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MAINTENANCE REPORT

【E46 M3】12ヶ月法定点検整備&各部メンテナンス【55,000Km】

DSC07439_R本日はE46 M3が12ヶ月法定点検整備の為入庫です。
一年に2回定期点検でご来店頂いているオーナーなので、特に大きな問題は無いとは思いますが
車輛全体を詳しくチェックしていきます。DSC07445_R点検をするとオーバークールなのか通常よりも水温が上がらない状態。
オーバークールは必要以上にエンジンを冷やしてしまう事で燃焼が不十分になり
それが原因でカーボンが増える等エンジン内部の汚染に繋がります。
更にピストンが基準の熱膨張温度に達しない事からブローバイガスの吹き抜けが増えてしまい、その為オイルを劣化させ
オイル寿命が低下します。
これらの理由から燃費の低下にも繋がりますので注意が必要です。DSC07446_Rオーバークールの主な原因として考えられるのが温度調節に必要なサーモスタットの故障によるものなので
一度サーモスタットを取り外して確認します。DSC07449_R取り外したサーモスタットを確認した所、不具合が見つかったので交換。
サーモスタットは冷却水を管理する事で温度調節を行っているのでここに不具合が起きると
今回の様なオーバークールや温度が高くなり過ぎるオーバーヒートの症状を引き起こします。
オーバーヒートになってしまうとエンジン自体が破損してしまう事があるので温度調節をするサーモスタットは
エンジンにとって非常に大切なパーツになります。
DSC07458_Rサーモスタットの交換作業を終了後、冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入し冷却経路に溜まった水垢や錆等の汚れと共に古い冷却水を排出。
綺麗に洗浄した後に新しい冷却水を注入して冷却水の交換は終了。DSC07461_Rエンジンオイルの交換。
交換の際にはフラッシング剤を注入して10分程アイドリングを行い、
エンジン内部に堆積したスラッジやカーボンを落としていきます。
フラッシング剤はスラッジやカーボンを落とす事で新しいオイルの汚染を減少させ保護被膜が汚れの再付着を防ぎます。DSC07462_Rフラッシング剤で落とされた汚れと共にエンジンオイルを排出。
スラッジを多く含んだエンジンオイルは真っ黒な状態で排出するのですが、
エンジン内部に汚れたオイルを出来るだけ残さない為にもしっかりと時間を掛けて
最後の一滴になるまで排出させる事が大切です。DSC07464_R同時にオイルエレメントも交換。
取り外したエレメントにもフラッシング剤で落とされたスラッジやカーボンが多く溜まっていました。DSC07472_R規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイルの交換は完了。DSC07507_R今回使用したエンジンオイルはYACCO GALAXIE GT 10W-60。
M3・ALPINAにお乗りの方には非常に好評なオイルです。
使用するオイルはそのエンジンや走り方に最適な物をチョイスしないと十分な性能を発揮出来ないばかりか
エンジンオイル漏れの誘発など予期せぬトラブルも引き起こす事もありますので注意が必要でしょう。DSC07473_Rオイルインスペクションのリセット。DSC07474_Rリセット完了。
オイル交換は走行方法にもよりますが出来るだけ5,000km毎、もしくは半年を目安に交換する事をお勧めしております。
特に古い車輌はエンジンへの負担を出来るだけ軽くし、高性能な車輌は十分な性能を発揮させる為にも
交換時期のタイミングを逸しないようにしましょう。DSC07475_Rエアコンのマイクロフィルターも汚れが目立ったので交換。
走行には関係無い場所なので気付かない方が多いのですが取り出してみると思ったより汚れている事も多いです。
DSC07453_Rウォッシャーポンプに液漏れを発見したので取り外して確認。DSC07456_Rウォッシャーポンプを取り外してみるとポンプ本体からの漏れだったのでASSY交換。DSC07478_Rエアコンガスとオイルの交換。
エアコンガスは経年やコンプレッサーの作動音等の確認をして交換時期を見極めます。
定期的な交換をする事でコンプレッサーやエバポレーターの保護や寿命に繋がります。DSC07534_Rマイクロロンエアコンディショナーフィックスを使用。
冷風温度が1~2℃実際に変わりますので、当社では良く使用する添加剤になります。
DSC07479_R細かい箇所ではありますがフューエルキャップコードが切れていたので交換。DSC07483_R新旧のフューエルキャップ。
DSC07485_R全ての作業が終了後にテストランを行い修理箇所やその他に不具合が出ていないか確認。

今回は定期的な点検だけでなくその他の軽微な不具合箇所を発見し手を加えました。
12か月前には問題の無かった部分もたった一年で不具合が発生する事がありますので定期的な点検は必要ですね。
点検は不具合が発生してからの修理だけでなく半年先、一年先に起こるかも知れない部分も確認して作業を進めていますので
その様な箇所を発見した際はオーナーと相談しながら交換やメンテナンスの計画を立て次回の点検作業の際に生かしています。
人間も定期的な検査が必要な様に大切な愛車も定期的に点検をする事で出来るだけ長く良好な状態で維持したいですね。

2016年12月06日