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2014年04月09日

【E36 M3C】エンジンオイル漏れ修理/クラッチ交換【60,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

桜の花も、あと数日で完全に散りそうですね。

気温も20度前後の日が続いていますので、快適ですね。

走行距離60,000KmのM3Cのエンジンオイル漏れの修理になります。

漏れ箇所は、エンジンオイルパンとリアのクランクシャフトシールからの2箇所になります。 

M3Cから写真のようにアンダーカバーが装着されているので

余程の量が漏れ出さないと地面に染みも付きづらく

漏れの発見が遅れる事が多いので、定期的な点検を実施しましょう。 

オイル漏れの検査は汚れた状態で検査はせずに、必ずスチームで洗浄し検査を進めます。

何処から漏れているかを確実に診断する為に、必要な作業になりますね。 

今回は洗浄後に、すぐに漏れ出してきた事もあり、漏れ箇所の特定はスムーズにいきましたが

漏れ箇所が、エンジンフロント部分なのにリア側にオイルが回って垂れてきているような場合は

検査に時間を費やす事もあります。またそういった漏れの場合は、汚れた状態で検査を進めると

誤診をしやすいので、検査時のスチーム洗浄は大事な作業項目の一つになります。

クランクシール交換の為、ミッションを降ろします。 

M3Bの5速ミッションと比べると、1速増えただけなのに非常に重いので

腰を痛めないよう気を付けながら・・・ 

ミッションを降ろしたところで問題発生です。 

レリーズベアリングに糸屑のようなものが付着しているのが確認出来ますね。

取り外したクラッチキット。

異常が出ているのは間違い無いので、のちほど詳しく見ていきましょう。 

ミッションを降ろし、ようやくシャフトシールを交換する準備が整いました。 

シャフトシールを交換する前に、もう一箇所の漏れ部分であるエンジンオイルパンのガスケットを交換。

エンジンクレーンでエンジンを持ち上げ、オイルパンを取り外す為のクリアランスを確保します。 

フロントアクスルとエンジンを切り離してオイルパンを取り外し。

走行距離60,000Kmと年式から考えれば低走行ですが、若干スラッジの堆積が多いようです。

これからの事も考え、もう少しオイル交換サイクルを早めにした方が良いかも知れませんね。

エンジンオイルパン内部は普段見る事の出来ない部分なので

注意して見ていく事によって、エンジン内部の情報を読み取る事が出来ます。 

古いガスケットを残さないように、ガスケット取り付け面を綺麗に研いでいきます。

いざ新しいガスケットを取り付け、オイルを入れたらまた漏れてきた・・・なんて事になれば目も当てられません。 

何てことないガスケットですが、新しいガスケットを取り付けるまでの下準備が大事な作業となります。

その下準備をするかしないかでガスケットの耐久年数も大きく変わってきます。 

リアクランクシャフトシール新旧。

このオイルシールは内部にコイルバネが組み込まれており、 シールをはめ込んだ際に

コイルバネの広がろうとする力を利用してシールを密着させ、オイル漏れを抑制するというものになります。

なので、取り付ける際は真っ直ぐに打ち込む必要があります。

少しでも斜めに取り付けてしまったりすると、すぐにオイル漏れが発生するので注意が必要です。

問題のクラッチ。

一点一点詳しく見ていきましょう。 

まずはクラッチカバー。

クラッチカバーはクラッチディスクを間にはさんで

フライホイールに取付けられ、エンジンの動力の伝達と遮断を行うパーツになり

基本的に消耗品と考えて良いでしょう。

まずクラッチディスクとの接触面ですが、写真の通りかなりの焼き付きと摩耗が確認出来ます。

クラッチディスク表面は、こまかなクラックが入っているのが確認出来ます。

このまま使用すると、フェージングが剥がれ落ちたり、割れたりして走行不能となる可能性があります。 

レリーズベアリング新旧。

クラッチカバーの粉塵がレリーズに付着するというあまり見たことが無い症例です。

今回の修理は当初クラッチの交換は含まれていませんでしたが

現状の状態をオーナーにお伝えし、追加での作業となりました。 

クラッチディスク新旧。 

比較するとディスクの摩耗具合が良く分かりますね。 

クラッチカバー新旧。 

フライホイールはそのまま使用しますが、ダイヤルゲージを使用して

表面の歪み測定も行い、表面の焼き付きを取り除いていきます。 

もちろんフライホイールを固定するボルトはそのまま使用せずに

新品を用意し取り付けていきます。 

クラッチを取り付け。 

オイルとスラッジで汚れていたケース内は綺麗に洗浄し取り付けます。 

プッシュロッドにグリースを塗り、ミッションを載せる為の準備は整いました。 

ミッションジャッキに載せ、位置合わせをしていきます。

ある程度位置が決まったら、前後左右にミッションを揺らしながらエンジンとドッキングさせていきます。 

マフラーステーが外れかかっていたので溶接にて補修。 

マフラーの取付けも終わり、テストラン開始です。 

今回のようなオイル漏れ修理後のテストランは一般道と高速を使い分け

何日かのテストを繰り返し、オイル漏れがストップしているかどうかを確認します。

様々な走行条件で問題が無い事を確認する必要があるわけです。 

もちろん不具合も無く、クラッチの動作も良好だったので無事納車となりました。

投稿者:autofine at 14:28 | メンテナンス

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