【E46 M3】エンジンオイル漏れ修理【120,000Km】
明日から4月ですね~。コロナで世界中が混乱しておりますが・・・
こまめな店内消毒や送迎時にはマスク装着など自分たちに出来る事だけは行いつつ
基本的に平常と変わらずの進行です。
色々な情報が次々と目と耳から入ってきますが、このような時だからこそ
自分達の出来る事をやっていくのみかなと思っています。
本日のメンテナンスレポートは、E46M3のエンジン・トランスミッションオイル漏れ修理です。走行距離は120,000Km。
漏れ出ているオイルが何のオイルなのか?何処から漏れているのか?を特定する事が大切で、
ウィークポイントも含めて調査をし、的確に原因を特定しなければなりません。
更に複数個所から漏れ出ている事も多く、慎重な調査と判断が重要で安易な判断で作業を行ってしまうと、
原因の発見に無駄な時間や作業を費やすだけでなく、修理が完了したとしてもその他の原因を見落としてしまう事で、
後日再び不具合を発症する事がある為、特に経年車は経年劣化を考慮したメンテナンスが必要になります。
フロントアンダーパネルを取り外すと漏れ出たオイルがアンダーガードに溜まっていました。
アンダーパネル装着車はオイル漏れを発症していたとしても漏れたオイルをアンダーパネルが受け止めてしまう為、
オイル漏れに気付いた時にはかなり酷い状態になっている事が多く注意が必要です。
なかなかご自身で気付く方は少なく、点検の際に発見する事も多い為、
定期的に下廻りを覗いてオイル漏れの有無を確認しておく事が大切です。
オイル漏れの状態を見てみると…エンジンとミッションの継ぎ目付近にオイル溜まりが出来ていました。
この時点ではリアクランクシールからのオイル漏れのみを疑っていましたが・・・
クランクシールの状態を確認する為、車体からマフラー等の排気システムを降ろし
トランスミッションを降ろす準備を進めて行きます。
マフラーを降ろそうとした所、マフラーラバーマウントが断裂しているのを発見。
経年劣化していく事で油分が抜けて弾力性が無くなって固くなる事でマフラーの重さを支えられなくなり、
振動等で破損してしまう事が多く、ウィークポイントとして定期的に点検・交換が必要なパーツです。
新品に交換しましょう。
排気システムの次にプロペラシャフトを取り外しミッションを降ろします。
車体から降ろしたトランスミッション。
各部に異常が無いか点検していきます。
ミッションハウジング内をチェック。
インプットシャフトのオイルシールの交換が必要ですね。
取り外したフライホイール・クラッチカバー・クラッチディスク。
2年程前に当社で交換しており走行距離もそこまで出ていないので、今回はこのまま使用します。
リアクランクシャフトシールからもエンジンオイル漏れ。
各シールを交換していきましょう。
新旧のリアクランクシャフトシール、プレートガスケット。
リアクランクシャフトシールを慎重に圧入していきます。
斜めに装着してしまうと短い期間で再びオイル漏れを発生させる為、装着には慎重な作業が必要です。
リアクランクシャフトシールの交換が完了。
新旧のフライホイールボルト。
一度使用したボルトの使用は厳禁です。
装着の際は必ず新しいボルトを使用して既定のトルクで締結が必要です。
フライホイールは錆や焼け後等の研磨を行って、クラッチとの当たり面を綺麗に整えておきます。
インプットシャフトシールを交換。
新旧のインプットシャフトシール。
インプットシャフトシールの交換が完了。
センター出しを行ってクラッチを装着し、綺麗に洗浄を行ったミッションハウジングを車体へ戻します。
新旧のマフラーラバーマウント。
2箇所共に断裂していました。
経年劣化が進むとちょっとした振動や衝撃等で突然損傷してしまう事も多く、異音を発生させるだけでなく、
マフラーシステムにも悪影響を及ぼす為、注意が必要です。
特に頻繁に乗らない方やスポーツ走行をしている方は劣化が早まる傾向の為、
ご自身の走行ではどれぐらいで交換が必要なのかを把握し、
破損してしまう前に経年を考慮して交換しておく事が大切です。
E30モデル違い若干確認しにくいので、一度も交換された形跡や記録が無い場合などは
マフラー脱着時には交換しても良い年式かも知れませんね。
新しいマフラーラバーマウントを装着しマフラーを固定します。
デフセンターフランジのガスケットを新品へ交換し、プロペラシャフトを装着。
全ての作業を終えたら最終のテストランを行って、修理箇所やその他に異常や違和感が無いか確認し、
特に問題が見つからなければ、オーナーへ分解整備記録簿をお渡しし、
今後のメンテナンス等を伝えて納車となりました。
2020年03月31日