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2014年06月20日

【E36 M3】VANOSオイル漏れ修理/エアコンユニット不良修理【87,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

今朝のW杯をラジオで聞いていましたが、引き分け・・・残念でしたね。

決勝リーグ進出はかなり険しい道のりのようですが頑張ってもらいたいものですね。

10年程前に当社で販売したM3が千葉からメンテナンス入庫。

オートエアコンパネルの表示がされなくなり、操作も出来なくなってしまった状況。

後期型のE36は良く見られる症例ですね。 

遠方で頻繁にご来店出来ないということもあり、エアコン以外の箇所もチェックしていくと・・・

オイル漏れを発見。

色を見た限りではエンジンオイルで間違いなさそうですが、何処から漏れているのかを検査したところ

VANOSユニット取り付け部分のOリングが劣化しており、

ここまで伝わって漏れているのが分かりましたのでオーナーに状況を説明し、

修理となりました。

クランクやカムカバーからのオイル漏れの場合もこの部分にオイルが伝わりやすいので

検査の際は、適切な手順で検査を進めないと誤診を招く恐れがありますので注意が必要ですね。 

下廻り保護と高速域の空気抵抗の低減の為には欠かせないアンダーカバーですが

オイル漏れに関しては発見が遅くなるケースが多いので

オイル交換時には必ず取り外しチェックした方が良いでしょう。

早速、修理開始。

VANOSユニットを取り外します。 

SSTを使用し取り外していきます。

M3CからダブルVANOSが採用されておりますが、メンテナンスが行き届いていない車の場合

VANOSの機能に問題がある車も多く

@加速しない。

A異音がする等々。

@に関してですが、その車しか乗った事が無い人はそれが正常だと思ってしまっているケースがほとんど。

1,2速でアクセルを踏み込んでもヘッドレストに後頭部が張り付くような加速感が得られない。

3速⇒4速とシフトアップしアクセルを踏んでも

鋭い加速感と言うより惰性で速度が上がっていくようなイメージ。

エンジン回転の上がり方に段付きや違和感が無い事と、

テスターを使用してもエラーコードとして

検知しない為、見逃されている事が多いですが

完調の車と比べるとフィーリングの差は歴然。

Aに関して、分かりやすいのがエンジン始動時や停止時にガラガラといった異音がでるようであれば要チェックです。

取り外し完了。 

この状態であれば随分とオイルが漏れているのが分かりますが

VANOSが付いている状態だと非常に分かりにくいですね。 

まずはVANOS本体のOリングやワッシャーを交換していきます。 

Oリング、ワッシャー新旧。 

取り付け前にオイル漏れ跡はしっかりと清掃します。 

本体を取り付け。 

ソレノイドカバーのガスケットを交換。 

 

VANOSオイルフィルター交換。 

フィルター新旧。 

リミットバルブの取り外し。 

リミットバルブ Oリングを交換。

かなりOリングやガスケット点数が多いですが、全てを新品に交換しないと

未交換部分からのオイル漏れが発生する可能性が高まりますので注意が必要です。

M3を楽しむためにはVANOSユニットの正常なパフォーマンスが非常に重要になりますので

定期的なオイル交換は当然として、定期的に機能チェックしていく事が重要です。

カムカバーはしっかりと洗浄。 

カムカバーの裏を確認すると、オイル交換をしっかりと行っているか、行っていないかが良く分かります。 

この車輛は一目瞭然。大事にされているのが良く分かりますね。

カムカバーを取り外した際は、必ずカムカバーボルトのラバーシールを交換。 

カムカバーガスケット、プラグホールガスケット新旧。 

カムカバーを取り付けていきます。 

アンダーカバーのオイル汚れも綺麗に洗浄し取り付けし作業は完了。 

エアコンの修理を開始。

テスターにはこのようにエラー表示が。 

エアコン液晶部分はブラックアウトし全く操作の出来ない状態です。

E36後期から採用されているエアコン操作パネルですが

この症例は以前から多く確認されており、不具合報告はメーカーにも相当入っているはず。

もうちょっと何とかしてもらいたいパーツのひとつでもあります。 

スイッチパネル等を入れ替えて取り付けします。 

 

あわせてエアコンガスの入れ替えを実施。

エアコンの効きも当然良くなりますが、しっかりと真空引きを行い

エアコンオイルの入れ替えも実施する事によってエアコンコンプレッサーの寿命を延ばす為に

数年に一度は実施をおすすめしております。 

マイクロロン エアコンディショナーフィックスを使用。

自動車用エアコン内部の金属摺動部の摩擦を効果的に低下させ、

エアコン作動時のエンジンに対する負担を軽減させます。

テストランを兼ねて、エアコン温度チェック。

外気温30℃近くで、この送風温度であれば問題無しです。

もちろん修理したVANOS部も問題無し。 

全ての修理が終わり、千葉まで納車に向かいます。 

投稿者:autofine at 10:53 | メンテナンス

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