【E30 320i Cabriolet】24ヶ月法定点検&納車前整備【52,000Km】
まとまってPC前に座れる時間がほぼ無い状態が数か月続いていますが
7月前半はちょっと時間が取れそうかな・・・
かなり下書きが溜まっているようなので、時間のある時にまとめていきましょう。
今回のメンテナンスレポートはE30 320i Cabrioletの24ヶ月法定点検と納車前整備です。走行距離は52,000Km。
外装はアルピナVer.になっており、長年に亘って当社で管理していた車輌で走行距離からみても、
コンディションは非常に良い状態なのですが、それでも30年以上が経過したモデルになる為、
経年を考慮したメンテナンスが必要になります。
内外装共にコンディションは良いのですが、納車前にテストランを行って状態を確認し
基本的なメンテナンスの各オイルの交換の他、今後も長く安心して楽しんで頂く為の
メンテナンスを行っていきましょう。
フロント足廻りにガタつきが出ており、走行中もゴーっと異音を発生している為、
ハブベアリングの状態を確認する為、各パーツを取り外します。
ハブベアリングを引き抜きます。
潤滑不良で内部のベアリングからゴロゴロと異音を発生させている状態。
更に症状が悪化するとベアリングが焼けて破損してしまうと、最悪の場合タイヤがロックしてしまったり、
タイヤが抜けて大きな事故に繋がってしまうケースもあり、足廻りからの異音を放置する事は厳禁です。
特に経年モデルの異音は重大なトラブルに発展する恐れがある為、
多少でも異音等の違和感を感じたら、早めに掛かりつけの主治医へ相談する事が大切です。
左右共に交換します。
新しいハブベアリングを装着する前に塵や砂埃等を綺麗に取り除いて綺麗な状態にしておきます。
新旧のハブベアリング、ハブナット。
一体型のハブベアリングは劣化が進んでガタついてしまうと画像の様に破損してしまうケースも多く、
高速走行中に破損してしまうと非常に危険な為、足廻りからの異音には特に注意が必要です。
新しいハブベアリングを装着。
トルクレンチを使用し、既定のトルクでハブベアリングを締め込んでいきます。
最後にナットが緩まない様にしっかりとロックを行ってハブベアリングの交換が完了。
ステアリングラックブーツが破損してしまっていた為、
ステアリングラックやタイロッド等に問題はないか状態を確認しブーツを交換。
ステアリングラックブーツは蛇腹になっておりステアリング操作の際に伸縮を繰り返しているのですが、
気付かない内に破損している事が多いパーツの為注意が必要です。
劣化が進行すると油分が抜けて柔軟性が失われる事で徐々に亀裂が入り、
やがて断裂してしまうと、内部のステアリングラックやタイロッド、ギアボックス等に悪影響を及ぼす為、
定期点検の際に状態を確認し経年を考慮して交換しておくと安心です。
新旧のステアリングラックブーツ。
新しいブーツを装着してステアリングラックブーツの交換が完了。
装着に使用するブーツバンドは再使用不可の為、必ず新しいバンドを使用して下さい。
更に点検を進めていくと…コントロールアームも劣化していた為、左右共に取り外して交換を行います。
ロアコントロールアームブッシュも亀裂が発生している状態。
取り外したフロントコントロールアーム。
ボールジョイントのブーツが破損していました。
劣化が進むと画像の様にブーツが破損すると、内部のグリスが出てしまったりブーツ内部に異物が混入してしまうと、
動きが渋くなり最終的にジョイント部の破損に繋がってしまう事がある為、亀裂が入っていたら早急に交換が必要です。
ロアコントロールアームブッシュ(ロアコンブッシュ)を交換する為、
SSTを使用してコントロールアームからブラケットを取り外します。
新旧のフロントコントロールアーム。
ASSY交換。
新旧のロアコンブッシュ。
ブッシュ部のみの交換が可能なので、プレス機で新しいブッシュへ交換。
ブラケットからブッシュを慎重に打ち抜き、新品のブッシュを圧入していきます。
ロアコンブッシュの交換が完了。
基本的にブッシュと呼ばれているパーツは消耗品として定期的に交換が必要なのですが、
特にこのブッシュは使用されているブッシュの中でも非常に負担が掛かる為交換頻度も高く、
走行方法等によっても劣化スピードは変わるのですが、それでも交換をすすめられる事が多いパーツです。
消耗が進むとステアリング操作が不安定になったり、ブレーキ操作時にガクッと振動を感じたりと
必ずステアリングに合図を送ってくれる箇所なので、ん?と思ったら即チェックした方が良いでしょう。
SSTを使用してアームに対して垂直になる様に慎重に圧入していきます。
装着の際に無理に押し込んだり、斜めに圧入してしまうと装着の際にブッシュが破損してしまったり、
折角交換しても短期間でブッシュが駄目になってしまう事がある為、装着の際は慎重な作業が必要です。
左右ののフロントコントロールアーム、ロアコンブッシュのブラケットを装着して交換が完了。
納車整備としてATF交換を行うのですが、当社では全量交換を行っております。
ATFの排出を終えたら、ATFのオイルパンを取り外し、内部に装着されているATエレメントを外した状態で、
一晩を掛けてATFをしっかりと排出させます。
ATF交換は閉店間際に作業を始めて、
翌日までATFを排出させる為、最短でも車をお預かりする1泊2日の作業が必要です。
テスト走行中の変速に問題があった為、ATスピードセンサーを交換。
変速したりしなかったりの症状で、AT本体の不具合も当初考えられましたが
症状の出方が限定的だったこともあり、こちらのセンサー交換で正常な変速に戻りました。
新旧のスピードセンサー。
取り外したATFのオイルパン。
適正に使用されていたか、内部の問題は発生していないか、
ATFの汚れ具合やオイルパンの磁石に付着しているスラッジを確認してAT内部の状況を探ります。
オイルパンの磁石にはスラッジが付着していますが、量としては想定内で特に問題はありません。
ATFの汚れも酷くなくATFの管理は非常に良い状態です。
汚れ具合の確認を終えたらオイルパンの洗浄を行って、綺麗な状態にしてからボディへ装着します。
新旧のATFオイルパンガスケット、ATFエレメント。
ATFエレメントに付着している黒い汚れは内部で発生しているスラッジで、
ATFの管理が良かったとしてもAT内部ではギアが噛合う事でスラッジが発生してしまう為、
如何にATF交換が大切な事かがお判り頂けると思います。
ATエレメントとオイルパンを装着。
E30はゲージが付いているのでそこから規定量のATFを入れてからテストランを行い、
その後に油面調整を行ってATFの交換が完了。
油面調整は必ずテストラン後に行わないと正確なATF量にならないので要注意。
新オーナーにチェンジのタイミングで必ずタイミングベルト、ウォーターポンプを交換します。
冷却水が錆の発生等で濁ってしまっていないかなどの状態を確認しながら作業を進めて行きます。
冷却水の管理が悪いと、その影響で内部に錆が発生してしまい
冷却水に錆が含まれ、茶系の色へ変色してしまっていたり、
ウォーターポンプや冷却経路へ悪影響を与えて、適正に冷却が出来なくなる事で、
ウォーターポンプ等の冷却系のパーツの破損だけでなく、エンジンのオーバーヒートに繋がってしまう為、
冷却水の量や水温計の変化には注意が必要で、多少でも冷却水漏れの予兆(ウォーターポンプからの異音)や
ボンネットを開けた際やダッシュボード付近から甘い香りがする様であれば
冷却水漏れが発生している事が考えられる為、その様な症状が出ていれば
放置はせずに早めに処置した方が良いでしょう。
新旧のウォーターポンプ・タイミングベルト・タイミングベルトテンショナー。
全て消耗品として定期点検の際に状態を確認し、当社では自社販売車輛は必ず納車整備の一環として交換を実施。
新旧のファンベルト・エアコンベルト・パワステベルト。
拡大すると経年劣化によりクラックが発生してしまっています。
Vベルトは摩擦力が強く滑りも少ない為、伝達力に優れているのですが、
現在主流の平ベルトと比較すると耐久性が劣ってしまう為、消耗品として定期的に確認し交換が必要です。
劣化が進むとベルト鳴き等の症状が出る為、異音が発生したら状態を確認し、
多少でもクラックが発生していれば放置はせずに交換を行って下さい。
ベルト鳴きはベルトの劣化の他にプーリーやテンショナー、コ
ンプレッサーやポンプ等の機械的な故障によっても発生する為、
異音を放置した結果、突然ベルトが切れたり、パーツが損傷する等で大きなトラブルに発展する事があるので要注意。
ウォータージャケット内部に錆の発生がないか、ウォーターポンプの装着面に歪み等が発生していないか確認し、
オイルストーンを使用して装着面を綺麗に整えておきます。
新しいウォーターポンプを装着。
タイミングベルトやその他の各ベルトを装着し、ウォーターポンプ、各ベルト等の交換が完了。
冷却水交換。
専用の機械を使用して冷却経路内のフラッシングを行い、内部で発生した錆や水垢等の汚れを
古い冷却水と共に車外へ圧送させます。
冷却系はウィークポイントとして冷却水漏れ等に悩まされている方も多いと思いますが、
この様な作業を定期的に行って各部の点検を行う事で飛躍的にトラブルを解消させる事が出来る為、
冷却系の修理をしても短期間で冷却水漏れ等の症状が発生してしまう方は施工方法を見直してみる事も大切です。
パワステオイル交換。
パワステオイルはギアボックスやオイルポンプ等で発生するスラッジが含まれる事で、
新油の状態は透明な赤い色なのですが、徐々に汚れて黒味を帯びて劣化が進行し、
パワステオイルに多くのスラッジが含まれる事で、
交換を怠っているとギアボックスやオイルポンプに悪影響を与えたり、
パワステホースを傷付けて劣化を早めてオイル漏れを発生させる為、オイルの色の変化には注意が必要です。
どうせ漏れやすいからとパワステオイル漏れが発生しているのにも関わらず、
減った分を継ぎ足しながら走行を繰り返したりしている方がいますが、
症状が悪化していくだけで根本的な解決にはなっていない為、絶対に止めた方が良いでしょう。
wynn’s社のクリーナーを使用してパワステ経路内をクリーンな状態にしてから新油へ交換を行います。
専用の機械を使用してスラッジを多く含んだ古いパワステオイルを圧送させ、
パワステ経路内をクリーンな状態にし、新油を注入してパワステオイル交換が完了。
交換後のパワステオイルは透明の赤い色なのですが、短期間で直ぐに濁ってしまう場合は、
パワステ経路内のスラッジが残ってしまっている状態の為、単にパワステオイルを交換するのではなく、
パワステシステム全体を考慮しながら、
出来るだけトラブルとなりえる要因を取り除き防止する為の作業を行う事が大切です。
ブレーキフルード交換。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、劣化が進んで水分を含むと無色透明から徐々に
紅茶色へ変化しやがて黒味を帯びてきます。
基本的に車検時の定期点検の際に交換している事が多く、酷く劣化している事は稀なのですが、
ユーザー車検等で交換を行わずにかなり劣化が進行してから
交換をする方やあまり乗ってないからと交換を怠ってしまうと、
ブレーキフルードが吸湿した水分の影響で錆を誘発し、パッキンを傷付けてブレーキフルード漏れや
錆の影響でブレーキピストンが固着してしまうとブレーキの引き摺りを発生させ、
ブレーキパッドやブレーキローターの故障やトラブルに繋がってしまいます。
また、劣化して水分を多く含んだブレーキフルードは沸騰しやすくなり、
ブレーキの熱等で沸騰してしまうと、ブレーキライン内に気泡が出来る影響で油圧が伝わらなくなり、
ブレーキペダルを踏んでもスカスカとブレーキが効かなくなってしまうベーパーロック現象を引き起こす為、
交換時期を引き延ばすのではなく定期的に交換を行う事が大切です。
ブレーキを踏めば車は確実に止まってくれると思いがちなのですが、メンテナンスを怠ると、
命に関わる事故に繋がってしまう恐れがあり、自分や家族の命だけでなく、
他人の命を奪わない様にする為にもしっかりとメンテナンスを行って下さい。
専用の機械を使用してブレーキライン内の水垢や錆汚れ等を古いフルードと共に車外へ圧送。
排出したブレーキフルードに異常な汚れや錆等が含まれて無いか確認を行って、
もし異常が見つかれば原因を特定する為、ブレーキシステム全体を取り外す等の大掛かりな作業が必要です。
新しいブレーキフルードを注入して交換作業が完了。
新油は画像の様に無色透明で、車を使用するしないに関わらず吸湿する事で徐々に劣化が進行していきます。
定期的な交換を行っていれば特に大きな問題になる事は少ないのですが、
特に経年モデルはホースの劣化等でフルード漏れを発生させる事がある為、
ご自身でもリザーブタンクを開けてフルードの量や劣化状態(色の変化)を確認しておくと良いでしょう。
デフオイル交換。
交換の前にフラッシング剤を注入し、内部で発生したスラッジを落として排出させやすくしておきます。
テストランを行ってフラッシング剤を浸透させて汚れを落とし、充分に温めた状態でデフオイルを排出。
デフオイルは非常に粘度が高く、排出の際はしっかりと温めておかないと排出に時間が掛かってしまうだけでなく、
内部のスラッジを排出する事が出来なくなってしまう為、効
率よく作業を行う為にもしっかりと準備をしておく事が大切です。
時間を掛けて出来るだけ内部に古いオイルを残さない様にしずくが垂れなくなるまで排出を行います。
排出を終えたら規定量のデフオイルを注入してデフオイル交換が完了。
プレッシャーレギュレーターのバキュームホースが劣化していた為交換。
プレッシャーレギュレーターのバキュームホースが劣化してしまうと2次エア吸いが発生してしまい、
適正な燃圧を維持する事が困難になる影響でアイドリングが安定せず、
ノッキングが発生したり、性能の低下や燃費の悪化、更に状態によってはエンジンブローに繋がる恐れがある為、
こういったゴム部品の状態の変化には注意が必要です。
新旧のプレッシャーレギュレーターバキュームホース。
ゴム製のホース類は経年劣化で油分が抜けてしまうと、柔軟性が無くなって固くなり、
徐々に亀裂が入ってやがて破損してしまう為、修理の際にホースが割れて破損してしまうケースも多いですね。
エンジンオイルの交換を行う前にフラッシング剤を注入して内部で発生し、
堆積してしまったスラッジやカーボン等の汚れを落しておきます。
フラッシング剤は【wynn’s OIL SYSTEM CLEANER】を使用し、素早く浸透して汚れを落すだけでなく、
汚れを落す際の摩擦を軽減し、保護被膜を形成する事で一度落した汚れの再付着を防止し、
新油の再汚染を防ぐ効果が期待出来ます。
1回の使用でも充分な効果を発揮するのですが、エンジン内部をクリーンな状態に保つ為にも、
当店ではエンジンオイル交換の際に定期的にフラッシングを行う事をおすすめしています。
フラッシング剤を1本分注入し、エンジン内部の手の届かない箇所までフラッシング剤を浸透させて汚れを落します。
10分~15分程アイドリングを行ってフラッシングを行い、落した汚れと共に古いエンジンオイルを一気に排出させます。
廃油はそのまま処分してしまうのではなく、
異常な汚れや金属片等が含まれてないか確認を行ってエンジン内部の状態を探ります。
出来るだけエンジン内部に汚れたオイルを残さない為にも、時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで排出を行います。
新旧のエンジンオイルエレメント。
E30は予めケースの中にフィルターが入っているスピンオン式オイルエレメントで、
非分解なので内部の汚れ具合を判断する事は出来ない為、エンジンオイル交換時等に定期的に交換する事が大切です。
エンジンオイルエレメントは一般的にエンジンオイル交換2回に1回の交換サイクルで問題無いといわれているのですが、
オイルエレメント内部にはオイル交換時に排出されない古いオイルがジュース1本分含まれており、
汚れた古いオイルと新しいオイルが混ざるのってしまうのを防ぎ、オイルの性能を充分に発揮させる為にも、
当社ではエンジンオイル交換毎にエンジンオイルエレメントの交換をおすすめしています。
排出を終えたら新しいオイルエレメントを装着し、規定量のエンジンオイルを注入しエンジンオイル交換が完了。
エンジンオイルは多くても少なくてもエンジンに悪影響を及ぼす為、必ず計測を行いながら規定量を注入して下さい。
エンジンオイル交換を終えたら、忘れずにオイルインスペクションのリセットを行います。
E30のオイルインスペクションは、グリーンのランプが消灯していく事で最適な交換時期を知らせているのですが、
単に走行距離や経過時間のみを計測している訳ではなく、走行に関する様々な情報を元に計測している為、
エンジンオイルに負担の掛かるシビアコンディションでの走行は通常よりランプの消灯が早くなります。
交換時期の目安は最初のランプが消灯した際から交換を意識し、
2個目のランプが消える頃までに交換しておくと良いでしょう。
フューエルフィルター交換。
フューエルフィルターは給油の際に混入する砂埃等の微粒子や劣化したタンク内の塗装、
結露した際に含まれる水分の影響で発生した錆等を除去しています。
クラシックモデルや長期間放置された車輌などは、早いペースでフューエルフィルターの交換をしても
良いかと思います。
取り外したフューエルフィルター内の燃料を排出すると細かい粒子等の汚れが排出。
タンクに錆が発生していると茶色に変色した燃料が排出される為、
そうなっていた場合は燃料タンクの錆の除去等のフューエルライン全体のメンテナンスが必要です。
新旧のフューエルフィルター。
新しいフューエルフィルターを装着して交換が完了。
エアエレメント交換。
新旧を見比べてみても、全体が酷く汚れている訳ではないのですが交換します。
新旧のスパークプラグ。
スパークプラグは消耗品として定期的に交換が必要で、チョイノリや低速走行が多い方は、
くすぶりやかぶりが発生しやすくなる為注意が必要です。
電極が消耗してしまうと火花が飛ばなくなる発火ミスや、
火花が飛んでいるのにも関わらず混合気が燃焼しない点火ミスが発生し、
性能や燃費の低下や不完全燃焼の影響で排気系のセンサーや触媒等にも悪影響を及ぼします。
取り外したスパークプラグが適正に使用されていたかプラグの焼け具合や消耗度をチェックして新品へ交換。
新旧のバッテリー。
バッテリーは電装系の他にエンジンの始動時にも使用されている為、バッテリーにトラブルが発生すると、
電装系の装備は全て使用不可となり、エンジンを始動させる事が出来なくなってしまいます。
走行中はオルタネーターで発電した電力をバッテリーへ充電しながら電力を供給しているのですが、
寿命は一般的な使用で2~3年の為、ある程度余裕を持って交換しておくと安心ですね。
新しいバッテリーを装着して交換が完了。
近年は様々な情報を車輌側で管理しているモデルも多く、
バッテリー交換の際に様々な設定等のメモリーバックアップが必要等、
専門的な知識が必要なケースがあり、バッテリーのみの交換だからと安易に交換を行ってしまうと、
設定や情報が全て失われてしまう事がある為、専門的な知識のある工場で適切に交換を行って下さい。
ソフトトップ収納リッドを開閉するレバーが不良で持ち上がったまま戻らなくなっていた為、取り外して状態を確認。
新旧のソフトトップ収納リッドを開閉するレバー。
経年劣化でレバーを固定する箇所に不良が出ていた為、新しいパーツへ交換。
新しい開閉レバーを装着し可動具合を確認して交換が完了。
ドアキャッチの動きが若干渋くドアの閉まりが悪かった為、取り外して状態を確認。
ドア内装を外しドアキャッチ本体を慎重に取り出します。
取り外したドアキャッチ本体。
点検を行った所、機構部の状態は特に問題は見られなかった為、各部にグリスアップを行って車体へ戻し、
ドアの開閉具合を確認して修理が完了。
ソフトトップのロック解除を行うレバーに不具合があった為、新しいパーツへ交換。
レバーの交換を終えたらカバーを元に戻して交換が完了。
この固定解除レバーは経年劣化により割れたりと不具合が発生しやすい箇所ですね。
トランクダンパー不良でトランクが上手く開閉出来無くなっていた為、新しいダンパーへ交換。
経年劣化等でダンパーのガスやオイルが抜けてしまうと跳ね上げたり固定する力が無くなり、
トランクフードが固定出来無くなると、荷
物を取り出す際に知らない間にトランクフードが下がって頭をぶつけてしまったり、
症状が酷くなれば、いきなり閉じてしまったりすると非常に危険な為、ボンネットダンパーなども同様に
開閉に違和感を感じたら、症状が悪化する前に早めに交換を行って下さい。
新旧のトランクダンパー。
新しいトランクダンパーを装着して交換が完了。
オートアンテナが作動しなかった為交換を行います。
ボディを傷付けない様に慎重に取り外します。
新旧のオートアンテナ。
新しいアンテナを装着し、可動を確認して交換が完了。
ウォッシャーチェックバルブからウォッシャー液が漏れ出てしまって、
ウォッシャー液が出なくなってしまっていた為、修理を行います。
新旧のウィンドウウォッシャーチェックバルブ。
バルブの交換を終えたら、適切にウォッシャー液が噴射されるか動作確認をして交換作業が完了。
フォグランプスイッチのオンオフに不具合があった為、新しいスイッチへASSY交換。
スイッチを交換し、操作による点灯・消灯を確認。
スイッチ系のパーツの故障は内部の基盤が腐食して接触不良になってしまったり、
内部のスプリングに不具合があると押したまま戻らない等の症状が発生する事がある為、
普段はあまり使用しないスイッチだとしても定期的に動作確認をしておくと安心です。
全ての作業を終えたら最終のテストランを行って、修理箇所やその他に不具合や違和感が無いか確認し、
特に問題がなければ最寄りの陸運支局へ車輌を持ち込んで車検を取得します。
タイミングベルトを交換したのでステッカーに交換した走行距離と日付を記載。
一般的に約40,000~50,000kmを目安に交換をお勧めしているのですが、
国産車では100,000km毎の交換を推奨している事も多く、交換時期を国産車と同様に考えている方は注意が必要です。
今回はE30 320i Cabrioletの24ヶ月法定点検と納車前整備を行いました。
30年以上前のモデルという事で、今回は基本的なオイル類の交換の他にボリュームの大きい整備となりましたが、
購入後も快適に安心した走行を楽しんで頂く為にも重要な作業ですので、
各部の状態を精査して問題等があれば、しっかりと修理を行って納車する事を心掛けております。
クラシックモデルは思わぬ箇所が故障してしまう事も多く、
購入後直ぐにトラブルが発生してしまう事も少なくないのですが、
今後も長く維持し楽しんで頂く為にも、購入後のメンテナンスについてお話しさせて頂いております。
カブリオレモデルは屋根が無い分走行を爽快に楽しめるのですが、
メンテナンスの良し悪しで快適さが変わってしまいますので、
しっかりと管理を行ってこれからも長く楽しんで頂きたいですね。
2021年07月05日