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RESTORE REPORT

【法定24ヶ月点検整備】80y BMW 318i 5MT ディーラー車 CEDER GREEN 走行130,000Km フルオリジナル【納車前整備】

DSC03525_R先日、売約となりました80y BMW 318i 5MT ディーラー車 CEDER GREEN
納車前整備のご紹介です。
入庫したお車を快適な状態でお客様にお渡しするために、必ず最終法定点検・整備を行います。DSC03527_R水廻り整備を実施。
今年のように気温35度を超えるような酷暑でも、トラブルの出ないようしっかりと整備させていただきます。
まずは、ウォーターポンプの交換を行います。
ウォーターポンプの消耗が進んでいくと、エンジンの冷却が困難になり、オーバーヒートを起こしてしまいます。
そうなってしまえば、どんな綺麗な車でも車としては機能せず意味がありませんね。
どんなに古くても、しっかりと止まる・走るという車の基本性能を維持してこその車遊びだと思いますので
納車前整備の中できちんと施工させていただきます。
ウォーターポンプは常に高回転で働いているため、異音・水漏れのほかに
タイミングベルトを使用しているモデルではそのあたりのチェックも欠かさずに
前回交換時はいつなのか、といったような情報も大事になってくるところでもあります。DSC03531_Rウォーターポンプ取り付け部分は古いガスケットの残りや錆が見られますので
取り付け前に取り付け面を綺麗に整えていきましょう。DSC03532_Rウォーターホースだけでなくホースバンドの状態ももきちんと観察します。
ホースバンド自体の汚れ方を見るだけでも、どの程度の期間交換されていないかを判断する材料になりますので
そういった部分にも着目していきたいものです。DSC03534_R全て新品に交換し、リフレッシュ致します。DSC03536_Rウォーターホース差込口も腐食がかなり進んでいます。
こういった部分もこのままにせず・・・DSC03537_Rワイヤーブラシを使用し、腐食した堆積物を取り除いていきましょう。DSC03539_R腕に磨きをかけて?磨けばこんなにも綺麗になります。
単純に見た目の問題だけでなく、何もせずにホースを取り付ける事で
水漏れやホース自体の抜けの可能性がグンと上がりますので、こまかい事でしょうが
このような一手間が重要な作業になってくるものです。DSC03541_Rウォーターポンプの古いガスケットや錆を砥石で取り除きます。
古いガスケットをそのままにして新品をつけてしまうと
クーラント漏れやポンプ自体の取り付け不具合の原因になります。DSC03542_Rポンプを取り付ける準備が整いました。DSC03543_Rこのモデルはタイミングチェーンを使用しているので、ウォーターポンプのみの交換です。DSC03552_Rファンベルト・エアコンベルト交換。
この時代のファンベルトは割と短時間で硬化しベルト鳴きや亀裂が発生するケースが多いですね。
もちろん切れると走行不能な状態となるばかりか、切れたベルトが原因でウォーターポンプのロックや
ファンの破損などの被害をもたらす事もしばしばです。
いずれのベルトも車の走行にとっては欠かせないベルトですので、
定期点検などの時は必ずチェックした方が良いでしょう。
出来れば年に一度は張りの強さや、ベルト山のチェックをした方が良いかと思います。DSC03545_R水廻り整備は完成です。
ウォーターポンプは異音がしてきたり、水漏れがなければ
基本的に交換する必要のない部品だともいえますが、
古いモデルであればあるほど現在リリースされているモデルより基本冷却能力は劣るのは事実なので、
予防整備という観点から早め早めの交換を心掛けていく事が
クラシックBMWとうまく付き合っていくコツでもあるのではないでしょうか。DSC03561_R各エアホースの劣化。
このモデルのインジェクションシステムはKジェトロニックを使用しております。
このKジェトロ、ホースの劣化で外部エアの吸い込みなどがあるとエンジンが安定しません。DSC03554_R一見問題無さそうではありますが・・・DSC03555_R要交換ですね。DSC03556_Rこういったホースは経年での劣化はもちろんの事、
エンジン内の熱のこもり方でも交換頻度は変わってきますので、水廻りと同様に定期的なチェックと
早め早めの予防整備が大事になってくるでしょう。DSC03557_RDSC03558_RDSC03559_R各エアホースを交換しKジェトロの調整も終わり、エンジン回転数も安定し、
気持ち良くエンジンが回るようになりました。DSC03562_Rエアホースの次は燃料ホース廻りのチェックと交換。
基本的にガソリン自体は、フィルターを詰まらせる程の汚れなどありませんが、
給油時など燃料キャップを外した時に砂埃や雨水が入り込んだり、
稀にガソリンや軽油など燃料の中に異物が入っていることもあります。
また季節によっては温度差による結露で水が溜まることもあり、このモデルのガソリンタンクはスチールの為、
タンク内の錆の発生などにも注意を向ける必要があるでしょう。
フィルター自体は外からその汚れを目視で確認出来ないこともあり
あまり頻繁に交換される事の少ないパーツではありますが、
非常に重要な役割を担っているパーツになりますので、定期的なチェックと交換をおすすめしております。
DSC03564_R明らかにタンク入口のゴムホースは交換が必要がある何本かのホースが確認出来ますね。
ホースの取り回し上、どうしても無理な角度で差し込まれているホースもあり
今回はリア廻りの燃料ホースは全て交換とさせていただきました。DSC03565_Rホースバンドもすべて交換します。
燃料の漏れ=大事故につながりかねない箇所なので、しっかりと交換していきましょう。DSC03566_RDSC03568_RE21モデルの燃料ポンプ廻りは知恵の輪のようにホースとパイプが取り回しされており
ホース自体も写真のように短く急角度で取り回しが必要な箇所もあります。DSC03569_Rサクションユニットを取り外し・・・DSC03571_Rサクションユニット上部のOリングの劣化も見逃しません。
このOリングが駄目になると、満タンにした時にガソリンが確実に漏れます。DSC03572_R何て事ないOリングなのですが・・・
その役割は重要です。DSC03574_Rサクションユニット廻りのホースはエア抜きホースを含めて、全て交換完了です。DSC03747_RE21モデルのガソリンタンクは左右均等になるよう二分割されているのですが
写真のように一番底部をゴムホースで連結されており、非常に心許無いというのが
本音でもあるわけですが・・・
車の設計上致し方ないので・・・DSC03749_R新品に交換。
これで燃料廻りの作業は完了です。DSC03575_Rエンジンオイルの交換。
システムクリーナーを入れて、アイドリング状態でフラッシングを行います。DSC03577_Rエンジンオイルの交換は3,000~5,000Kmを目安に。とお伝えしておりますが
やはりモデルが古くなればなるほど、汚れの堆積量は増えていきますので、
あくまでも目安としてお考えいただければと思います。
エンジンフードを開けて、エンジンオイルの量や汚れのチェックはオーナー自身も出来る事だと思いますので
2,000Km程度で一度チェックをしてみるのも良いのではないでしょうか。DSC03581_Rオイルエレメントの交換。
これは毎回交換しましょう。DSC03582_R今回チョイスしたオイルはFUCHS TITAN 10W-40になります。
季節ごとに粘度を変える事で、走りにも変化がありますから
最初の何回かのエンジンオイル交換時には自分のフィーリングに合うオイル探しも面白いものです。
お気軽にご相談下さいね。DSC03739_Rミッションオイルの交換。DSC03743_Rマグネットとなっているドレーンプラグには、鉄粉がびっしり。綺麗に取り除きます。
フィラー・ドレンプラグ共にシールテープを巻き直して漏れないように。
先日持ち込まれた別のモデルはこのようにシールテープが巻かれておらず、プラグの上から
シリコンコーキングがべったりと塗られておりました・・・
取り除くのに非常に時間もかかりますし、絶対にやめてもらいたいものです・・・DSC03744_RFUCHS 5SPEED 75W-90をチョイス。
カッチリとしたシフトフィーリングを味わえるようになりました。DSC03648_Rデフオイルの交換。
DSC03650_RプラグのOリングガスケットは必ず交換しましょう。DSC03652_RFUCHS HL90 75W-90をチョイス。
デフオイルはエンジンオイルよりもはるかに粘度が高く、高荷重に耐えうるオイルが使われています。
デフオイルは交換する人が少ないオイルですが、
デフギアは走行中は常に回転しているわけで、スムーズに回すためにはオイルによる潤滑が不可欠です。
DSC03737_Rブレーキフルードの交換。DSC03742_Rクラッチフルードも交換します。
排出したフルード内の汚れ具合も要確認です。
あまりにも錆等の汚れが多い時は、フルードラインの交換も視野に入れなくてはいけません。DSC03728_Rテストラン中にリアブレーキの異変を感じて、ドラムカバーを外し見てみると・・・
見事にホイールシリンダーが固着していました。
DSC03729_R交換DSC03735_R4輪共に問題無くブレーキが効くようになりました。DSC03753_R下廻り・エンジンルームをスチーム洗浄。DSC03758_R4輪アライメントの測定と調整。DSC03760_Rフロントのトー調整のみではありますが、リアのブッシュの消耗度合も図れますので
交換時期を読み取る事も重要です。DSC03908_R納車前にテストランを繰り返し行うわけですが、そのテストラン中に目視や分解点検だけでは
分からなかった不具合が出る事は少なくありません。
この作業もテストラン中に感じた異音を検査し、原因が分かった修理のひとつになります。DSC03913_Rプロペラシャフトのベアリング不良。
僅かではありましたが、ゴロゴロとシフト下から響いてくる異音が気になったので交換。DSC03915_Rプレス機を使用し、交換。DSC03916_Rセンターベアリング新旧。DSC03918_R交換後は異音もなくなりました。DSC03762_Rヒューズを交換。DSC03763_R経年やエンジン内の熱によってヒューズは劣化していきます。DSC03921_Rテストランを繰り返し行い、問題が無くなるまで納車整備に時間を費やします。
まごころを込めて整備をした車は私たちにとっては我が子のようなものです。
我が子を良い状態で送り出すためにテストランは非常に重要な事なのです。
もちろん、走行も問題なく心地よくドライブを楽しみました。
DSC03988_R全ての書類をオーナーにお渡しし、納車整備等の説明をさせていただき無事納車となりました。
完璧なコンディションでのお渡しには自信がありますが、
なにか気になる事がございましたらお気軽にお申し付けください。
自然豊富な和歌山での 80y BMW 318i CEDER GREEN が颯爽と走る姿を見てみたいものです。
I様、快適なドライブを楽しんでくださいね。この度は誠にありがとうございました。

2015年07月28日