90y E30 M3 DiamondBlack Restoration FileNo.11
今回は90y E30 M3 DiamondBlack Restorationの第十一回の記事になります。
前回、前々回とシリンダーヘッド・シリンダーブロックのそれぞれの作業が終了致しましたので
今回はエンジン全体を組み上げていく作業に入ります。新しいテンショナーレール・タイミングチェーンガイドを使用してタイミングチェーンを装着していきます。オイルポンプチェーンを装着。タイミングチェーンカバーを装着します。
オイルシール、カバーのガスケットも新しい物へ交換致します。タイミングチェーン部分の装着が完了致しました。シリンダーブロックへ新品のヘッドガスケットを装着しシリンダーヘッドを組み上げていきます。シリンダーヘッドにテンションレールを装着します。装着の際、各Oリングも新しく交換。新旧のテンショナーレール。
シリンダーヘッドをブロックに載せる準備が整いました。シリンダーヘッドとシリンダーブロックを固定する新品のヘッドボルトです。
ボルトは通常規定トルクで締め付けるとボルト自体が伸びてしっかり固定する特性になっていますので再使用不可。
良く洗浄し、給油して締結していきます。シリンダーブロックにシリンダーヘッドを載せヘッドボルトをトルクレンチを使用して規定のトルクで締め付けていきます。ヘッドボルトの締め付けはトルクや角度等3ステージに分かれており3回に分けて締め付けます。
ヘッドボルトには回数を間違えない様、マーキングを付けておくと良いでしょう。出来るだけタペット調整の手間を省く為、バルブリフターは全て同じ位置へ戻す為に取り外した箇所を記入しておきましたが
何個か消えてしまっていますね・・・
バルブ摺り合わせで若干のズレもでているはずで、どちらにしても再調整は必要になると予想はしていましたから
良しとしましょう・・・
バルブリフターの側面は摩擦を軽減させ動きをスムーズにさせる為に綺麗に磨いておきます。ヘッドボルトの2回目の締め付け中。3回目の締め付けが終了致しました。これでしっかりとシリンダーヘッドが装着されました。エキゾーストのスタッドボルトを外し、タップでネジ山の清掃。
オイルエレメントハウジングを装着します。
取り付けたボルトもハウジング本体も再生され非常に綺麗な仕上がりになりました。
カムホルダーを取り付ける前にネジ山に問題が無いか確認。オリジナルのボルトはメッキ再生を施しました。この部分にガスケットは無いので、液体ガスケットを使用し組み上げ。
カムケースを装着し次にカムシャフトを組み込みます。
バルブがピストンと接触しないように・・・
カムスプロケットを装着。
ロックプレートを付けるので大丈夫だとは思いますが、万一でも外れたらブローしますので
万一が無いようにロックタイトを塗布。
バルタイを確認。
時計方向にクランクを回しスムーズに回転するかなど色々と確認。
リアクランクシャフトのオイルシールを交換致します。オイルシールにはコイルバネが組み込まれており、コイルバネの広がろうとする力で
オイルシールが密着されオイル漏れを防いでいます。
その為、捻じれたりして組み込んでしまうと密着性が薄れオイル漏れを発生させますので正確に組み込んでいきます。
これでエンジン本体の作業は、ほぼ完了しましたので補機類の取り付けなどを開始。オルタネーターを分解。内部の各部位に問題など無いか確認し、綺麗な状態にして元の状態へ組み立てます。
パワステポンプ・エキマニを取り付け。次にスロットルボディを組み立てる作業に入ります。
それぞれ二つに分割していたボディを一つに組み上げていきます。スロットルボディが一つに組み上がりました。スプリング類は使用出来る物を見極め全てオリジナルのパーツにユニクロメッキを施して再生しております。スロットルバタフライは表裏・上下・各気筒、装着箇所を間違えるとアイドリングや走行に支障がでますので
安易に分解はしない方が良いです。
組み直したオルタネーターを装着します。
随分エンジンらしくなってきました。あと少しでエンジン完成といったところです。
過去の記事はこちらから。(第一回、第二回、第三回、第四回、第五回、第六回、第七回、第八回、第九回、第十回)
2016年03月09日