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2013年12月20日

【E30 M3】エンジン不動修理【123,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

今日は午前中天気が良かったですが

先ほどから結構な勢いで雨が降り始めました。

いまいち天気が安定しないですね。

E30 M3が走行中にエンジンストップしてしまい、緊急入庫。

キーを回すとクランキングはするのですが、全くエンジンが始動する気配がありません。

点火系統、燃料系統のチェックを行いましたが

どのパーツも数値的にも機能的にも問題が見られずという状態。

こうなるとDMEからの信号が正常に出ているか疑わしいのでチェックを開始。 

この当時のBMWのエンジン制御システムはDMEコントロールに内蔵された

1系統のイグニッションステージトランジスターからボディ側にある

ひとつのイグニッションコイルに4気筒分の点火信号を規定のサイクルで

送り、コイルに発生した電気がプラグコードを通っててディストリビューターにて配電され
         
プラグに導いて点火という割と簡単な仕組みになっていますので

測定機器と知識、技術さえ持ち合わせていれば、点火信号の良否判定は

正確に行う事が出来ます。

点火系、燃料系統に問題が無い時点で、ある程度の予想が立ちましたが

点検の結果、やはり点火信号がDMEから出ておらず、原因はDME不良と判断しましたので

新しくDMEを用意し、修理は完了。

無事、エンジンは始動出来るようになりました。

もちろん新しいDMEは、コーディングを実施しております。

エンジンが問題無く始動出来るようになり一安心といったところでしたが

始動直後のガラガラといった異音が酷い状態。

E30 M3に詳しい方ならご存知の症状ですね。

ご存じの通り、E30 M3のタイミングチェーンは金属でできている為

ベルトタイプより音が発生しやすく様々な工夫がされています。

現在はサイレントチェーンと呼ばれる静音性に優れたチェーンなどが使用されていますが

それでもエンジンオイルによる潤滑が不可欠です。

E30時代では当然そこまで静音に優れていたという訳では無く、

チェーンによる駆動は金属の歯車とチェーンが噛みあい動力を伝える為、

エンジンのシリンダーとピストンの潤滑に比べてかなり過酷な潤滑状態です。

一定の張りを与える時にベルトのように機械的に張りを一定に固定すると

力がかかり過ぎてしまったりするためにベルトの張りを状態によって可変させる必要があります。

その為、M3のようにテンショナーを使用している車は

エンジンをかけて油圧が上昇するまでの間ベルトの張りが極端に弱くなり

チェーンガイドやチェーンカバーに接触して異音を発生させる原因になります。

よってエンジンオイルメンテナンス不良によってテンショナーへの油路が詰まったり

可変テンショナーが固着するとエンジン始動時にかなりのガラガラ音が出ることがありますので注意が必要です。
 
発売当初は機械式テンショナーを使用していましたが、

現在ではE36 M3Cの油圧テンショナーに変更するケースが多いですね。

異音の発生は機械式に比べ格段に減りますが、

やはり適正なエンジンオイル交換サイクルを守る事が一番大事な事になります。

機械式から油圧式にチェンジします。 

異音が出なくなったからと油断せず、エンジンオイルの汚れはこまめにチェックし

定期的に交換しましょう。 

作業終了後にテストランにて問題が無い事を確認しました。

またのご来店お待ちしております。 

投稿者:autofine at 15:39 | メンテナンス

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