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第57回 M3Cエアコン修理

 
 
 
 
今回のメンテナンスレポートは冬らしくないのですがエアコンの修理です。

ですが冬のエアコントラブルも結構多いものです。(トラブルが起こっていてもオーナー様自身が気付いていないケースも)

『エンジンスタートと同時にエアコン吹き出し口から煙が出てきたが大丈夫かな?』
と電話があり、入庫した98年式のM3C。
走行距離もまだ5万km台に入ったばかり。
E36はあまりエアコントラブルの出ないモデルですが
良く考えてみれば10年近く経過しているモデルですからこれからこのような修理が多くなっていくことでしょう。

エアコンガス圧を測定するとやはりガス圧が低く、エンジンルーム側から漏れた形跡は無いので

室内側を調べる事に。
 
 
 
 
 
エアコンエバポレーター、ヒーターコア等はセンターコンソールの奥のハウジングケース内に設置されており
エバポレーター、ヒーターコアを確認するにはダッシュボードを取り外さなくてはいけません。
 
 
 
 
ここまで外してやっと室内のエアコンハウジングが現れます。
ダッシュボードが無い状態だとM3の足元が非常に広く感じます。
 
 
 
 
 
エアコン主要部はハウジング内に収められているので
ハウジング毎外し、各部のチェックを始めます。
 
 
 
 
上のパーツは、吹き出し口から出る風の場所を切り替えてあげる為のステッピングモーター。
昔のモデルはワイヤー式で、レジスター不良で風量の調節が効かなくなることはありましたが
風の切り替えが駄目になってしまうことは余りありませんでした。

モーターというパーツを使っており機能は優れておりますが
経年や使用劣化により今後修理が必要になってくる箇所でもあるでしょう。
 
 
 
 
 
こちらはエアコンテンプセンサー。
運転席、助手席側に別れています。 こちらも汚れの付着、センサー自体の故障等により
正確な温度感知が出来なくなりますから、今後交換が多くなってくる箇所でしょう。
 
 
 
 

ヒーターコアのアルミコア自体が駄目になってしまうケースも少なくないですが
ヒーターコア上の写真の赤いラインの部分がプラスチック部とアルミ部の結合部分で
この部分から冷却水が染み出してくるケースも多いです。

 
 
 
 
 
エアコンエバポレーターとエキスパンションバルブ。まだまだ使用出来そうな外観ですが
エキスパンションバルブ部からのガス漏れによりアッセンブリーにて交換。

エアコンオイルも汚れが目立ちましたので、エアコン使用頻度が多い方や10年以上経過したモデル等は
正常に機能しているとしても1年に一度はエアコンオイルとエアコンガスの入替をし、エアコンコンプレッサー
やエバポレーター等の保護をされた方が故障の出る割合は確実に減ると思います。
 
 
 
 
 
エアコンハウジング内のパーツの機能チェックを全て済ませ、交換すべきパーツは交換し
まだ使用できるパーツは洗浄清掃しハウジング内に各パーツを組み込み
分解した逆の手順で各パーツを組み込んでいきます。
エアコンマイクロフィルターも汚れが目立ちましたので交換致しました。
このフィルターも目詰まりを起こしてしまえばブロアファンに余計な負担をかけます。
1年に一度の交換をおすすめ致します。
 
 
 
 
 

元通り組み上げし、エアコンガスの充填と冷却水の交換、
各部の数値をテスターにて全て正常か確認をし、走行テストを実施。異音等が無いかどうか確認後納車になりました。

距離が出ていなくても経年による不純物混入による目詰まりや、目詰まりによって
ガス漏れをしてしまい故障となってしまう典型的な例でした。
動くから、稼動しているから問題無いと放置してしまうとこういった形で修理が必要になってきてしまうケースが多いですから
1年に一度は内部の状態をチェックし、エアコンガスの交換が必要であれば交換をおすすめしますし、
その時に必要がない場合でもどのくらいの時期で交換したほうが良いか。
それを把握しておく事が故障に繋がらないベストな方法かと思います。
ですが、もし交換が必要になってしまった場合には二度手間にならないよう各部の機能チェックをしっかり行い
交換が必要な箇所は交換し、清掃等でまだまだ機能するパーツはそのまま使用するといった
各パーツの良否判定がしっかりと出来る修理工場での施工をおすすめ致します。
ついこの間交換したばかりなのにまた同じような場所を分解しなきゃいけない事は非常に無駄です。

ですがその良否判定がしっかりと行われずに修理されているケースも多くありますのが現実です。

 
 
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