メンテナンスレポート > 【E46M3】車検整備【100,000Km】

ページタイトル
過去のメンテナンスレポートはこちら
2013年01月11日

【E46M3】車検整備【100,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

ストック車輌の仕上げから入庫車輌の点検整備と

お正月気分もすっかり吹き飛び、日常の毎日に戻ってきました。

走行100,000kmのE46M3の車検整備。

フルノーマルで普段は街中中心の走行のようでしたが、さすがに足廻りにかなりの消耗が

見られたので各部のブッシュを見直し。 

まずは足廻りを分解していきます。

アッパーマウント取り付け部分にダメージがないかも確認し、作業を進めます。 

フロントリアのアッパーマウント

ロアアームコントロールブッシュ

フロントリアスタビブッシュ、スタビリンク

リアアクスルキャリア廻り等が今回メインの交換箇所になります。 

アッパーマウントは横から見比べてみると消耗度合いが良く分かりますね。 

リア廻りはなかなか目が届きにくい箇所ですが

走りを楽しむ為には、リアの挙動が不安定だとまともに楽しめません。 

 こちらはリアのアッパーマウントの拡大写真。

付け根のゴムが裂けてしまっているのが分かりますね。

本来であれば、ここまで使用してしまう事はNGです。

ここまでの亀裂であれば、走行中注意深くリア廻りの音を聞き取るようにしていれば

ゴトゴトといった異音が発生しているはず。

リア廻りのスタビブッシュとスタビリンク。

スタビライザーと左右のショックの動きを円滑にする為に必要不可欠なパーツですね。

これらのパーツの消耗が進むと車体の左右の振れのバランスが悪くなったり

コーナーリングもギクシャクとするようになったりします。 

リアのコントロールアームのブッシュ交換 

こちらも亀裂が入っているのが分かりますね。 

裏側は完全に切れてしまっています。

ここまでの亀裂だと、M3としての走りの楽しさを味わう事は難しいでしょう。

この部分も普段目視で見えにくい箇所なので

リフトアップする機会があれば是非確認したい箇所になります。

E46モデルが生産中止になって7年程の月日が流れました。

モデルデビューが1999年なのでそこから考えると14年ですね。

昔と違い塗料の質も良く、外見は綺麗に見える車が多いので14年という年月をあまり感じさせませんが

こういった箇所がどのような状態になっているのか、しっかりと把握し

購入後のメンテナンスメニューも良く考え、購入するべきモデルになってきているのかもしれません。
 

エンジンオイル交換 

R2000にてエンジン内部の洗浄。

フラッシング剤だけでは落としきれない汚れをしっかりと落とし、エンジン本来のレスポンスを

取り戻してくれます。このR2000とフューエルライン系メンテナンスを同時に施工すると

かなりの効果が現れ、施工前後の走りの違いに私達でさえ驚かされます。 

パワステオイルの交換。 

圧送にてギアボックス、ポンプ内のスラッジを完全に排出します。 

スラッジ排出を怠ると、結局はギアボックス、ポンプ内のスラッジが拡散されるだけなので

交換する意味がなくなってしまいます。 

ブレーキフルード、クラッチフルードの交換。 

 

こちらもライン内の旧フルードは残さないよう強制圧送で各ラインに新しいフルードを送ります。 

クラッチフルードは見落とされがちですが、新しくするとクラッチの切れの良さが蘇ります。 

タンク内の古いフルードも全て排出し、テストラン後にこの透明度をキープ出来ていたら

当社でのブレーキフルード交換は終了。 

 デフオイル交換。

M3はLSD装着車なので、コマメな汚れのチェックが必要です。

オイルの排出も一度走行し、粘度を下げてから排出する事により

内部のスラッジも良く落ちます。

粘度が高いので冬場など冷間時そのまま交換しようとすると、多くの古いオイルが

内部に残りますので、たかがデフオイル交換と考えて何も考えず交換すると

全く交換の意味が無かったなんて事もよくある話です。 

ミッションオイルの交換。 

ギアオイルではなくATFをチョイス。

車によって特定のギアが入りにくいというような症状があるモデルなので

オーナーと相談しギアオイルにするかATFにするかを決めていきます。 

エアフィルターの交換。 

このケースも良く見られるのですが、エアフィルターを交換したばかりなのに

中が汚いままといった事がよくあります。

汚れの上からWAXをかけているのと同じ事なので、交換時はしっかりと確認しましょう。 

冷却水の交換。

フラッシング剤を入れ、アイドリングでしばらく待った後、冷却経路の汚れの浮きを確認し

圧送にて一気に車外に排出します。

あまりにも汚れが酷い場合には何度か同じ行程を繰り返し行い、最後に新しい冷却水を注入し、防錆処理。

エア噛みが無い事を確認し作業は終了です。 

最後にアライメント測定と調整。

今回はリア廻りを完全に分解したので、重点的にリアの調整に力を入れました。

数値を基準に合わせ、テストランを繰り返し行い、車の挙動に違和感が無いか、

M3本来の走りを再現できているかをチェックし作業は終了。

場合によっては基準値をわざと外す事によってオーナーの求める挙動を再現する事もありますので

車の挙動を自分好みに変えたい。なんて思っている方は相談して下さい。 

認証工場として稼動しており、最後に整備記録簿をつけ、

車検は最寄の陸運支局へ行き取得しています。

ここで各部の最終チェックをしてもらい、新たに2年間公道を走る権利をいただき

納車となります。 

投稿者:autofine at 14:38 | メンテナンス

過去のメンテナンスレポートはこちら