75y 2002 4MT RestorationFile No.6
今回はRestorationFile No.3の記事で予定を立てたエンジンのオーバーホールの作業をお伝えします。
エンジンオーバーホール施工は下記の通り行います。
●シ リンダーブロック・・・ブロック上面面研・シリンダーボーリングホーニング・クランクシャフト研磨(メイン・コンロッド)
ピストン交換 (Mahle89.22mm)・ピストンリング交換・ピストンピン交換・ピストン及びコンロッドバランス取り
メタル交換 etc,,,
●シリンダーヘッド・・・バルブ交換・バルブシートカット・バルブシートリング入替・ヘッド面研
バルブガイド入替・燃焼室容積合わせetc,,,
各ガスケットやタイミングチェーン・ガイドレール・テンショナーなどは当然交換します。
ピストンはMahle89.22mmに合わせてボーリング・ホーニング。(+0.25mm)
上面も最小限で面研施工。
ヘッドボルトのネジ山をタップで整えていきます。
下地に防錆処理を施しシリンダーブロックをオキツモ耐熱塗料で塗装。
オイルライン・冷却ラインなどスチーム洗浄で徹底的に洗浄し
各ライン内をクリーンにしていきます。
メタルを取付。
ベアリングメタル(アッパー)。
ベアリングキャップとベアリングメタル(ロア)
ベアリングメタル・クランクシャフトを載せベアリングキャップを装着。
中心から外側にかけて固定していきます。

トルクレンチでボルトを規定のトルクで締めていきます。
中心から。
ピストンを組み立ててクランクシャフトへ装着準備。
コンロッドはそのまま使用します。
装着するピストンはMahle89.22mm。
コンロッドメタルは交換。
ピストンピンも交換。
ピストンにアッセンブリーペーストを塗りピストンリングコンプレッサーでピストンリングを締め込み
シリンダーブロックへ装着。この際にピストンリングの合い口を考えてピストンを挿入。
一つ目の装着が完了。
残りのピストンも同様に装着します。
残りのピストンを全て装着。
オイルポンプが付けば腰下は大体完了ですね。
ピストンの装着が済んだらクランクを回してスムーズにピストンが動作するか確認。
各部のクリアランスも確認し問題がなければクランクシャフトとピストンの装着は完了。
オイルポンプは確認した所、ローターの摩耗は少なく状態も良かったので綺麗に洗浄して使用します。
ボルト類は全て新品に交換。
チェーン類は交換。
オイルポンプチェーン装着。
タイミングチェーン・テンションレール・ガイドレール取付。
オイルエレメントケースはブラスト処理を行いました。
タイミングチェーンはカムスプロケットを装着した際に位置合わせ。
タイミングチェーンカバーのオイルシールを交換。
面研磨加工やバルブ交換・シートカット等の作業を依頼していたヘッドが戻ってきたので
組み上げていきます。
バルブ・バルブガイド共に新品に交換。

燃焼室も御覧の通り、堆積したカーボン等の汚れを落され非常に綺麗になりましたね。
燃焼室の容積合わせも完了。
バルブスプリングを組んでいきます。

シリンダーヘッド組み上げほぼ完了。
バルブスプリングコンプレッサーを使用しピンセットでコッターを送ってバルブステムの溝へ装着。
ステムの頭を軽く叩いて、動きに問題が無いか確認しておきます。
シリンダーヘッドとブロックを合体させましょう。
カムやろーッカーアーム周辺のショートパーツも当然新品に交換です。
ロッカーアームも新品に交換です。
カムシャフト・ロッカーシャフトを通しロッカーアームを装着。
In側が完了。
Ex側も同様にロッカーシャフトを通しロッカーアームを装着。
ロッカーアームとロッカーシャフトの接触面にはたっぷりとアッセンブリーペーストを塗布し、
始動時に余計な初期摩耗やカジリが出ないように。
オーナーの意向でクーラーを装着します。
シリンダーブロック上面をしっかりと脱脂し、ヘッドガスケットを装着し
シリンダーヘッドをのせます。
ヘッドボルトは新品の物を使用し、
トルクレンチで締め付けを行ってシリンダーヘッドとシリンダーブロックを固定します。
フライホイールは最小限で面研。
ミッションは分解整備し、ハウジングはブラスト処理を行いました。
この後、クラッチ等を組んでエンジン本体へ合体です。
レストア前のエンジンRestorationFile No.3と比較すると随分と見違えましたね。
エンジンも完成に近付き、ボディの仕上がりも気になる所ですが…
今までのレストアの経過はコチラから御覧頂けます。
2017年04月01日