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MAINTENANCE REPORT

【E46 M3】ウォーターポンプからの異音修理【走行43,000Km】

DSC04216_R初めて御来店のお客様です。エンジンルーム内から断続的に異音がするとの事で入庫致しました。
オーナー様によりますと他店でベルトとテンショナー類を交換しても改善が見られなかった為、
お預かりし異音の原因を探っていきます。
出たり出なかったりと検査の難しい異音でしたが、異音の伝達と振動から
その原因は、ウォーターポンプである事が判明。
オーナーにその旨をお伝えし、水廻りを中心に整備を進めていきます。
走行距離は少ないM3ですが、経年を考えるとこういったトラブルが多くなってきますね。DSC04218_R早速作業開始。
ウォーターポンプが見えてきました。
異音が出ている場合、考えられるのはポンプ自体の取り付けに問題がある場合やシャフトベアリングの摩耗
それに伴うインペラ破損など様々な原因があり
最悪なケースでは、冷却水漏れから走行中にウォーターポンプがロックする事もありますので
エンジンルーム内から異音がすると気が付いた際にはすぐに主治医に見せるのが一番でしょう。
DSC04219_R外見からは冷却水の漏れは無いようですね。DSC04220_R他店で交換されたベルト部分です。
異音がする場合、ベルトとテンショナー・アジャスティングプーリー等を交換すれば解消する場合が有りますが、
今回の事例では当てはまらなっかった様です。当然ながらこちらでは問題は見つかりませんでした。DSC04221_Rサーモスタット部分が見えました。
ここからウォーターポンプ全体を外していきます。DSC04222_Rウォーターポンプを外した所です。
特に冷却水が漏れた形跡は有りません。
機能的には特に問題無かった様ですね。DSC04223_Rウォーターポンプ取り外すとこのように錆が出ているのが分かります。
取り付け面は研磨し、冷却水漏れなどが起きないようにしておきましょう。DSC04224_Rオイルストーンに水を含ませ、丁寧に研いでいけば綺麗に錆や古いガスケットも取れていきます。DSC04225_R指でなぞって平滑になれば問題ありませんね。
それでは新品のウォーターポンプを取り付けていきましょう。DSC04226_R外したウォーターポンプと新品のウォーターポンプです。
機能面では問題無かったものの、
経年劣化もございますので、今後の事を考えると新品の物と交換した方が良いでしょう。
ガスケット類も同様に交換致します。DSC04228_R先程、綺麗にした元の所へ新品のウォーターポンプを装着しました。
更に新品のサーモスタットを装着していきます。DSC04229_R外したサーモスタットと新品のサーモスタットです。
オーバーヒートやオーバークール等を防ぐ為、冷却水の温度管理には重要なパーツです。
経年を考え、ポンプ同様にサーモスタットやOリング類も新品に交換致します。DSC04230_R新品のサーモスタットを装着致しました。
水廻りパーツは出来るだけ同時に交換が望ましいでしょう。
せっかく修理したのに、間もないうちに他の部分が駄目になってしまった・・・
何て事は珍しくなく、良く耳にします。
また同じような箇所を分解し、工賃が余計にかかってしまうなんて事は悪循環ですね。
パーツ単価があまりに高価でしたら別ですが、そうでないのならトラブルの元になるような
芽は摘んでおいた方が賢明です。DSC04234_Rウォーターポンプ交換後はしっかりとラジエター・冷却経路のフラッシングと防錆処理を施し
新しい冷却水を入れエア抜きをしていきます。
これでウォーターポンプの交換作業は完了です。DSC04236_R最後に異音が消えているか走行チェックを致します。
異音が無くなり、水温も安定しています。
これで以前の様に快適に走行を楽しめると思います。

E46M3は2006年に生産を終了してから約10年、初期モデルからは約15年経過しております。
走行距離が43,000Kmという事を考えれば
『経年による劣化』という言葉がピタリと当てはまる修理事例だったのではないでしょうか。
機能的に問題が無くても各パーツは徐々に摩耗や劣化していきます。
また、ちょっとでも異音や異臭を感じたらすぐにエンジンを停止し、
ボンネットを開けエンジンルームを見回しましょう。
見ても分からない場合は主治医に連絡を。
今回は幸いエンジンにダメージはありませんでしたが、
ダメージが出てもおかしくない箇所のトラブルでした。
せっかく長年大事にしてきた愛車が、あっけなく駄目になってしまう事ほど空しいものはありませんよね。

2015年07月28日