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MAINTENANCE REPORT

【24ヶ月法定点検】94y ALPINA B3.0/1 Coupe 48,000Km【車検整備】

DSC04099_R94y ALPINA B3.0/1が車検整備で入庫致しました。
走行距離は48,000Kmの車輛で今回の整備内容をどのようにしていくかを
テストランと各部のチェックを行い、オーナーと打ち合わせさせていただきます。DSC04100_Rオーナーからも指摘があった項目の一つに、走り出しにゴロゴロといったタイヤが
スムーズに回転していない感覚が、ステアリングに伝わるとの事だったので
見ていくと、大きなガタツキは見られませんでしたが、前後ハブベアリングは良いとは言えない状態でした。
オーナーと相談し、今回は前後のハブベアリング周辺を中心に整備を行い、
車検取得していく事で作業が決定致しました。DSC04101_Rマイクロメーターを使用し、ブレーキローターの厚みを確認。
使用限界を超えてしまっておりますので、ハブベアリングと同時に交換した方が良いと考え
オーナーにその旨をお伝え致します。
DSC04104_RDSC04105_R オーナーも同時に交換した方が良いよね。という事でハブベアリングの交換と同時にブレーキローターも交換。
走行距離は少ないB3ですが、経年を考えると致し方ありませんね。
いかに二度手間にならずに。と整備メニューを組み立て考えていくのが私たちの仕事でもあります。DSC04106_Rハブナットの緩み止めの割り部分のツメをおこして、ナットをインパクトで外していきます。DSC04108_Rスライディングハンマーを使用して、ベアリングを抜いていきます。DSC04110_Rハブベアリングが抜けました。
べっとりと残った古いグリースは新しいベアリングを組み込む前に綺麗に洗浄致します。DSC04112_R取り外すと中にボールベアリングが詰まっています。
摩擦を低減するグリスとボールベアリングが回転をスムーズにさせてくれています。
ベアリング内部に錆はあまり無く、綺麗な感じに見えますが、だいぶ摩耗しています。
パーツごと全て交換致します。DSC04114_Rスピンドル部分を綺麗に洗浄し、新しいベアリングを取り付けていきます。DSC04118_R今まで使用されていた物と比べて見てるとパーツの摩耗の頻度が良くお判り頂けると思います。
このパーツを交換するだけでもスーッとスケートリンクをすべらかに滑走するような走りに生まれ変わります。DSC04120_R外からは見える部分ではありませんが、新しいパーツが付くと気分が良いものですね。
これでスムーズな回転を維持すると共に燃費の向上にもつながります。DSC04124_Rトルクレンチを使って既定のトルクでハブナットを固定していきます。DSC04125_R緩み止めの割りを入れて交換完了です。
DSC04183_Rローターも新品に交換しフロントセクションは完了しました。
DSC04127_R次はリアのブレーキローターとハブベアリングを交換していきます。
こちらも当然ながら左右ともに交換していきます。DSC04129_R若干、デフサイドシールからのオイル漏れを起こしています。
こちらも同時に交換した方が、二度手間になりませんのでオイルシール交換を実施致します。
DSC04130_Rブレーキローターを外すとこんな感じです。
ハブナットを外し、更にここからハブベアリングを外していきます。DSC04133_R前輪と同じく、SSTを使って外します。DSC04135_R後輪ハブフランジとドライブシャフト。
BMWはリアが錆びやすく、取り外すのも一苦労です・・・DSC04136_Rハブベアリングが見えてきました。DSC04137_Rリア部分のハブベアリングは前輪の物と比べて、若干痛みが有るようですね。DSC04138_R拡大すると痛み具合が良くお判り頂けると思います。
ロックリングを取り外してベアリングを抜いていきます。
DSC04139_RSSTを使用し、ベアリングを外していきます。DSC04141_RDSC04142_Rハブベアリングを外すとこんな感じです。DSC04143_R内部がだいぶ錆びています。
新品のパーツを組む前に錆を落とし、薄くグリースを塗布しておくと良いでしょう。DSC04144_Rこちらが外したハブベアリングですが、グリースが固着し劣化がみられます。
写真右のハブベアリングは、ボール自体が錆ついてしまっています。
これではスムーズな走行が出来なくなるだけでなく、
ゴロゴロと異音の原因にもなってしまうのも頷けるというものですね。DSC04145_R新品のパーツとの比較です。見比べるとその違いが良く分かりますね。
デフサイドシールを含め、新品と交換致します。新品のパーツと比べると違いが一目瞭然ですね。DSC04147_RDSC04148_R外した際に錆びていたドライブシャフトも、錆を取り除き綺麗に洗浄していきグリスを薄く塗っておきます。DSC04150_RDSC04151_Rベアリングを組み込む前にに各部の錆や汚れを取り除き、綺麗に洗浄していきます。DSC04152_Rデフオイルも交換致します。今回チョイスしたオイルはFUCHS HLS90
粘度は75W-90のスタンダードグレードのタイプになりますが
評判の良いロングセラーオイルになります。DSC04155_Rサイドシールの交換。DSC04156_Rフランジを外すと内部はこの様な状態になっています。DSC04157_Rシールとパッキンを新品に交換致します。DSC04159_Rオイルシールを組み込み元に戻していきます。DSC04162_R逆側も同様の作業をしていきます。DSC04163_RDSC04164_Rドライブフランジを元に戻してシール交換作業は完了。
これでドライブシャフトを元に戻す準備が整いました。
DSC04167_R新品のベアリングを装着していきます。DSC04169_Rロックリングを取り付けてベアリングの取り付けは完了です。DSC04171_Rハブフランジを取り付けた後、ドライブシャフトを取り付け、あとはブレーキローターを取り付けるのみ。DSC04172_R新旧リアブレーキローター。拡大して比較すると摩耗具合がお判り頂けると思います。DSC04176_Rサイドブレーキの調整・ブレーキパッドの当たり面を調整してフィニッシュ間近です。DSC04177_Rトルクレンチを使って、ハブフランジをしっかりと取り付けしていきます。DSC04179_R緩み止めをカシメてブレーキキャリパーを元に戻します。DSC04184_R完了です。
これで、ブレーキローター交換、ハブベアリング交換が完了致しました。
DSC04186_R夏目前という事で猛暑に備え、一緒に冷却水も交換致します。
ラジエター内部・冷却経路のフラッシングを念入りに行う事で
パーツ一つ一つの寿命もまた変わってくるのは言うまでもありません。
新しい冷却水の入れ替えと防錆処理を行い、冷却水交換作業は完了です。
DSC04187_R車検取得に備えしっかりと下廻りをスチーム洗浄致します。DSC04190_Rデフ部分は漏れたオイル汚れが残らないよう入念に綺麗にします。DSC04192_R エンジンもスチーム洗浄して車検取得へ向けての準備は完了です。P1150353_R 問題無く車検は取得し、全ての作業が完了しました。
ハブベアリング交換のおかげで、走りはじめのゴロゴロといった違和感も収まり
非常に気持ち良くドライブが楽しめるようになりましたね。                               

2015年07月22日