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2014年03月05日

【E46 M3】フルブッシュ交換【81,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

本日の横浜は冷たい雨が降っています。

明日には晴れそうですが、季節の変わり目なのか

天気の変化が激しいですね。

走行81,000KmのE46 M3のフルブッシュ交換。

各部ブッシュの大きな劣化は見られませんでしたが

現在の走行距離と今後を考え、作業実施となりました。 

実際に各ブッシュの状態を確認すると

今まで足廻りのメンテナンスをされた形跡はなく

こまかくチェックしていくと、不具合が無いというだけで交換時期としては

丁度良い時期では無いでしょうか。 

点検を進めていくうちに大きなトラブルを抱えている事が発覚。 

テストランの段階で、どうもリアの挙動が落ち着かないな。と

その原因を探していましたが

リアのコイルスプリングがご覧の通り折れていました。 

折れてから随分と時間は経過しているようでした。

こうなってしまった原因は不明ですが、珍しいケースではあります。

残念ながらこのまま使用は出来ませんので、リアのコイルスプリングは新しいものに交換します。 

リアセクションから取り外しを行っていきます。

セントラルアームサスペンションの為、ブッシュの点数は多めになりますね。 

リアアクスルキャリアのブッシュも交換します。 

フロントセクションも外していきます。

ダストブーツの劣化が酷いですね。

ショックの減衰を調べたところ、規定値を下回っていたのでこちらも交換します。 

まずはフロントセクションから交換開始。 

フロントリアショック、リアコイルスプリングは新品に交換。

社外製品ではなく、オリジナルの良さを堪能できるように純正品をチョイス。 

今回交換するブッシュになります。

もちろん純正品を使用。中国等で生産されている純正に比べ格段に安いブッシュも

流通しているようですが、装着後に不具合報告が相当あがっているようなので

当社では使用しておりません。 

エンジン、ミッションマウントも交換予定。 

フロントのアッパーマウントの新旧比較。

ショックアブソーバーがマウントするラバー部分の劣化が目立ちますね。

ダストブーツも当然交換です。 

スプリングシートも交換。 

フロントのコイルスプリングはそのまま使用しますので

組み上げし、車輛に取り付けを行います。 

取り付けの際の注意点としては、規定トルクより若干緩めで取り付けを行う事です。

リフトアップした状態で本締めを行ってしまうと、足回りのバランスが取れなくなる為

必ず仮止めに留め、作業終了後にテストランを行ったのち既定のトルクで固定していきます。 

フロントスタビブッシュ、スウィングサポートの交換。 

車輛に取り付けられている状態では、どのくらいの消耗が進んでいるか分かりづらいですが

実際に外してみるとスウィングサポートのボールジョイントの動きの悪さや

スタビブッシュの捻じれが良く分かります。 

スタビも、いきなりがっちり固定せずに一度走行し馴染ませてから本締めしていきます。

フロントのロアコンブッシュ交換。

E46モデルでは、早い場合だと20,000Kmに一度程度の交換が必要になる箇所ですね。

発進時や停止時にゴトッといったステアリングが振れるような異音や振動を感じる場合は

要交換でしょう。 

SSTを使用し、取り外していきます。 

 

取り付けもSSTを使用します。

力任せに押し込んでいくと、ブッシュが傷付きますので注意。

ブッシュブラケットを取り付けるボルトもセルフロックボルトになっていますので

当然、新品に交換します。 

リアアッパーコントロールアームブッシュの交換。 

方向性がありますので間違えないように。 

ロアアームコントロールブッシュ交換。 

ひとつひとつプレス機を使用して交換を進めていきます。 

コントロールアームのブッシュは断裂等の不具合よりも

どの程度偏芯が進んでしまっているかを確認し、交換の判断の目安とするのが良いかもしれません。 

リアアクスルキャリア4か所のブッシュを交換。 

ゴムの劣化が見られますね。

E46最終年式で考えたとしても7年程度の月日が経過していますので

今現在E46モデルに乗っている方はもちろん、これからE46モデルの購入を考えている方は

ブッシュ交換も視野に入れて、購入を検討する時期が来ているかと思います。 

アクスルキャリア自体に亀裂等が入っているケースがありますので

溶接部分を中心にしっかりとチェックし、問題が無いか確認します。

また、歪み等無いか寸法をしっかりと確認する事も忘れずに。 

これで10年は問題は無いでしょう。 

トレーリングアームブッシュの交換。

リアサスペンションの動きの要といっても過言では無い部分ですね。

縦横からのプレッシャーでかなりの消耗が見られる事が多い箇所でもあります。 

こちらはご覧の通り、亀裂が発生している状態。 

クラックのようにブッシュが断裂しているのが分かります。

この状態だと、本来の性能は発揮できませんね。 

3箇所のブッシュを交換し、車輛に取り付けする準備が整いました。 

外した時の逆の手順で組み上げていきます。

この際も、本締めはせずに仮止めで留めておく事が大事になってきます。 

リアはスプリング、スプリングパッド共に新品に交換。 

リアスタビブッシュ、スウィングサポート交換。 

単純な構造のブッシュになりますが、非常に重要なブッシュになりますね。

ダンパーが同じ方向にストロークしている時は、なんの機能も果たしませんが

ロールのように左右のストロークが逆の場合には中央部が捻じれ、

スプリングと同じ役割を果してロールを抑えてくれるのが

スタビライザーの役割になります。すなわち乗り心地を損なわずロールを抑えるには、

スタビブッシュやスウィングサポートが正常に働いているかどうかがキーポイントとなります。

強化スタビ等もありますが左右への切り返しで挙動が大きくなったり、

接地性も悪くなるというデメリットもありますので社外品を装着する場合は注意が必要です。

リアショック、リアアッパーマウントの交換。

ショックの良否判定は車輛に取り付けられている状態では、

目で見て分かる不具合が出ていない限りなかなか出来ません。

車輛から取り外して減衰値が正常値かどうかを調べる必要があります。 

リアセクションも組み上げていきます。 

ミッションマウントの交換。 

捻じれによるマウントの消耗。

縦に潰れが進む事の少ない箇所なので、見落としがちな車も多いですね。 

エンジンマウントの交換。 

 

交換後は室内に伝わる振動が格段に減りました。

何も負荷のかからない状態であれば、エンジンは、回転するだけなので振動は、

ほとんどありませんが、前に進もうとするスタート時や、

シフトアップの際のクラッチミート時にエンジンは駆動を伝えないといけないので、

非常にトルクがかかり、エンジンが動きます。

エンジンマウントが劣化すると、その振動が室内やステアリングに伝わりますので

何となく振動が大きくなったかな。という場合はエンジンマウントの劣化を疑うと良いかもしれません。

4輪アライメントの測定と調整。

測定前にテストランをし、仮止めだった部分は全て既定のトルクで締め直し

再度テストランを行った上で、測定検査を開始します。

フルブッシュ交換の場合のセッティングは、調整とテストランを何度も行い

メーカーが指定する基準値をベースに、オーナー自身が求めているフィーリングを第一に考え

ベストな数値に合わせていきます。 

異常音が出ていないか。今回の作業以外の箇所に問題が無いか。

当社スタッフ数人でテストランを繰り返し、全員がOKサインを出すまで

テストランと調整を繰り返し作業は終了です。 

投稿者:autofine at 18:25 | メンテナンス

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