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2014年09月19日

【E36 M3】法定24ヶ月点検&車検整備【115,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

9月もすでに終盤を迎えようとしていますね。

朝晩は冷え込み、昼は暑かったりと季節の変わり目なんだなぁと思いながら日々過ごしております。

工場長が先週に引き続き富士登山に行ってきました。

アグレッシブですね・・・二週連続なんてとても真似できません・・・

今回は須走ルート。

過去に私も登った事がありますが、もう二度と登りたくないルートです・・・

残念ながら今週も曇り空だったようで、御来光はお預け・・・

雲海は綺麗ですね。

来週は富士宮ルートで登ってくれるのでしょうか?

今週末に工場長に会われた方は、三度目の正直という事で背中を押してあげて下さいね。

砂走。

思い出しただけで嫌になります・・・


頂上気温はマイナス二度程度だったとか。

さすがに登山者もまばらで頂上でも10人程度だったようです。

山小屋も完全に終わっていますので、これから登られる方は十分気を付けて登山を楽しんで下さい。

E36 M3B。

群馬から初めてのご来店、車検整備で入庫です。

お預かりして各部をチェックし、メンテナンスメニューを組み立てていきますが

VANOSユニットを覗き込むと、下半分にジットリとオイルが漏れてるのが確認出来ます。

リフトアップしてみるとこの通り。

エアコンコンプレッサー奥側にかなりのオイル漏れが確認できます。

検査して調べていくと全てVANOSからのオイル漏れという事が判明しました。

VANOSオーバーホールを開始。

今回、VANOS脱着し使用するパーツは上の写真の通り。

ガスケットやOリングが中心のパーツ構成になりますが、

エンジンパーツを結合していく上で、非常に重要パーツである事は皆さんも十分ご存知かと思います。

こういった機会にしか確認できませんので、

カムシャフトに傷が無いか、スラッジ量に問題が無いか等をしっかりと見ていきます。

 

M3BなのでシングルVANOSになります。

 

漏れていたオイルがシリンダーブロック下へ流れてるのが良く分かります。

この部分は組み上げたのちに清掃する事は困難なので

あらかじめしっかりと清掃しておきます。

VANOSオーバーホールはOリングやガスケットの交換だけでなく

内部のスラッジをいかに排出するかが問題となります。

もちろんVANOSの動きを制御しているソレノイドユニットの動作確認も必要になる事は言うまでもありません。

 

 

Oリング新旧。

Oリングの材質と表面処理が変わっているのが分かりますね。

耐油性の高いものに変わっています。

シリンダーヘッドとつながる部分の新旧Oリング。

ソレノイドユニットは動作テストを繰り返し行い、正常に機能しているかを確認していきます。

問題がなければ、各Oリング、ガスケットを用意し元へ戻していきます。

 

VANOSを元に戻していきます。

圧力が相当かかる箇所になりますので、トルクレンチを使用して固定していく事を忘れずに。

rpmセンサーOリング新旧。

センサーが正常がどうかのチェックも必ず行います。

VANOSフィルターの交換。

ガスケットも交換しましょう。

 

圧力リミットバルブOリング新旧。

カムカバーを洗浄し、取り付ければVANOSオーバーホールは完了です。

VANOSの働きは今までブログに何度も取り上げてきたので

その重要さというのは皆様ご存知かと思いますが、

VANOSに変調をきたしたまま、乗り続けていらっしゃる方が多いのも事実です。

一気にカムの動きがおかしくなり、明らかにアイドリング時からエンジンが息継ぎするようなケースであれば

運転する事が困難になりますので、すぐに分かりますが

その性能が経年や距離を重ねて徐々に低下していくと、体が慣れてしまい気付きにくいものです。

MモデルがMモデルである為に最重要なパーツのひとつになりますので

定期的なチェックと何か問題がある場合はそのままにせず早期に処置をしていくべき部分になりますね。

エンジン始動時にガラガラとタイミングチェーンが鳴ってしまう場合

E30 M3、E36 M3Bでは機械式のテンショナーを使用している為

テンショナー内部のスプリングが弱くなってしまうと聞き苦しい音になってしまうというわけです。

E36後期モデルのM3C用の油圧テンショナーに交換する事でガラガラ音は解消できます。

E30 M3でも対応出来ますので、エンジン始動時に異音が酷い場合は交換をおすすめしております。

こちらもトルク管理には注意。

少しでも緩いとオイルが漏れます。

パワステオイルの交換。

キャップのOリングが駄目になって、オイルが噴き出しているのが分かります。

ホースからの漏れは無かった為、圧送でポンプ、ギアボックス内のスラッジと古いオイルを排出。

Oリングは交換します。

新品のOリングに交換したキャップを取り付ければ、噴き出すことも無いでしょう。

エンジンオイルの交換。

 

エレメントとガスケットワッシャ、Oリング全てを交換していきます。

FUCHS TITAN 5W-50をチョイス。

ブレーキフルードの交換。

圧送でライン内のスラッジと古いフルードを排出していきます。

紅茶色になった古いフルードが完全に排出されるまで圧送を続けます。

古いフルード内に錆の欠片が無いか等、古い車であるほどライン内の状況も

読み取っていく必要があるのは言うまでもありません。

フルードが新しくても、ラインに問題があれば交換の意味が全く無いわけですから。

クラッチペダルを踏み込んだ時の異音。

グニュッとした踏み心地とギューギューといったような音が気になりはじめると、

運転にも集中できずにつまらないドライブになってしまいます。

ロックピンとブッシュの交換。

場合によってはペダル自体が変形している事もありますので

その場合はペダルの交換も必要になります。

車検取得前ににアンダーカバーや下廻りのスチーム洗浄を行います。

オイル漏れ箇所はオイルが残らないよう念入りに洗浄していきます。

テストランを実施。

テストラン後には再度リフトアップし、問題が無いかを確認しロードテスト表を付け

オーナーにお渡しします。

車検取得の為、陸運支局へ。

定期点検記録簿、ステッカー、車検証を用意して納車となります。

投稿者:autofine at 14:08 | メンテナンス

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