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2014年12月01日

【Z3Mロードスター】VANOSオイル漏れ修理&ウォーターポンプ異常修理【76,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

ここ数日、アルミのリペアに精を出していました。

16×7J/PCD100/4H/ET25のRS003。

マルニターボに装着予定です。

リペアの詳細は後日にでも。

リペア前と比べると驚きの綺麗さです。

装着イメージは…

ターボではありませんが、こんな感じでしょうか。

楽しみです。

Z3Mロードスターの修理入庫。

静岡から初めてのご来店です。

エンジンからゴトゴトと異音がするとの事でお預かり。

確かにエンジン音に混じってゴトゴトと嫌な音が…

リフトアップしてみると冷却水が激しく漏れている跡

また、冷却水だけでなくかなりエンジンオイル漏れも酷い状況です。 

ゴトゴト音の正体は、ウォーターポンプの劣化でした。

内部のメカニカルシールの劣化とベアリング損傷によって

すでにファンも前後に動いてしまうような状態。

ポンプとしての機能はすでに期待出来ないどころか

いつインペラ破損してもおかしくない状況なので、ウォーターポンプは交換。

もうひとつの問題でもあるオイル漏れはVANOSユニットからのオイル漏れ。

今回はこの二点を修理していきます。 

まずはVANOSユニットのオーバーホールを進めていきます。 

一年程前にVANOSアッセンブリーで交換されたらしいのですが

距離もそこまで走っていないので

この短期間でこれほどの漏れが出ているというのは、珍しいケースではあります。

全てのOリング・ガスケット類を交換し、VANOSユニット本体の内部洗浄をしていきます。 

カムスプロケ取り付け部分からの漏れもありましたが

ちょっと気になった箇所はこの部分のOリング。

VANOS組み込み時にずれたんでしょうか。

完全に歪んでおり、変形しているのが分かりますね。

ヘッド前面に漏れたオイルがべったりと。

このまま組んでいく事で、後々誤診を引き起こすことがありますので

しっかりと洗浄しておきます。

作業終了後に再度スチーム洗浄を行いましょう。

新品のOリングやガスケット類を使用しVANOSユニットを元通り組み込み作業は完了です。

漏れやすいポイントに液体ガスケットも使用しますが、

あくまでも漏れやすいポイントに ピンポイントで使用していく事が正確な整備につながります。

塗りたくったような液体ガスケットの使用はNGです。

ウォーターポンプの交換。

M3はタイミングチェーンを使用しているので、ベルトを使用したモデルに比べ

定期的に交換するという意識は低いかもしれませんが

十年もしくは100,000Kmに一度は交換しておいた方が良いパーツのひとつです。

ウォーターポンプがロックし、ベルト破断やインペラ破損によって冷却経路内に

破断した破片が混入してしまったりと致命的なダメージになりうる

二次被害も考えなくてはいけません。 

取り付け面は完全に錆が出てしまっています。

メカニカルシールの劣化によって、密閉性能が損なわれ錆を誘発してしまう訳です。 

もちろん、そのまま取り付けするようなことはせずに

錆を綺麗に落とし新品のウォーターポンプを取り付けします。

カムシャフトセンサーから若干オイル漏れが確認できたのでOリングを交換。 

冷却水の交換。

冷却経路内に残っているLLCは、錆を含んでいるので完全に排出していき

新たにLLCを入れていきます。もちろん防錆処理もしっかりと。

エアもかなり噛んでしまっており、エア抜きに随分時間を取られました。 

漏れたエンジンオイルとLLCをスチームで洗い落としていきます。

修理後にこういった作業をせずに漏れ跡を残しておくと、

何か問題が起きた場合や次回メンテナンス時にトラブルシューティングが困難になる事も多いですね。

最後にオイル交換を実施。 

エレメント・各Oリング・ドレンワッシャ等を交換。 

フィラーキャップからオイル漏れが目立ったので新品に交換しますが

オイルストーンでスラッジを落とし、面出しを行います。

ちょっとした事ですが効果は抜群です。 

フィラーキャップ新旧。 

FUCHS TITAN 5W-50を入れて全作業は完了。

キーを捻るとエンジンからの異音も無くなり、スムーズに吹け上がり快調そのものです。 

約60kmほどテストランを行い全ての作業は完了です。

修理でお預かりの車輛は必ずロードテスト記録も納車時にお渡ししております。

その時点で問題がある箇所や後々問題となりそうな箇所を予想し、

納車時にオーナーにお伝えしています。 

投稿者:autofine at 17:14 | メンテナンス

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