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MAINTENANCE REPORT

【BMW 1502】ヒーターユニットオーバーホール【E10】

今回は1502がヒーターのユニットの修理の為入庫です。
1502は1602の再販モデルとして1975年~1977年まで最後の02シリーズとして製造されました。
基本構造は2002と変わりありませんね。
今回はヒーターバルブコントロールワイヤーが切れてしまっており、全くヒーターが効かない状態。
ワイヤーだけ交換という選択肢もありましたが、オーナーと相談しヒーターコアやレジスターなども
交換しオーバーホールすることに。
まずはヒーターコントロールパネルから取り外し。
スイッチの接点などはあとで分解し、確認していきましょう。
ヒーターユニットをボックスごと取り外し。
さすがにこの時代の車は補機類も少ないので取り外すのもそう時間はかかりませんね。
外したヒーターユニット。
全体的に錆が発生し経年劣化でヒーターユニットのスポンジはボロボロになっておりますが
ボックスはクラックも無く、しっかりとしているのでこれをベースに直していけそうですね。
ブロアモーターは通電させたところ、完全にロックしていたのでこちらも交換していきます。
ヒーターユニットの装着面にも錆が発生しているので綺麗に錆を落として防錆処理をしておきます。ヒーターバルブを開閉するワイヤーは写真のように折れてしまっていますね。
バルブも固着気味なので新品に交換。
ヒーターユニットの中にはヒーターコア・ファンレジスターが取り付けされています。
ファンレジスター。
ファンの風量をコントロールするパーツですね。
まだ使用出来そうでしたが、後々ここだけ交換するのも二度手間になるので新品に交換します。ワイヤーケーブルは全て交換。
1組のワイヤーは廃番になっているので、製作します。新旧のヒーターコア・ファンレジスター・ヒーターバルブ。それぞれ新品へ交換します。新旧のブロアモーター。
ファンブレードは綺麗に処理をして再使用します。
取付はネジ山をタップダイスで切りナット止めとします。新しいファンレジスターを装着。
取付に使用するボルトナット類は新しく。
汚れを落として綺麗にしたボックスへ新しいヒーターコアを装着。
コントロールワイヤーは製作
フラップ部のワイヤーも加工して装着。ヒーターバルブを固定しているプラスチック部分はほとんどの車は破損しているので
補強の為のプレートを新たに作り直しバルブをしっかりと固定し、ワイヤーを操作した時に
支点となるバルブが動かないようにする必要があります。
新品のヒーターバルブ等を装着。
ホースバンドも新品へ交換してヒーターバルブへ開閉用のワイヤーを取り付けます。ファンブレードの干渉が無いかを確認してヒーターユニットのオーバーホールが終了。ヒーターユニットを元に戻し、エア抜きと冷却水の交換。
ヒーターのファンも作動し送風の温度も充分なので冬場の走行でも凍える事無く楽しめる様になったと思います。

02シリーズは40年前のモデルですが国産の旧車と比べるとまだデリバリーされるパーツもあり
旧車としては修理のしやすいモデルだと思います。
また、その構造からパーツの製作も、全てが容易とは言えませんが可能なものも多いので
修理も問題無く行えます。

2017年03月31日