に問題が無いかを確認します。
特に問題が出なければ陸運支局へ持ち込み車検を取得。
その後オーナーに車検証、24ヶ月定期点検記録簿、車検ステッカー、定期点検ステッカーを
お渡して納車となりました。またのご来店をお待ちしております。

2017年07月26日