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MAINTENANCE REPORT

【E46 320i】ATF交換【70,000Km】

今回はオーナーからのご指名作業です。E46 320iのATF交換をレポートとしていきましょう。走行距離は70,000Km。
走行距離も年式を考えれば少ない方ですね。
これからもコンディション良く乗っていきたいとの事で、ATF交換作業のご指名を受けました。
ATFの交換方法は全量交換、圧送・循環交換等があるのですが、圧送や循環式では細かいゴミが排出されなかったり
ATエレメントやバルブボディに汚れが詰まってしまう事で不具合を発生させるリスクがある為、
当社の交換方法は全量交換のみを実施しています。
ドレンボルトを外してATFを排出していきます。
光の加減で透明度を保っている様に見えますが、スラッジを多く含んだ状態で黒く汚れていました。
ドレンボルトからの排出を終えたらオイルパンを取り外します。
閉店前に作業を行って一晩かけてATFを排出させる為、
交換作業は最短でも1泊2日のお預かりが必要となります。ATエレメントを取り外します。新旧のATエレメント、オイルパンガスケット。
オイルパンのボルト、ドレンボルトは新品と同様の効果は期待出来無いので再使用せずに新しい物へ交換。
左側のATエレメントはボディが黒いタイプでは無く、汚れや内部で発生したスラッジが付着して黒くなっており、
右側の新品と比べると汚れている状態が良く判ります。
取り外したオイルパンには汚れたATFだけでなく内部で発生したスラッジが多く付着していました。拡大すると良く判るのですが、四角い磁石に盛り上がって付着しているのが内部で発生したスラッジです。新しいATエレメントを装着。オイルパンは綺麗に洗浄してから新しいガスケットやボルトを使用して均一にトルクを掛けながら装着。
装着ミスによりオイルパンからATF漏れが発生しているケースもあるので慎重な作業が必要です。オイルパンの装着を終えたらATFを注入を始めます。
FUCHS ATF4000(DⅢ)
ATFの油面調整はテスターを使用して温度管理を行ってテストランを繰り返しながら行うのですが、
一定以上の温度を超えてしまうと膨張して正確な調整が出来なくなってしまうので慎重な作業が必要です。
ATFは量が多くても少なくても不具合を引き起こすので、安易な気持ちで交換を行ってしまうとトラブルの原因になり
最悪の場合ATミッションの故障に繋がる恐れもある為、交換は経験と知識が豊富な工場で行った方が安心ですね。全ての作業を終えたら最後に総合的なテストランを行って修理箇所やその他に違和感が無いか確認。
変速時のショックが軽減されアクセルレスポンスにも直ぐに反応し、
キックダウン時の加速や変速のタイミングもスムーズになり
全くストレスを感じない安定した走行を楽しむ事が出来ました。
後日、オーナーに車輌の状態や今後のメンテナンススケジュール等を伝えて納車となりました。

走行距離が多かったり、経年車の場合不具合が出るリスクが高くなり交換を断られる事もあるようですが
そういった車でも交換が可能なケースもありますのでATF交換で気になっている方はコチラから気軽にご相談下さい。

2018年11月21日